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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.彼は成果を手にするために訪問した
3月10日、中国の習近平国家主席は新型コロナウイルスの感染が大流行した湖北省武漢市を訪れ、政府が事態を収拾させたと宣言しました。
習近平主席は、感染拡大防止策などの取り組みを視察。自主隔離をしている市内の地域も訪問し、湖北省での感染について、「基本的に抑え込んだ……初期の取り組みの成功によって状況は安定し、湖北省と武漢市おける潮目は変わった」と述べました。
また、「今回の感染症との戦いで、湖北と武漢が重要中の最重要な戦勝の地である……艱難辛苦努力を経て、湖北と武漢が感染状況を積極的に好転させ、重要な成果を獲得した。だがこの任務はまだまだ厳しい戦いが続く」とも語りました。
国営メディアは、今回の訪問が「中国は大流行の暗い時期から出していると、国全体と世界に向けて強いシグナル」を送ったとするアナリストの話を伝えています。
習主席は武漢市に10日間で建設された一時施設の火神山医院も訪問し、ビデオ映像を介してスタッフや患者と話を交わしたそうです。
習主席の武漢訪問について、BBCのスティーヴン・マクドネル中国特派員は、近いうちに少なくとも湖北省内で、交通網や商店が再開するであろうことを示していると説明。中国のその他の地域では、より早くさまざまな事が動き出すだろうとコメント。
中国人民大学の張鳴(ジャン・ミン)教授は「彼は成果を手にするために訪問した。彼が現地を訪れたことは、中国共産党が近く、新型ウイルスとの戦いに勝利宣言をするだろうことを意味する」とロイター通信に語っています。
確かに習近平主席は「武漢は英雄都市の名に恥じない。武漢人民は英雄的人民の名に恥じない。この新型肺炎との闘争の勝利を通じて、彼らの名は再び党の歴史書に刻まれるだろう。全党全国各族人民は、みなあなた方に感動し、感嘆し、党と人民は武漢人民に感謝するのだ!……あえて戦い、あえて勝利したことは、中国共産党人の鮮明なる政治品格であり、我々の政治優勢である!」とも述べていますから、勝利宣言したい気満々なのでしょう。
それでも、政治優勢だなどと胸を張っての勝利宣言でないのは、やはりまだ後ろめたいなにかがあるのかもしれません。
2.全部嘘だ
習近平主席の武漢訪問と近く行われるであろう本格的な「勝利宣言」を前に、武漢を初めとする地方政府は準備を始めています。
国営メディアによると習主席の訪問から間もなくして、全国に14あった一時的な病院が全て閉鎖されたと報じています。また、青海省では休校になっていた高校や職業訓練校など144校が再開し、上海ディズニーランドも店舗やレストランなど部分的に営業を再開しました。
更に、武漢市の天河国際空港が正式な日時は未発表であるものの再開準備を進めていると伝えられています。
けれども、表向き再開してもすっかり元通りになるかどうかは分かりません。というのも、その再開とやらも外向けのいい部分だけかもしれないからです。
習近平主席は武漢を訪問する前、国務院の孫春蘭副首相が武漢市内の集合住宅地を公式視察したのですけれども、その際、住民達が窓から「全部うそだ」などと叫ぶ様子を捉えた動画がネット上に出回っているのだそうです。
中国メディアによると、住民たちの不満の矛先はこの集合住宅地の管理者に向けられており、管理者はボランティアを雇って高層アパートの住民たちに野菜や肉を配達するふりだけをしていたのだそうです。
実際は、食料確保をインターネットでの集団購入に頼っているのが実態で、配達などされていないようです。
件の動画は当局に消されることなく、人民日報さえもその動画を共有しているのですけれども、ただ、英語アカウントでの投稿を削除して中国語版の動画を残していることから、多分に国内向けの措置と思われ、その狙いはおそらくは、責任は中央政府ではなく地方政府にあると責任を擦り付けようとしているのではないかと思われます。
3.治療を続けないとすぐ再発する
けれども、責任が地方にあろうが中央にあろうが、習近平主席が「勝利宣言」を出す為には、新たな感染者が全然出てこないという大前提があります。
確かに3月8日、中国官制メディアの中央テレビは湖北省では武漢を除いて、新たな感染や感染疑いの症例が確認されていないと報じています。
まぁ、「基本的に抑え込んだ」からこそ、中国全土に突貫工事で作った隔離病院を閉鎖したというのは筋としては分からなくもありませんけれども、それは表向きの話です。そもそも中国共産党は隠蔽体質です。
国務院の孫春蘭副首相が武漢の集合住宅地を視察したときの「全部うそだ」動画が拡散しているのをみると、本当に抑え込んでいるのかついては一定の疑問が拭えません。
3月9日、アメリカのニューヨークに本部を置く中国語専門の新唐人テレビは、武漢のある医療従事者家族の話として、武漢市の複数の居住区で再度大規模感染が発生していると伝えています。
それによると、「昨日か一昨日か、漢陽区の複数の居住区でまた大規模感染が発生した。原因は病院から完治したと言われて退院した人が、宅配の荷物を取りに行ったことで、また集団感染が発生した……政府による発表ではなく、ウイチャットのグループチャットで伝わっている。実際現場に見に行った人がいて、居住区が封鎖されただけでなく、周辺道路も全部封鎖されている。車は高架のみ通ることができ、下の道路は通れない。あの辺の居住区全体で大規模感染が発生しているからだ……これらの数字はいつもコロコロ変わるが、真相を隠すためだ。私の知っている限り、多くの退院した患者は、政府は完治したと言っているが、方艙医院にしろ、隔離病院にしろ、退院後また発症している。そしてまた人から人へ感染し、多くの人が感染している」と述べています。
これの治療を続けないとすぐ再発するというのが本当であれば、まったく抑え込めては居らず、勝利宣言など到底覚束ないことになります。
ここで気になるのは、既に習近平主席が武漢を訪問し「政治優勢だ」と勝利間近を宣言し、隔離病院を閉鎖してしまっていることです。
ここでもし、武漢コロナウイルスへの再感染が爆発してしまい、閉鎖した隔離病院を再び開けて収容するなんて事態になろうものなら、習近平主席の面目丸潰れです。
もちろん、中華皇帝・習近平がそんなことを許すとは思えません。となるとどうなるか。
それこそ、下手をすれば、再感染などなかったことにする。つまり、再感染者を生死に関わらずどこかに丸ごと埋めてしまうことだって在り得るのではないか。
焚書坑儒さながらに、感染記録も本人証拠も何もかも埋めてなかったことにする。そんな恐ろしいことさえ考えられるということです。
日比野庵日記(2/25付)にも書きましたけれども、そんなことをしたら、今の武漢コロナウイルスは更に強毒化にバージョンアップしてしまうのではないかと危惧します。
その意味では、日本政府が、中国からの入国禁止にしたのは正解だと思いますし、習近平主席の「勝利宣言」は、実は「破壊宣言」になってしまうかもしれないことは注意した方がよいかもしれませんね。
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