世論の真ん中でネットが悪いと叫んだマスコミ

今日は感想エントリーです。
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画像「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!


1.ブレない日本政府

12月13~15日にかけて、読売新聞社が行った全国世論調査で、韓国が日本とのGSOMIAの破棄を回避し、協定が当面継続されたことを「評価する」は64%で、「評価しない」の22%を大きく上回りました。

その一方、24日に予定されている安倍総理と韓国の文在寅大統領の首脳会談で、日韓関係が改善に向かうと「思う」人は16%にとどまり、「思わない」が74%となりました。

韓国のGSOMIA破棄撤回を6割以上が評価し、日韓首脳会談で日韓関係が改善すると思わないという回答が7割を超える。これは日本の世論が、GSOMIA破棄撤回と日韓関係改善は殆ど関係しないと考えていることを示しています。

文在寅政権は日本のホワイト国除外措置を撤回させようと、GSOMIA破棄撤回以降も、破棄撤回の延長だ、いつでも破棄できるとして、まだGSOMIAを外交カードに使おうとしているようですけれども、日本の世論がGSOMIAと日韓関係改善は関係ないと考えている以上、そんなことは望み薄です。

実際、10月に日経新聞が行った世論調査で、日韓関係について、69%が「日本が譲歩するぐらいなら関係改善を急ぐ必要はない」と、「関係改善のためには日本が譲歩することもやむを得ない」の19%を大きく上回っています。

朝日新聞や毎日新聞辺りは、韓国に譲歩しろ、とか多少のことは多めに見ろとか、一生懸命に韓国擁護と世論の誘導を試みていますけれども、今のところ、殆ど効果は出ていません。

18日、菅義偉官房長官は定例会見で「韓国は重要な隣国だ……韓国が国家間の約束を守ることで、両国関係が健全な関係として戻っていく……韓国との関係は、いろいろな分野で困難な状況だ」とし「強制徴用関連問題をはじめとした両国間の様々な課題に対して韓国側の賢明な対応を要求する立場に変わりはない」と語りました。政府の韓国に対する対応はブレていません。


2.韓国を好きか嫌いか

この世論に苛立ちを覚えたのか、朝日は17日、「(パブリックエディターから 新聞と読者のあいだで)世論調査、違う視点と橋渡しを」という記事を掲載しました。

この記事では、韓国に対する好悪を問う世論調査を行った理由と世論調査は世論の誘導にならないのかという疑問を自社の世論調査部にインタビュー取材しているのですけれども、その答えを次に引用します。
――なぜ「韓国を好きか嫌いか」を尋ねたのでしょうか。

 「週刊誌の嫌韓特集が炎上したとき、科学的根拠のある世論調査で、嫌韓感情を持つ人の比率や、どこに嫌韓感情が潜んでいるのかを示すことが重要だと考えました。年代と性別の傾向を示すクロス集計に焦点を当て、高年齢層の男性に嫌韓が比較的強く、若い層では逆転することをグラフをつけて慎重に報じました」

 ――好悪を尋ねる調査結果を報じることで、嫌韓感情をあおることにはならないですか。

 「その逆で、世論調査は科学的根拠を示し、冷静な議論のきっかけになります。ネットを使う人が増え、自分と同じ意見ばかりが目に入るエコーチェンバー現象や、自分の意見が世の中の主流のように感じる認知バイアスが生じます。偏った認知に基づくラウドマイノリティー(声の大きな少数者)の意見が拡散され、感情的な空気が作られていくことを懸念しています」

 ――新聞社の世論調査は世論の誘導にならないでしょうか。

 「海外では調査会社が独立しているケースもありますが、日本は戦後のGHQの民主化政策もあり、新聞社が世論調査を担うようになりました。各社が質問と回答、調査方法を公開し、質問の仕方などに読者から批判を受けることでやり方が改善され、公正さが担保されます。政府から独立した民間の機関として調査結果を示し、政策に対する判断材料を提供する役割も果たしています」
記事は、朝日の世論調査部が、エコーチェンバー現象や認知バイアスに警戒心を抱いていることを取り上げ、自分の意見と世論調査の結果と、どちらがより客観的なデータに基づいているかを冷静に考えることが重要だ、としています。

けれども、偏向や捏造報道をして顧みない報道機関が「客観的なデータに基づいているかを冷静に考えることが重要だ」なんていっても鼻白むだけです。


3.大手メディアへの不信感がある

この記事での朝日は、エコーチェンバー現象によって感情的な空気が作られるのが怖いと主張していますけれども、朝日の言い分は、エコーチェンバー現象が起こるのはネットを使うからだ、とネットに責任を押し付けているだけのように聞こえます。

エコーチェンバー現象については、12月14日のエントリー「情報を得るコストの中身が変化した ~新聞・テレビを見なくなる心理について(後編)」で、取り上げましたけれども、筆者はネットを使うからエコーチェンバー現象になるのではなく、既存メディアを視聴することの心理的負担、心理コストが、メリットを上回っているために避けられるようになったのだと考えています。

件の記事では、「報道機関の世論調査は世論操作が目的ではないかという疑念の背景には、世論調査自体への理解が足りないことと、大手メディアへの不信感があるでしょう。世論調査の仕組みや、動機を読者に詳しく示すことが重要です」と、世論操作が目的ではないかという疑念への対策として、「世論調査の仕組みや、動機を読者に詳しく示すことが重要だ」と述べています。

けれども、この対策は「世論調査への理解を深める」ためだけのものであって、大手メディアへの不信感の払拭になるものではありません。なぜなら、捏造、歪曲報道に見られるように、大手メディアへの不信感は世論調査だけで生まれたものではないからです。

朝日は、「大手メディアへの不信感がある」と自分で述べているにも拘わらず、この記事では、その原因と対策に頬かむりしています。

この記事は「社会の二極化が進み、幾つもの交わらない『世論』が並立する現状では、ただデータを示すのではなく、異なる視点への理解を深め、分断に橋をかける工夫が必要です。新聞はそのような出会いを提供する場であって欲しいです」と述べて締めくくっていますけれども、その土台となるメディアそのものの姿勢に疑問が持たれ、彼らの報道の心理コストが極端に高くなっている現状では、データや異なる視点をいくら示そうが意味ありません。見ても聞いてもくれない相手に彼らの言葉は無力です。


4.書けと命令される現場

ここひと月ほどメディアが安倍総理主宰の「桜を見る会」問題で散々叩いていますけれども、夕刊フジは左派メディアを取材し、その裏事情を記事にしています

それによると、「現場では、本当は『大した話ではない』『他にも国政・外交の重要課題がある』と分かっている。モリカケ問題より、スケールははるかに小さい。でも、社長クラスから『書け!』と命令があって、やるしかない……安倍首相の国会答弁が安定しないので、『野球の試合で相手投手に球を投げさせ、疲れさせるように、連日、書け』って…。安倍内閣を精神的な疲労に追い込むということだ」ということで、現場の記者は大騒ぎするような内容でないと分かっているのに、社長クラスが倒閣しようと記事を書かせているというのですね。

こんなことをしているメディアが信頼される筈がありません。

朝日も、エコーチェンバーや認知バイアスになるとか言って、ネットを悪者にするのは勝手ですけれども、世間がマスコミに向けている疑念の目を覚ますなど、データや異なる視点を提供するだけでは到底できないことを知るべきではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • 朝日新聞社は、自社の世論調査部へのインタビュー取材で回答することで、
    いみじくも、「日本は戦後のGHQの民主化政策もあり、新聞社が世論調査を担うようになりました」と
    自社の体制が戦後占領政策を反映したものだと公言していますね。
    朝鮮戦争で、GHQの占領政策が大転換する以前の、日本窮乏化体制と組織で運営されている訳です。
    未だにGHQの出先機関から抜け出せず、自分で何が正しいのか考えることが出来ていません。
    もしかすると、いまでもGHQ(CIA?連合国だから中国もか)にお伺いを立てて報道しているのだろうかと疑われます。
    当然自己改革など無理です。原理主義に基づき、鯛焼きのごとく、プロパガンダの量産を繰り返しています。

    国民が悪いとして、反省はしないメディアですから、メディア改革を求める意見などは無視されます。
    赤旗(共産党)、聖教新聞(創価学会)と一般の読者は支持母体を理解して、メディアを色つきで見ていますが、
    大手メディアもいよいよどの色つきなのか、国民にバレ始めたので、フィルター越しに記事を読まれることを
    理解すると、一般大衆を自社の屁理屈で納得させようと無理が生じて、さらなる捏造・煽動とトンデモ理論の構築
    に邁進しますので、蔑視と機能不全という最悪の結果に傾斜していく事態になりそうです。
    2019年12月20日 05:10
  • イオンのバベル

    マスコミへの不信感は書かなくてもよいようなことを書いてばかりいるだけでなく、必ず書かなくてはならないような重要な事を全く書かない、というところにもあります。
     これは朝日ばかりではありません。一例をあげると、 2015年は終戦70周年でマスコミは色々な記事を書いていましたが、インターネットや書籍で大きく取り上げている大東亜戦争(太平洋戦争)に至る経緯や終戦後のGHQ統治に関する新しい重要な情報に一切触れていません。
     これは読売新聞ですが、 2015年の1年間、書評欄が取り上げている書籍を全てチェックしました。これに関する書籍は1冊も存在しませんでした。読売は保守的だと評価されることもありますが、本質は朝日や毎日と変わるところはないと思います。偏向や世論操作はより巧妙であり、悪質なように感じています。俗っぽく言えばそれはこのような事なのでしょう。 「詐欺師がだまそうとする人に向かって、自分がどのように詐欺師になったのかという身の上話をするはずがない」ということです。
     ただ、本文中の「 GHQの民主化政策の世論調査を新聞社が担う」と言うように思わず白状しているところは笑ってしまいますが・・・
    2019年12月20日 10:47
  • さんさん

    読売の大々的なキャンペーンで、ダイオキシンとベトナム戦争の枯れ葉剤散布を結び付け騒ぎ出し、日本にベトナム戦争が悪だと云う洗脳とダイオキシ恐怖症を拡散浸透させた張本人ですからね。この騒動の影響で各地に有った焼却施設が「ダイオキシンがー!」で閉鎖撤去と成り、新たな焼却施設を作らねばなら無いキッカケが作り出されましたからね。
    非科学的で情緒的な環境問題詐欺の走りを作ったのは読売新聞だと言えますね。ヤッテル事は朝日の慰安婦の虚構と同じです。
    読売はCIAの手先と云う以上に、共産主義勢力側の二重スパイと云う方が適切に見えます。
    社主のナベ恒も、若い頃は共産主義に染まりき切った活動家ですからね。
    三つ子の魂百までも、雀百まで踊り忘れず。若年時に染まった考えから抜け出すのは至難の技ですよ。白紙を染めるのは簡単ですが、一度色が付いた物を洗い流し、修正する事は不可能ですから。
    韓国人の狂った歴史認識が修正出来ないのも、幼少期の白地のキャンパスに書かれた絵だからと云う部分が有るでしょう。
    2019年12月20日 16:07
  • さんさん

    読売新聞の工作と云えば、中川酒事件が忘れられませんね。
    そして読売テレビで放送された「そこまで言って委員会」内での発言にピー音で隠してましたが、中川は自○しろ発言が有り、その後に中川さんが心筋梗塞で亡くなると云う不審な事件が起こりましたね。
    生前、中川さんは在日に○されるかもと発言してたそうですから。
    2019年12月20日 20:48
  • イオンのバベル

    >読売はCIAの手先と云う以上に、共産主義勢力側の二重スパイと云う方が適切に見えます。

    全くその通りだと思いますね。
    自衛隊を合憲とするような憲法改正を支持する社説を書きながら 、最後の方では野党全てとの合意が望ましい、などと言っている。野党の中には当然共産党も入ってくるでしょう。共産党の憲法改正は天皇皇室の完全な廃止や戦力の完全な不保持の方向でしかない。そんなものに合意などあるわけないのに、そのような結論に持って行っている。読売は偽装保守であり、本質は隠れ共産主義でしょう。
    2019年12月21日 18:33

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