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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.一方的に縛られている根拠がなくなった
1月1日、北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は、金正恩委員長が党中央委員会総会で「公約にわれわれがこれ以上一方的に縛られている根拠がなくなった……世界は遠からず、朝鮮民主主義人民共和国が保有することになる新しい戦略兵器を目撃することになるであろう……アメリカがあくまで敵視政策を追求するなら、朝鮮半島の非核化は永遠にない。米国の敵視が撤回され、朝鮮半島に恒久的で強固な平和体制が構築されるまで、国家安全のために必須な戦略兵器開発を行っていく」と核・大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験のモラトリアム(一時停止)撤回を宣言したと報じました。
朝鮮労働党の中央委員会総会は昨年12月28日から31日までの4日間にわたって開かれていたもですけれども、例年と比べ、異例の長期間にわたったのに加え、金正恩体制が発足した2013年以降行われていた金正恩委員長の新年の辞が発表されないという異例の事態となりました。
一部には4日掛けても中央委員会総会の結論が出なかったからだという見方もあるようです。
ただ、北朝鮮で最高指導者の新年の辞では、分野別の課題が提示され、提示された課題は必ず執行しなければならない絶対的な指針とされていることを考えると、わざと新年の辞を出さずに、必ず執行しなければならない事にしなかったのではないかという気もします。
仮にそうだとすれば、その理由は、もういうまでもなくアメリカの軍事制裁を恐れているからでしょう。
昨年12月30日、朝鮮中央テレビ党中央委員会総会で、金正恩委員長が「国の自主権と安全を徹底的に保障するための積極的で攻勢的な措置をとることについて言及した」と伝えていますけれども、"攻撃的"ではなく"攻勢的"という表現をつかう辺り、ここでも腰が引けているように見えなくもありません。
2.特殊部隊による斬首作戦
先月16日、アメリカ国防総省は米韓合同訓練の写真を公開し、米韓の特殊部隊が敵国の施設に潜入する訓練を行っていたことが明らかになりました。
訓練は韓国・群山の米軍基地で昨年11月に行われたもので、接近戦の定期的な共同訓練です。そこでは、米韓の特殊部隊が施設を襲撃。仮想敵と銃撃戦を繰り広げ、両手を後ろ手に縛られた白シャツの男性を連れ出す姿が映されています。
これについて韓国の中央日報は昨年12月23日「北朝鮮が米朝交渉期限を年末に定め、米国に向けて『クリスマスプレゼント』などに言及して挑発の意志を強く示唆した状況で、米軍は北朝鮮を仮想の敵として襲撃作戦訓練をしたことが確認された」と断言し、また朝鮮日報も「朝鮮人民軍首脳部を除去するいわゆる『斬首作戦』の訓練」だとしながら、韓国軍周辺では「普段は非公開で行われる訓練を公開したのは『クリスマス挑発』を示唆した北朝鮮に対し、軍事面で強い警告のメッセージを送るためだ」と伝えています。
これに対し、アメリカ国防総省は昨年12月24日「報道は間違っているだけでなく、無責任で極めて危険だ」と否定しています。
ただ、特殊部隊による"斬首作戦"と思しき訓練画像を公開した時点で、韓国メディアが好き勝手に報じることは予想できたことです。これは、昨年の在韓米軍撤退報道などで、アメリカも経験している筈です。
もし、アメリカが韓国メディアがそうした報道をすると分かっていて、あえて米韓合同訓練の画像を公表したとしたら、その意図は韓国メディアが指摘するとおり、北朝鮮への警告でしょう。
筆者は、これまでのエントリーで何度か、金正恩は何か事を起こす際には、人の裏を掛いてくる傾向があると述べたことがありますけれども、やろうとしていることを先に言われてしまえば、裏を掛けなりますからね。逆にそうすることで、身動きさせなくさせる効果を狙っているかもしれません。
News U.S.殿のサイトでは、「米国が前もって金正恩のやろうとしていることを全部見破って先に公表する戦略を採用してる」と指摘していますけれども、その可能性はあると思います。
トランプ大統領は金正恩が腰の引けた言動を続ける限り、軍事力行使をチラつかせながら、経済制裁を強化して、音を上げるのを待つ戦略を継続するのではないかと思いますね。
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