ヘタレて腰砕けになった文喜相

今日は感想エントリーです。
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1.ヘタレて腰砕けになった文喜相

韓国の「1+1+α」和解法案が早くもグダグダになり始めました。

12月22日、韓国の文喜相国会議長が国会に提出した、強制徴用被害者への賠償問題の解決策とする「記憶・和解・未来財団法」制定案と、「対日抗争期強制動員被害調査と国外強制動員犠牲者などの支援に関する特別法」の一部改正案について、「大法院判決を尊重するとの前提の上で可能な法案。日本企業の責任が消滅するものではない」とする説明を国会議長ホームページに掲載しました。

説明では、この法案は日本の謝罪を前提にしていると強調し「日本の謝罪は政治的なもので、首脳間の合意や宣言に盛り込まれる」としながら、韓国の国内法として明文化できるものではないとしています。

更に、法案は完成ではなく開始段階にあるとした上で、日韓両国の対話と和解協力の切っ掛けをつくることが目的で、修正可能で中断することもあり得ると述べています。

おそらく、原告団や国内の批判に晒されたことで、ヘタレて腰砕けになったのでしょうけれども、法案について散々自画自賛しておいてこの体たらく、もはや"嗤う″しかありません。

この法案について、文喜相議長は聯合ニュースの取材に対し、「それでもこの法案の発議が触発する契機になると思う。両国が合意できる唯一の案」と述べていたのです。合意できる"唯一の案"とやらが、修正したり、中断すれば合意もへったくれもありません。

仮に、法案が「日韓両国の対話と和解協力の切っ掛けをつくる」為だけだったとしても「日本の謝罪が前提で、日本企業の責任が消滅するものではない」という法案の何処に対話と和解の切っ掛けがあるというのでしょう。筆者には「賠償おかわり」法案にしか見えません。

文議長は24日に開かれるとされる日韓首脳会談に期待を寄せ、「今回の首脳会談でこの内容が議論に役立つのではないかと考えて発議をした」とコメントしていますけれども、その日韓首脳会談が実りあるものになるとは到底思えません。


2.手ぶらの韓国

12月20日、韓国大統領府の金鉉宗・国家安保室第2次長は日韓首脳会談の開催を正式発表し、「これまでの両国関係の難しさを考えると開催そのものに大きな意味がある」と述べています。要するに、会談で成果など期待していないということです。共同発表や共同会見などもないものと思われます。

仮に韓国側がいうように、「開催そのものに大きな意味がある」のだとすると、会談にあたって両国がいかなる準備を行い、何をもって臨んだのかも、重要な対外メッセージになります。

その意味では、12月22日のエントリー「レジストは日韓首脳会談の手土産になるか」で述べたように、レジストの輸出許可を個別から包括へと見直ししたのは、実際は殆ど意味がなくとも、外交的には「日韓首脳会談に日本が手土産を用意した」形になります。

この日本がレジストの輸出許可を見直しした「手土産」について、韓国大統領府関係者は「個人的にはペースをもう少し上げてほしいし、進展範囲がより広ければ、と思う」とか、「一部進展したが、根本的な解決策としてはまだ不十分だ」とかコメントしているようですけれども、韓国政府としての日本への「手土産」は見当たりません。

これは、日本にしてみれば、韓国の不誠実を詰る材料ともなりますし、現状のまま何も進展しなくても特に困ることもありません


3.国際条約を守れでプレッシャーを掛け続けよ

韓国政府は、日本の輸出管理の適正化措置について、「徴用工の報復」だと騒いで関連付けていますけれども、であるならば、彼らはその「徴用工問題」を解決しなければ、日本の輸出管理適正化も彼らの望むようには解決されないことになります。

けれども、韓国政府は、徴用工判決については「大法院判決を尊重しなければならない」という従来の見解を維持していますし、逆に日本政府は「徴用判決は韓日協定などの国際法違反だ」として、根本的な措置を求めていて、真っ向ぶつかっています。

その徴用工問題の"唯一の解決策だ"と韓国が吹聴している文喜相国会議長の「1+1+α」和解法案が、提出した途端にグダグダになっているのを見れば、彼の国は自己解決能力に欠けているのではないかと思われても仕方ないと思いますね。

韓国大統領府関係者は「輸出規制問題は協議を開始することに意味があるが、徴用問題はまだ道のりが遠い」と語ったと報じられていますけれども、日本は輸出管理適正化と徴用問題は無関係だと何度も表明しています。

それに日本は、韓国がキャッチオール規制法案を整備し、輸出管理体制を整え、信頼関係が回復すれば、現在の輸出管理を見直すことがある、とその方策まで提示しているのです。

仮に、徴用工問題が解決したとしても、韓国が自分の輸出管理態勢と法整備と整えなければ、日本の輸出管理の見直しもありません。

実際、安倍総理も24日の日韓首脳会談で「根本原因は、旧朝鮮半島出身労働者問題にかかる大法院判決にある。これは国交正常化の基礎となった日韓関係の法的基盤の根本にかかわる問題であり、韓国が国家として日韓関係を健全な関係に戻していくきっかけを作るよう求める」と文大統領に、韓国側で解決するよう要請していますけれども、現状を見る限り、輸出管理問題も徴用工問題もすぐに解決されるようには見えません。

まぁ、それでも日本は困らない以上、韓国を放置しつつ、何かにつけて「国際条約を守れ」とプレッシャーを掛ける対応でよいのではないかと思いますね。

この記事へのコメント

  • 今回の首脳会談で安倍総理が文大統領を追い込まなく原則論で終始したのは、
    ・韓国政府の方針を聞き流す事で(言いたい事を言わせはする)、文大統領がさらに中国側に傾斜することを防止する
    ・日本とって文大統領が政権にいることが好都合だから
      ・保守派に政権交代して、擦寄られ、抱き着かれれば、韓国問題の改革の機会を逸する。
      ・安全保障体制整備、憲法改正論議にも問題の存在は必要であり、衆議院選挙にも有利である。
    という理由があったと思います。

    記事中には、「仮に、徴用工問題が解決したとしても、韓国が自分の輸出管理態勢と法整備と整えなければ、日本の輸出管理の見直しもありません。」とあります、間違ってはいませんが、これは日本側からの視点であり、
    韓国側の視点では、徴用工問題を日本側見解に沿って、解決する気はありませんので、優先順位は、日本の輸出管理の見直しが先に来ます。おそらく、大法院の判決に従うことを前提に拘り、徴用工問題は危機を産むような進展はないが、放置され続けます。今後も韓国が窮する局面まで、自らを改めることなく、輸出管理の見直しを連呼することに終始すると思います。

    さて、北朝鮮が急に米朝交渉を打ち切って、ミサイル実験・核装備に舵を切ったのは、GSOMIAの延長交渉の際にアメリカが行った韓国政府への恫喝の中に、北朝鮮攻撃が含まれていて、この内容が北朝鮮政府に筒抜けだった、という事は考えられないでしょうか。アメリカとしてはGSOMIAの延長が目的であり、最高首脳との会談かつ機密であり、本音を出して恫喝したが、韓国政府はそれも守れずに漏洩してしまい、アメリカの本音を知った北朝鮮が交渉を打ち切ったように思われます。
    2019年12月25日 04:19
  • 日比野

    12月25日 4:19の名無しさんへ

    おはようございます。コメントありがとうございます。

    >韓国政府の方針を聞き流す事で(言いたい事を言わせはする)、文大統領がさらに中国側に傾斜することを防止する
    なるほどこれは面白い視点です。やるかも詐欺で引き留めておく、ですね。

    >今後も韓国が窮する局面まで、自らを改めることなく、輸出管理の見直しを連呼することに終始すると思います。
    これは筆者もそう思います。

    >韓国政府への恫喝の中に、北朝鮮攻撃が含まれていて、この内容が北朝鮮政府に筒抜けだった、という事は考えられないでしょうか。

    12月6日のエントリー「切羽詰まる北朝鮮とアメリカの空爆オプション」で、筆者は「アメリカはGSOMIA破棄し、在韓米軍が撤退するようなことになれば、北朝鮮を空爆するといって脅したのではないか」と述べましたけれども、その線はあると見ています。

    韓国に伝えればそのまま北朝鮮に伝わることは確実ですからね(文政権そのものが北朝鮮シンパですし、北の工作員が青瓦台に入っていることもあり得ますので)。それで北朝鮮が交渉を打ち切った可能性は考えられます。

    ただ、北朝鮮の対アメリカ声明が今一つ腰が引けている感(トランプが悪口をいうなら、こっちも悪口をいう)もあるので、伝わったから北朝鮮が軍事的対抗すると方針変更したとまでは現時点ではわかりません。

    今後ともよろしくお願いいたします。
    2019年12月25日 07:23
  • 返信ありがとうございます。

    >北朝鮮の対アメリカ声明が今一つ腰が引けている感

    これについては、同感です。おそらく、米朝交渉の過程で、核実験場の廃棄や事故があったと存じます。
    その際に、重要な科学者と技術者を失っていますので、キャッチアップに未だ時間が掛るであろう事と、
    制裁と瀬取り監視、韓国経由での不正輸出の封鎖が効果をあげており、ICBMの発射準備に苦労しているものが、
    あるのではないかと考えます。
    対米での恐怖感から、強いポーズを示さざるを得ないが、まだ勝利までに至る道筋が確立せず、兵器開発が完成しているか
    自信が持てないという焦りが、非難声明で今ひとつ強気に出られない北朝鮮の現状を現している様に見えます。

    いつも勉強させて頂いており、誠にありがとうございます。
    2019年12月25日 23:02

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