新型コロナウイルスに負けない方法を考える

更に更に続きです。
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1.武漢から駐在邦人第一陣が帰国

武漢を中心にほぼ中国全土で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、日本政府はチャーター機で、現地に滞在する日本人の希望者およそ650人全員を順次、帰国させることを決定しました。

1月29日、武漢から206人の日本人を乗せた最初のチャーター機が、羽田空港に到着しました。

彼らのうち、30代から50代の男女5人が発熱や咳などの症状を訴え、都内の病院に搬送。検査の結果、40代と50代の男性2人が肺炎と診断されました。5人はいずれも入院し、新型コロナウイルスに感染しているかどうかの検査を受けています。

また、それ以外の人のうち同意の得られた199人は新宿の国立国際医療研究センターで他の患者と離れた場所で医師の診察を受けたのですけれども、8人に発熱や咳、頭痛などの症状が認められ、このうち7人が入院する予定となっています。

28日には、武漢からのツアー客を乗せたバスの運転手である奈良県在住の60代男性が、新型コロナウイルスに感染したと発表しています。この男性は、武漢への渡航歴はなかったことから、国内で感染者からうつされた可能性があると見られています。

春節で中国からの旅行客が大勢来ていることを考えると、残念ながら水際対策は失敗し、新型コロナウイルスは日本に入っているだけでなく、人から人への感染リスクがあるとみるべきだと思われます。

29日、加藤勝信厚生労働相は参院予算委員会で「これまでとは事象が違うとの認識を持って対応しなければならない。新たなステージに来た」と述べ、新型コロナウイルスの感染リスクが高まったことを認めました。




2.新型コロナウイルスに負けない方法

中国のテレビは新型コロナについて「ウイルスは隔離しても愛は隔離できません」とか「我々は絶対勝つ」とか異例の呼び掛けをしたそうですけれども、筆者はコロナウイルスに勝つ方法よりも、負けない方法を考えた方がよいと思います。その方が選択肢が増えると思うからです。

筆者が考える新型コロナウイルスに負けない方法は3つあります。

それは「戦わない」、「弱らせる」、「強くなる」です。

戦わないというのは、新型コロナ肺炎の発症者や彼らと濃厚接触した人、あるいは不特定多数が集まる人込みに出ないという方法です。

そもそも新型コロナウイルスがいるところにいかなければ感染することはありません。新型コロナウイルスと戦うから勝った負けたになるのです。けれども、最初から戦わなければ、負けることはありません。

君子危うきに近寄らず。「我々は絶対勝つ」なんて台詞は既に新型コロナウイルス相手に戦う土俵に上がっています。

それでも、運悪く、コロナウイルスと戦わなければならなくなったとき、考えられる方法が残りの2つになります。

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3.ウイルスとの接触数を減らす

まず、「弱らせる」というのは、無論、新型コロナウイルスを弱らせるということです。現在開発している新型コロナウイルス用のワクチンは、ウイルスを攻撃する訳ですから、この「弱らせる」に相当するでしょう。ただ、開発が終わって一般に普及するまでは時間が必要で、今日明日の話ではありません。ワクチンの開発を待つというのは喫緊の選択肢ではありません。

けれども、ワクチンによって直接的に新型コロナウイルスをやっつける以外にウイルスを「弱らせる」方法があります。それは自身に取り込むウイルスの数を減らすということです。

新型コロナウイルスの感染力は高く、1人の患者から平均1.4~2.5人に感染させる(基本再生産数)とされています。

感染力が高いということは飛沫感染あるいは空気感染するということですけれども、感染する原因はウイルスを体内に入れてしまうということですから、体内に入れるウイルスの数が少なければ、それだけ発症確率は下がるはずです。

新型コロナウイルスと戦うといっても、何もサッカーのように11対11で戦わなければならないというルールはありません。戦う前にウイルスの数を減らしてやってもよい訳です。ワクチンによる治療を「戦術」だとすれば、戦いの土俵に上がる前に新型コロナウイルスの数を減らしておくのは「戦略」に相当するといえるでしょう。

では、具体的にどうするかというと、マスクをするとか小まめな手洗いや嗽をするとかして、体内にウイルスが入ってこないようにする方法です。ウイルスといっても、何も鎌を持って襲い掛かってくる訳ではありません。古典的な予防法でも地味に「戦略」レベルで効果はあるはずです。


4.インフルエンザ対策マスクでも完全ではない

ただ、マスクの性能には注意が必要です。

市販のマスクでも、どれぐらいの大きさの粒子をカットできるかによって表記が異なっています。新型コロナウイルスをカットできるマスクでないと効果は上がりません。

インフルエンザを含む、空気中に漂う有害な粒子の大きさはおおよそ次のとおりとされています。

インフルエンザウイルス:約0.1-0.12μm
結核菌などの細菌:約0.5-0.6μm
PM2.5などの大気中に漂う物質:約2.5μm
せき・くしゃみで飛び散るウイルス:約3-5μm
花粉:約20-40μm  ※1μm=1mmの1000分の1

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マスクにはなんとか基準クリアなど性能表記がされていますけれども、これはどの程度の大きさの粒子をカットできるかの基準値を示しています。それは次の通りです。

「PFE基準クリア」:0.1μm以上の粒子を95%以上キャッチできるマスクの基準。
「VFE規格クリア」:0.1um?5um以上の粒子を95%以上キャッチできるマスクの基準。
「BFE基準クリア」「N95規格クリア」:0.3μm以上の粒子を95%以上キャッチできるマスクの基準。

当然ながら、「インフルエンザウイルス用」と書かれたのマスクのほうが、「花粉用」と書かれたマスクより細かい粒子をブロックできます。
新型コロナウイルスの大きさは大体0.1μm程度と言われていますから、新型コロナウイルスの侵入を防ぐには「PFE基準」をクリアしたマスクを選べばよいことになります。

ただ、実際に使用したとき、カタログスペックどおりの性能が出せるかは別の話になります。マスクの装着の仕方やメーカーによって微妙な差が出てくるからです。

日本の国民生活センターが実験を行ったところ、「ウイルス対策」を掲げた9つの市販マスクのうち、95%以上の粒子をキャッチできたのはわずか3種類で、残り6つのマスクは微粒子を捕集する効率が80%以下という結果だったのだそうです。

さらに、9つのマスク全てに、着用時に鼻や頬にできる隙間からの空気漏れの問題がありました。空気漏れによって隙間から進入するウイルスを計算に入れると、性能の高かった3種類のマスクでも、実際のウイルスカット率は60%以下ではないかという見積りもあるそうです。




5.湿らせては押し流せ

それでは、PFE基準をクリアしたマスクを正しく装着して隙間を出来る限り無くす以外出来ないのか、というとそうとも限りません。体内に侵入する新型コロナウイルスの数を減らす方法はまだあります。それは「加湿」と「風通し」です。

先ほど各種有害粒子の大きさを示しましたけれども、その中で「せき・くしゃみで飛び散るウイルス」のサイズは、約3-5μmもあります。これはウイルスに水分が付着してその分大きくなっているからです。このサイズであれば、何もPFE基準のマスクでなくても侵入は出来ません。

よくインフルエンザウイルスは湿度50%から60%くらいに加湿すればよいと言われますけれども、これは、ウイルスが空気中の水分にぶつかるか、水分を付着して重くなり落ちるからです。また水分を付けたウイルスは飛沫とはいわないまでもサイズが大きくなります。

例えば室内を十分に加湿した状態でマスクをすれば、湿気で"太った"新型コロナウイルスはマスクの壁に弾かれてしまいます。その分感染のリスクも減らせます。

また屋外で加湿ができない場合や室内でも時折、換気して風通しをよくすることで、新型コロナウイルスを滞留させないことも、体内に侵入させないという意味では大事だと思います。

今週月・火とは日本列島の天候が荒れ、季節外れの大風と大雨に見舞われていますけれども、「加湿」と「風通し」という意味では、天然の新型コロナウイルス感染対策が行われたと捉えることが出来るかもしれません。

あとは、手洗い、嗽、小まめに水分を取って定期的に喉に付着したウイルスを洗い流すといった当たり前の対応は大事です。




6.免疫系がポイント

さて、新型コロナウイルスに負けない方法の3つ目の「強くなる」ですけれども、これは自身の免疫力を上げることで、たとえ新型コロナウイルスが侵入しても発症させないという方法になります。

ストレスのない規則正しい生活とバランスのとれた食事、適切な運動によって、免疫細胞が活性化するとはよく言われることですけれども、こと今回の新型コロナウイルスについていえば、この「免疫力」が大きな鍵になるのではないかと思っています。

というのも、新型コロナウイルス感染者の症状を見る限り、体内の免疫系が十分に働いていないのではないかと思われるからです。

通常、インフルエンザでも風邪でも発症したら、熱が出て、咳をするなどして、ウイルスから身を守ろうとします。けれども、既に知られているように新型コロナウイルスは、初期には発熱しないケースもあります。これは体内が新型コロナウイルスを異物として検知できていないということであり、免疫機構が十分に働いていないのではないかと思うのですね。

昨日のエントリーで、今回の新型コロナウイルスの治療薬として、抗HIV薬「カレトラ」もその一つに含まれたことを取り上げましたけれども、HIVがヒト免疫不全ウイルスであることを考えると、新型コロナウイルスは免疫系となにか関係があるのではないかとも連想してしまいます。


7.免疫力を高める

免疫力を高める方法には色々あるかと思いますけれども、新型コロナウイルスに感染しても発熱しないまま肺炎がどんどん進むとするのなら、先に体温を上げておくという手もあるかもしれません。

風呂に入るとか、軽い運動をするとか、厚着をするとか体温を上げる方法は色々あるかと思いますけれども、或いは、辛いものを食べたり、葛根湯などの漢方を飲む方法もあるでしょう。

因みに、インフルエンザの治療薬としてタミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬があることは良く知られていますけれども、それ以外にも、漢方の麻黄湯が使われることがあるそうです。

小児科のクリニックにおける臨床試験では、インフルエンザA型、B型を発症した小児に対して、タミフルと麻黄湯を投与したグループに分け、インフルエンザウイルスが消失するまでの時間を比較した結果、ほとんど差がなく同等の効果があることが明らかになっています。

もちろん、麻黄湯がインフルエンザに有効であったとしても、新型コロナウイルスに有効かどうかは分かりません。

ただ、体の抵抗力を高めることで対抗するという考えは新型コロナウイルスに対しても有効なのではないかと思います。

結論としては、ワクチンがない現状では、人込みに行かない、手洗い、嗽の徹底、湿気と換気、十分な栄養、睡眠といった当たり前の対応に勝るものはないということになるかと思いますね。

この記事へのコメント

  • 邪推ですが、今回厚生労働省は、年金問題に絡めて、コロナウィルスを制限せず、
    流行病を装い、高齢者を減らそうと企んだのではと、武漢からの中国人制限に躊躇した事から、
    考えてしまいましたが、森田健作知事と同様に、災害時の初動が悉く、ダメダメで、且つ遅れてますね。
    何か、政治・官僚機構が動脈硬化を起こしているのでしょうか?
    2020年01月30日 19:15

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