Sに備えよ

今日はこの話題です。
画像

 ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。
画像「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!


1.湾曲している

武漢ウイルスを抑え込んだと吹聴している中国に新たな危機が迫っています。既に噂になっているサバクトビバッタの大量発生ではありません。ダムです。

昨今から世界で最大のダムとされる中国の三峡ダムが決壊するのではないかと噂になっています。

昨年7月、中国のダムの専門家がグーグルアースで2009年に撮影したダムの基礎部分の写真と、2018年撮影の写真を比較しました。すると、2009年の写真ではダムの基礎部分が真っ直ぐになっているのに対し、2018年のそれは数カ所が湾曲していると発表したのですね。

比較画像を見ると、素人目にも明らかに歪んでいるのが分かります。

このことは中国の「微信」グループで広く拡散され、「決壊するのではないか」と心配する声が寄せられるなど、大きな関心を集めました。

中国の環球時報はダムが歪んでいるのではなく、衛星写真が歪んでいるという専門家の意見を掲載。また、三峡ダムの運営企業で中国政府管理下の長江三峡集団公司は声明を発表し、ダムの基礎部分は「数ミリ程度移動することがある……垂直と水平の移動は、重力ダムの変形の法則に合致している」と安全性を強調しているのですけれども、衛星写真から見て分かるほどの変形がたった数ミリであるとはとても思えません。

この三峡ダム建設に関わったドイツ在住の王維洛氏は、「建設時からダムの内部に多くの空洞がある」と話し、突貫工事と施工不良のためコンクリートに気泡が入り、現在はひび割れ、水漏れが発生していると指摘しています。




2.完成後も問題だらけ

三峡ダムは、中国政府が「百年の大計」として鳴り物入りで建設した世界最大のダムで、1993年に着工、16年の歳月と総工費2000億元(約3.1兆円)をかけて2009年に完成しました。

場所は、四川省重慶市から湖北省宜昌市にいたる長江の中流域の中でも、とくに水流が激しい「三峡」と呼ばれる所です。

ダムは70万キロワットの発電機32台を擁し、総発電量2250万キロワット。当初の計画では、湖北、河南、湖南、上海、広東など主要な大都市に電力が供給され、全中国の年間消費エネルギーの1割を供給でき、慢性的な電力不足の解消に役立つはずでした。

ところが、建設には数多くの問題が在りました。

ダム建設の為、地域住民約110万人が立ち退きを迫られ、強制的に荒地へ移住させられて貧困化し、10万人が流民となりました。1000カ所以上もの文化財と美しい景観は水没し、魚類の生態系は破壊され、希少動物の河イルカも絶滅しました。

2008年、竣工を目前に控えた三峡ダムで試験的に貯水が開始されると、下流域でがけ崩れと地滑りが頻発。この年の9月までに発生した崖崩れと地滑りは、合計32カ所、総距離33キロに達し、崩れた土砂の量は約2億立方メートルにのぼりました。

その後の調査で、地盤の変形などが合計5286ヶ所見つかり、大きなひずみが生じていることが判明しています。また、ダムの構造物や防水壁には約1万ヶ所の亀裂が見つかり、補修に追われました。

2009年に三峡ダムが完成した後も、問題は発生しています。

長江上流から流れて来る大量の砂礫で貯水池が埋まり、アオコが発生してヘドロ状態となり、雑草や発泡スチロールなどのゴミと一体となってダムの水門を詰まらせています。

ゴミの堆積物は5万平方メートル、高さ60センチに達し、環境団体などが毎日3000トンのゴミを掻き出しているそうですけれども、全く追いつかないのだそうです。

更に、重慶市でも、押し寄せる砂礫で長江の水深が浅くなって川幅も狭まり大型船舶の航行にも著しい支障をきたしているのだそうです。




3.10年もたないだろう

三峡ダムが広がる長さ約600キロメートルの長江三峡は、複数の断層が重なった地形をしていて、長江沿岸の斜面に開かれた巴東は、昔から地滑りの多い土地柄なのだそうです。

三峡ダムも建設前から近辺の地質の脆さから、ダム建設に適さないという指摘が多くありました。

中でも中国の「水利事業の良心」と称えられる著名な水利学者で、清華大学の故・黄万里教授は三峡ダム建設が国家の議題にのぼると、中国政府に6度も上申書を提出して反対。「もしダムを強硬に建設したら、10年もたないだろう」と警告しました。

三峡ダムが建設当初の2003年、中国政府は、「三峡ダムは金と同じくらい堅く、10000年に1回の洪水に耐えることができる」と豪語していたのですけれども、2007年には「1000年に1回で洪水を防ぐ」になり、翌2008年には「100年に1回」に変わりました。そして、2010年には、単に「洪水を防ぐ」だけになっているそうです。

要は、中国政府も三峡ダムはヤバいと分かっているのでしょう。

カナダ・トロントのプルーブ・インターナショナル(Probe International)は、三峡ダム周辺では2003年以降、大半はマグニチュード3以下と小規模ながら、地震の回数が30倍になったとの2010年の中国政府に調査結果を公開しています。

最近の中国の研究では、ダムの貯水池にためた水の重圧と、地面から地下に沁みこんだ水が断層に達することで、断層がずれやすくなっており、それが地震の原因ではないかという分析もあります。

脆い地質に世界最大のダム。しかも変形している。嫌な予感しかしません。

sankei_jisu.jpg



4.誘発する地震と地滑り

ダムといえばしっかり造っているのではと思ってしまうのですけれども、こと中国においてはそうとも限らないようです。

今まで中国で造られたダムの安全性はどうなのか。中国水源機関の報告によると、1954年から2003年の間に造られた中国のダムのうち実に3484基が決壊。年平均71基です。

新華社通信は2007年4月時点「中国全土には八万五千基以上のダムがあるが、そのうち三万基に深刻な構造欠陥があるとみられている」と報じています。。

三峡ダムについても、ネットでは上流で大規模な地滑りがあるともツイートされているようです。

2001年8月、先述した清華大学の故・黄万里教授は病床で家族に向かって三峡ダムを見守りつづけるようにと告げ、「どうにも立ち行かなくなったら、破壊するより方法はない」と遺言を残したそうです。

黄万里教授の「10年もたない」との指摘が本当だとすると、2009年に建設さえた三峡ダムの寿命は2019年に尽きていることになります。

中国の著名な物理学者である故・銭偉長教授は、「三峡ダムが通常弾頭付き巡航ミサイルで攻撃されて崩壊すれば、上海市を含む下流の六省市が「泥沼」となり、数億人が被害を受ける」と試算しています。

一部には人民解放軍東部軍区の戦闘機が墜落し、軍事クーデターが起こったなどという噂もあります。巡航ミサイルで三峡ダムを攻撃が冗談ではなくなってきます。

もし三峡ダムが決壊するとその下流の武漢や上海が泥沼になれば、サプライチェーンどころではありません。中国のみならず世界に経済的影響を及ぼすであろうことは、武漢ウイルスを例にとるまでもなく明らかです。

三峡ダム(S)決壊による災害(S)に備えよ。そんな心積もりも要るのかもしれませんね。


この記事へのコメント


この記事へのトラックバック