今日はこの話題です。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.安倍総理の年頭記者会見
1月6日、安倍総理は三重県伊勢市で年頭の記者会見を行いました。
安倍総理はこの中で中東情勢について「中東地域が緊迫の度を高めており、現状を深く憂慮しています。事態の更なるエスカレーションは避けるべきであり、全ての関係者に緊張緩和のための外交努力を尽くすことを求めます。先月、イランのローハニ大統領を日本にお迎えしましたが、この地域の緊張緩和と情勢の安定化のために、これからも日本ならではの外交を粘り強く展開します」と憂慮を示しました。
また、中東地域への海自派遣についても「我が国はこの地域にエネルギー資源の多くを依存しています。こうした外交努力と併せて情報収集体制を強化するため、この地域に自衛隊を派遣し、日本関係船舶の航行の安全を確保していきます」と述べています。
実際、日本は輸入している原油の9割を中東に依存していて、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)の2国だけで実に6割を占めています。
安倍総理は、今月中旬にサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)を訪問する方向で調整していたのを中断しましましたけれども、その目的はもう、石油確保のためだったものと思われます。
既に日本はイランからの石油の輸入は止めていますけれども、仮にアメリカとイランの対立がエスカレートして戦争になったとしても、これまでどおり日本に向けて石油を輸出してくれるように約束を取り付けにいきたかったと思います。
2.日本が直面するエネルギー危機
けれどもいくら約束を取り付けたところで、戦争が激化してペルシャ湾の安全が確保できない事態となれば日本への原油はストップしてしまいます。イランにしてみれば機雷を撒いてホルムズ海峡を封鎖したって良い訳です。
このあたりの危険については、昨年6月のエントリー「油断される日本」で取り上げていますけれども、原油と違って、気化しやすく貯蔵が効かない液化天然ガス(LNG)の確保はもっと深刻です。
なぜなら、液化天然ガス(LNG)は発電にも使われているからです。
現在、日本は電力の約44.0%を天然ガスで調達していて、そのうち約2割近くはカタール、UAE、オマーンからの輸入です。
仮にこれまで通り輸入できたとしても安全面のコストが嵩むことが考えられ、値段は高騰する可能性は十分あります。
最終的には巡り巡って電気代に跳ね返ってくることになります。
それらを考えると、やはり石油やLNGの確保だけに動くのではなく、原発再稼働を急ぐべきだと思いますし、安倍総理もその方向で国民に説明しないといけないと思いますね。
3.原発を止めた国で原発停止を訴える滑稽さ
その時、日本が環境活動家や他の勢力に利用されることがないよう注意する必要があります。
昨年11月に日本を訪問したローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は、東日本大震災被災者との集いを開き、福島第1原発事故を念頭に「天然資源の利用、特に将来のエネルギー源について重大な決断を下す必要がある……地域社会が絆を取り戻し、人々が再び安全で安定した生活を送れるようになるまで、福島の事故が完全に解決されたとは言えない……原子力の利用継続に対する懸念もある。このため原発の廃止を求めた」と語りました。
そして更に、帰路の教皇特別機中での記者会見で、原子力発電について「安全が保障されない限り、核エネルギーは使うべきではない」と述べました。
核エネルギーを使うべきではないという見解はそれはそれで尊重するにしても、既に原発をほぼ停止している日本でそういう発言をすることには少し引っかかるものがあります。本気でそう訴えるならば、原発をガンガン作っている中国でそう言うべきだと思います。
4.環境少女グレタを警戒せよ
また、昨今話題の"環境少女"グレタさんは、ストックホルムで共同通信の単独取材に応じ、温暖化対策の強化に向け「今年も権力を持つ人たちに圧力をかけ、人々に意識を広め続ける」と語り、招待されれば初訪日するとの意欲も示しているようです。
ご承知のとおりグレタさんはCO2の排出を止め、石炭使うなと主張していますけれども、原発を止め、石炭を使わず火力発電も止めるとなると、日本の電力供給は半減以下となり、生産活動できなくなります。
彼らのいうことを真に受けてその通りにすることは、日本を原始時代に戻せということと殆ど変わりません。いうことは勝手ですけれども、現実味が全くありません。
"環境少女"グレタさんも、真にCO2を出すべきではないと考えるならば、まずは世界最大のCO2排出国である中国にそういうべきです。
グレタさんの主張には世界中から賛同もあれば批判も集まっています。
現実問題として考えれば、日本で原発も火力も使わず、水力、風力、太陽光だけで発電するなど、理想どころか夢想だというべきでしょう。
トランプ大統領はグレタさんに対し「彼女は明るく素晴らしい未来を夢見る、とても朗らかな女の子らしい。ほほ笑ましい姿だ」とか「グレタは、怒りをコントロールする方法を学んで、古き良き映画を友達と見たほうがいい!リラックスしろ、グレタ。落ち着け!」とツイートしていますけれども、至極もっともです。
これは冗談ですけれども、もし筆者がグレタさんを日本に迎える担当者だとしたら、グレタさんに「ソーラーカー」を用意して、ひと月掛かろうがふた月になろうが、それこそ"自然に任せて"ゆっくり会場まで案内したいですね。勿論、曇りや雨の日はその場で野宿です。
ドイツ鉄道で、大混雑のあまり"列車の通路に座って移動した"と仰ったグレタさんのことです。ソーラーカーでの一人旅はさぞ快適だと喜んで頂けるに違いありません。
いずれにせよ非現実的な主張を為政者が受け入れる必要は一ミリもありません。
緊迫する中東情勢を考えれば、安倍総理は早急に原発再稼働の道筋を付けるべきだと思いますし、増殖炉含めた次世代原子炉の開発も進めるべきだと思いますね。
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この記事へのコメント
さんさん
9条云々関係無しに、日本政府の危機意識の欠如ぶりは異常過ぎます。
化石燃料の依存も一カ所に集中させるのでは無く、分散型にして、リスクを回避するのが基本です。
ホルムズ海峡経由で化石燃料を依存し過ぎた状態からの脱出と言われ続け、既に数十年、逆にホルムズ海峡経由の依存度が増してるとか、何を考えてるのか?馬鹿としか言い様が有りません。
危機管理の重要性が、叫ばれ出し、既に数十年が過ぎ、東日本大震災も経験しましたが、何も学習出来てませんね。ゴーンの逃亡劇も危機管理0の性善説が齎した、起きない筈に事件ですよ。此の逃亡劇は、我が国の馬鹿さ加減を色々教えてくれる先生に見えてくる。