昨日の続きです。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.口出しするのは出過ぎたことだ
昨日のエントリーで、韓国がアメリカに逆らってでも、北朝鮮との協力推進をしようとしていることを取り上げましたけれども、当の北朝鮮は、韓国・文在寅大統領のラブコールを、冷たく突き放しています。
1月11日、北朝鮮は金桂冠外務省顧問の名義の談話で、青瓦台に対し「口出しするのは出すぎたこと……血族でもない南朝鮮が『仲裁者』の役割を果たそうという未練があるようだ」と袖にしています。
韓国の大統領府は「米朝関係は前輪、南北関係は後輪」として、相互に依存的関係であることを強調してきたのですけれども、当の北朝鮮は文大統領が提案した南北協力の対象について一切言及しなかっただけでなく、文大統領についても触れませんでした。
これについて、韓国・国立外交院長のキム・ジュンヒョン氏は「北朝鮮は青瓦台がもっと懐の深い協力をしてくれることを期待したが、これまでのイベント的な協力に愛想を尽かした」と指摘しています。要するに北朝鮮はこれまで韓国が行った、平昌オリンピックでの選手団派遣、開城連絡事務所開設などは"イベント"に過ぎず、北朝鮮が期待した程のものは得られなかったと見ているということです。
韓国大統領府は、文大統領の新年の辞に対する北朝鮮の反応に関心を寄せていました。
というのも、北朝鮮が文大統領の提案に応えれば、これを土台に対北制裁を主導しているアメリカを説得できると考えていたからです。
けれども、北朝鮮の冷たい反応にがっかりしたのでしょう、韓国大統領府は北朝鮮・金桂冠の談話に公式の反応を示しませんでした。
もっとも、与党関係者によると「国内の保守陣営はもちろん、対北制裁という現実的な問題まであるにもかかわらず文大統領が手を差し伸べたが、北朝鮮がまったくそれに応じないことについて不快に感じているのは事実」と述べていることから、意外と腹を立てているのかもしれません。
2.私のお祝いのメッセージを伝えてほしい
北朝鮮は、先の金桂冠外務省顧問の談話にあるように、韓国が米朝間の仲介役を果たそうとするのを嫌っています。
韓国の鄭義溶国家安保室長は、8日に訪米し、トランプ大統領と面会した際、北朝鮮の金正恩委員長の誕生日に「文在寅大統領から私のお祝いのメッセージを伝えてほしい」と託され、それを北朝鮮に伝えたと明かしています。
けれども、これに対する北朝鮮の反応はやはり冷たいもので、件の金桂冠外務省顧問は11日、朝鮮中央通信を通じて発表した談話で「南朝鮮当局が大騒ぎして緊急通知文として知らせてきたアメリカ大統領からの誕生日祝賀メッセージというものを、我々はアメリカの親書として直接受け取った状態である……世の中の全てが認めているように、我が国務委員長とトランプ大統領の親交は悪くないというのは事実だ……この親交を土台としてもしかしたら我々が再びアメリカとの対話に復帰するのではないかと期待したり、また、そのような雰囲気を作ろうと頭を働かせるのは愚かな考えである」と、両首脳間の親交と対話再開は別の話だとしました。
そして、「金国務委員長とトランプ大統領との親交に差し出がましく横から入ってくるのは、分不相応のおこがましいことだ……自重したほうがいい」と韓国政府の"仲介者の役割"を非難しました。
全く相手にされていません。
もしトランプ大統領が北朝鮮に直接親書を送らずに、韓国にお祝いのメッセージを伝えてくれと依頼したとしたら、それは、「もはや北朝鮮とは直接話す関係ではなくなった」というアメリカの外交メッセージになったかと思いますけれども、そうではなく、本当に親書を直接送った上で、北朝鮮に伝言してくれと韓国に依頼した意図は何なのか。
まぁ、"人の好い"トランプ大統領が単純に誕生日のお祝いを伝えてくれと軽い気持ちのリップサービスで言った可能性もありますけれども、韓国を伝言の仲介役に使うことで、逆に韓国と北朝鮮の今の親密度というか関係性を明らかにする効果があったように思いますね。
もし、韓国から北朝鮮に伝言できなかったら、完全にパイプが途絶えているということになりますし、北朝鮮から韓国に謝辞が送られれば、それ程関係が悪い訳ではないということになりますからね。
現実は、北朝鮮に"仲介者面するな"と韓国は叱責され、パイプこそ切れていないものの、相手にされていないことがはっきりした訳です。
果たして、トランプ大統領が、韓国と北朝鮮の実際の関係を探る意図で、韓国に伝言を頼んだのかどうかは分かりませんけれども、筆者はトランプ大統領の気軽なリップサービスが以外な効果を発揮しただけのように思います。
韓国はアメリカに盾突いて反米性向をチラチラと見せ始めていますけれども、このままいけばアメリカは韓国に愛想を尽かし、形式だけ同盟を残して、実際は無視していく流れが益々強くなっていくのではないかと思いますね。
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