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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.サバクトビバッタ
東アフリカで発生したバッタが周辺国に大被害を齎しています。
2月2日、アフリカ東部のソマリアの政府は「深刻な危機に直面している」と国家非常事態を宣言しました。
ソマリア以外にも、エチオピアとケニアで、バッタが過去最大級の規模で発生し、深刻な食糧不足が懸念されています。ケニアでは、2400平方kmの範囲に及ぶ大群も確認されました。
大量発生したのは「サバクトビバッタ」と呼ばれるバッタです。分類的にはトノサマバッタに近く、日本のが緑色なのに対してこちらは茶色です。
トノサマバッタは「孤独相」といって普段は殆ど単独で生きているのですけれども、なにかを引き金に「群生相」と呼ばれる群れを作って行動します。サバクトビバッタも、普段の孤独相から、群生相になると、群れをなして甚大な被害をもたらします。
今回大量発生した「サバクトビバッタ」は、1平方km内の群れに約4000万匹以上おり、1日で約3万5000人ぶんの作物を食べ尽くしているとされています。
また、「サバクトビバッタ」は、インドのラジャスタン州あたりでも大量発生し、そこの食糧を食い尽くして駐留する70万のインド軍を撤退させたと言われています。
今、この「サバクトビバッタ」が中国に入って食糧を食い荒らすのではないかと懸念されているのですね。
2月11日、国際連合食糧農業機関は、各国政府に向けて、深刻な食糧危機を防ぐために警戒感を高めるよう呼びかけ、6月までにバッタの数が500倍に増える恐れがあると警告しています。
もっとも、バッタは高い山脈を越えるような能力は無いので、ヒマラヤ山脈を超えて中国に入ることは考えられません。
中国人民網は、専門家の分析として、中国の史料には、サバクトビバッタの危害が記録されていないことと、サバクトビバッタの大発生における最大の拡散エリアは、ミャンマー、ネパール、インドであり、中国の国境地帯が崑崙山脈とヒマラヤ山脈で隔てられていることから、そこから移動してくるのは困難だと否定しています。
ただ、同じ記事で、サバクトビバッタは、雲南省やチベット自治区ニャラム県に分布していると述べているのですね。サバクトビバッタの幼虫と成虫が移動・活動するためには気温40度前後、湿度60~70%が必要なのだそうですけれども、ニャラム県から30キロ先のジャム鎮は年平均気温は20℃と温暖で、温暖湿潤気候に属していますから、もしも春から夏場にかけて異常気象で暑くなってしまえば、ここからサバクトビバッタが大発生しないとも限りません。
2.お天道様が共産党に与えた罰
人民網は一生懸命、サバクトビバッタによる蝗害はないと否定しているのですけれども、中国人のネットユーザーらは、そうは考えていないようです。
彼らは、「人災がまだ終わっていないのに、本当の天災が起きようとしている」、「今までのアフリカ豚コレラ、ペスト、新型肺炎などはみな、お天道様が共産党に与えた罰のように見える」、「王朝崩壊の前兆か」、「国際食糧価格が高騰しそうだ。中国は食糧輸入大国だから、運がわるい!」などと悲観的な書き込みをしています。
確かに、過去の中国の歴史をみれば、疫病や蝗の大発生は何度もあったことで、中国やヨーロッパでは、蝗害は「天変地異」や「神々の怒り」の一種とされるなどしてきました。中国のネットユーザーが「お天道様が共産党に与えた罰」と書き込んだのも、故なきことではありません。
もし、中国国内で蝗害が発生したらどうなるか。
発生する時期にもよると思いますけれども、最悪なのは新型コロナウイルスが収束しないまま、蝗害で作物が食い荒らされ、食糧不安に陥ることです。
何十もの大都市が封鎖されているなかで食糧不足となれば、外出制限などお構いなしで、店先に殺到することは目に見えています。中国政府がそのあたりをちゃんと出来ればまだなんとかなるかもしれませんけれども、新型コロナウイルスへの対応を見る限りかなり厳しい。人口というスケールデメリットに全然対応できていませんから。
となると、次に予想されるのは、食糧を求めて都市からの人民の脱出、あるいは暴動です。
流通が止まり、外国に逃げられない状態で蝗害による食糧難。ほとんど詰みです。
3.ビビる習近平の権力維持
2月13日、習近平主席は湖北省と武漢市のトップを一斉に更迭し、後任として湖北省のトップには応勇・上海市長を、武漢市のトップに王忠林・山東省済南市党委書記を任命しました。
応勇氏は浙江省勤務時代の部下で、浙江省で公安・司法畑を歩み、2017年に上海市長に抜てきされました。王忠林氏も公安・司法畑を歩んでいます。両名とも習近平主席に近いとされる人物です。
筆者は、この人事には習近平主席が権力基盤を維持するための策ではないかと見ています。
今回は、浙江省と武漢市ですけれども、他の都市でも新型肺炎を収束させられなければ、それを理由にして、彼らの首を自身の側近に次々と挿げ替えることで、地方の軍閥を抑え、自身を追い落とされないように先手を打っているのではないかということです。
その意味では、新型コロナウイルスが収束しなければしないほど、更迭理由が持てることになりますから、新型コロナウイルスでさえ自身の権力維持に逆利用しているかもしれない訳です。
1月27日、李克強首相が武漢入りして、陣頭指揮を執りました。まぁ、パフォーマンスの色合いもあったのかもしれませんけれども、それに対し習近平主席は北京をちょろっと視察しただけで、武漢に対しては、なんとモニター越しで励ます始末です。
ネットでは「どれだけビビりなんだ」と嗤われていましたけれども、まぁ、老人殺しともいわれる新型コロナウイルスですからね。あるいは武漢入りして自分が感染してしまうことを恐れているのかもしれません。
そうした中、李克強首相が武漢入りした。一年か半年か分かりませんけれども、新型コロナウイルスが収束したら、あの惨状の最中、武漢入りした李克強首相の評価が高まり、より強い権力を持つことも考えられます。
それを未然に防ぐ意味もあって、習近平主席は今のうちに、各所に自身の側近を配置して失脚しないよう手を打っているのではないかとも思うのですね。
今後どこかのタイミングで中国政府は新型コロナウイルスの終息宣言を出して、都市封鎖を解除するかと思いますけれども、本当に収束したのかどうかは、習近平主席がマスクを外して武漢にいくかどうかを見ればよいのではないかと思いますね。
4.養殖イナゴが中朝を揺るがす日
とはいえ、新型コロナウイルスが収束していない今現在でみれば、習近平主席の立場が苦しいことには変わりありません。
中国の国営メディアは、習近平主席が2月3日の演説で「私は1月7日の会議で新型コロナウイルスを防ぐよう指示した」と述べたと伝えていますけれども、政府の対応が本格化したのは1月20日以降のことです。
案の定、中国のSNSでは「指示が本当なら、なぜ20日まで対応が本格化しなかったのか」など疑問の声が上がっているようです。人民の怒りの矛先は既に習近平主席に向いているように思います。
そこにきて、持ち上がってきた蝗害懸念です。
もし、本当にサバクトビバッタだか何かが大発生して作物が食い荒らされたら、先に述べたような暴動などが起ってどうにも収拾つかなるなることも考えられます。
中国政府は新型コロナウイルスに対して世界各国に救援要請することなく、閉じて対応しています。もし、世界各国から救援隊がマスコミを引き連れて武漢入りしたら、それこそ武漢市民が今の窮状と中国政府の酷さを海外プレスに訴えることは目に見えていますからね。
あるいは共産党は、今までの悪事がバレる事を恐れているが故に救援要請をしないでいるのかもしれません。
それでも、食糧がなくなる事態となれば、そんなことは言っていられなくなります。
ただ筆者としては、懸念されているチベットや雲南省での蝗害だけではなく、北の大穀倉地帯である黒竜江省あたりから大発生するような気もします。
実は中国では2015年頃から蝗の養殖が盛んに行われるようになっていて、黒竜江省チチハル市はその産地の一つになっているのだそうです。なんでも小屋1棟で100キロのイナゴが養殖できるらしく、貧困農村の新たな就業機会となっているようです。
もし、万が一、この養殖蝗が何らかの事故かなにかで外に漏れ、野生化・大繁殖して、黒竜江省食料を食いつくし、そのまま南下して北朝鮮に入ったらどうなるのか。
北朝鮮がいくら中国との国境を封鎖しても、蝗を止めることは出来ません。畢竟、北朝鮮の食糧も蝗に食いつくされて、飢餓の脅威に苦しめられることになります。これはそのまま金正恩体制を揺るがすことなりかねません。
もしかしたら、蝗害はその発生場所によっては、隠蔽体質の中国の悪事をバラすだけでなく、半島をも揺るがしてしまう可能性を秘めているのではないかと思いますね。
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この記事へのコメント
インド辛え~
「ASEAN と中国の特別外相会談」の報道があり、予定通りならば中国外相は、
「中国の新型コロナの感染は、治まりつつあり(大笑)?。」
を強調する為に→私個人の私見での解釈は、恫喝する為(怒)!と、思われますね。
それが証拠に、WSJの北京支局の3人の記者の取材許可証を「取り消し致しました。」理由は、「中国は病身(だ)!」の見出しの記事をアメリカ国内で報道して、中国政府の報道官は、WSJに謝罪要求!。
勿論、WSJサイドは、拒否したとの事でした。
日比野様がご指摘の通りだと思われますが、未だ「データの隠蔽工作」を始めとして、WHOへの隠蔽工作も含めて、「外国の報道機関への恫喝、外交的恫喝!」にての習近平政権の悪辣極まりない乗り切り政策は、即座に非難されて然るべきですね!。
るい