今日はこの話題です。
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「妖印刻みし勇者よ、滅びゆく多元宇宙を救え」連載中!
1.感染者の数は間もなく10万人に達する
3月6日、WHOのテドロス事務局長はジュネーヴでの定例会見で、「確認された感染者の数は間もなく10万人に達する」と述べ、各国政府に感染拡大の防止対策を最優先課題にするよう求めました。
また、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究チームはリアルタイムで感染発生を記録するオンラインページで、7日午前現在で、世界の感染者数は10万1000人を超え、死者は3400人を超えたと報じています。
このページの情報の出典はWHOのほか、中国国家衛生健康委員会や米疾病対策センター(CDC)、欧州疾病予防管理センター(ECDC)などで、いわば公式発表に近い数字です。
2.最悪のシナリオ
一方、予測ではあるものの、もっと衝撃的な数字を出しているところもあります。
3月2日、アメリカのシンクタンク「ブルッキングス研究所」は、オーストラリア国立大学教授のワーウィック・マッキビン氏とローシェン・フェルナンド氏の報告として、新型コロナによる病気や死亡のため各国で減少する労働者数、消費者の商品嗜好の変化、製造網が受ける障害によるビジネスコストの上昇など世界経済に与える経済的ショックを分析、新型肺炎がパンデミックとなった場合に、適切な経済的判断が行われないと起こりうる7つのシナリオを紹介しています。
報告書にある「国々の人口に与えるインパクト」では、世界全体では最善のシナリオでは約1500万人が、最悪のシナリオでは6800万人が死亡するとしていて、中国は、最善のシナリオで279万4000人、最悪のリオでは1257万3000人が死亡すると推定されています。
日本でも最悪のシナリオで57万人、最善のシナリオでも12万7000人が亡くなるとしています。
マッキビン教授は、「この報告書の執筆時点では、これらのシナリオが起きる確率は非常に不確かだが、新型肺炎が世界的パンデミックとなった場合、それにより生じる損失が急速に増大することを我々の分析結果は示唆している」と警告。政治家が適切な政策を行なう必要性を訴え、短期的政策としては「感染爆発が続いても中央銀行と財務省が経済を確実に機能させ続けること、ローコストな衛生習慣を広く普及させること、感染を低減すべく効果的対応をすること」を提案しています。
報告では、ローコストな衛生習慣を広く普及させることで、伝染の程度を低減できる(Wide dissemination of good hygiene practices as outlined in Levine and McKibbin (2020) can be a low cost and highly effective response that can reduce the extent of contagion and therefore reduce the social and economic cost.)としていますけれども、日本で既に広く普及している手洗い・嗽の習慣がローコストな衛生習慣なのだとすれば、日本で新型コロナウイルスの伝染は低減できることになります。
3.五万例を超える中国からの報告
感染もさることながら、気になるのは、感染したあとの重篤率もしくは死亡率です。
5万例を超える中国からの報告「Report of the WHO-China Joint Mission on Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) 」によると、多くの症例は軽症で自然に改善し、約80%の症例は軽症から中等症、13.8%が重症(呼吸苦、呼吸数の増加、血中酸素濃度の低下など)、6.1%が重篤(呼吸不全、敗血症性ショック、多臓器不全など)で、3.8%の方が亡くなっているとしています。(武漢5.8%、それ以外0.7%)。
広東省CDCからの報告では125名の重症患者の1/4(26.4%)は退院し、約半数(46.4%)は改善したとしています。
ただ死亡率の3.8%の内訳をみると武漢が5.8%であるのに対し、それ以外が0.7%と非常に差があるのが少し気になります。
勿論、新型コロナウイルスの発生源である武漢が高めにでるのは分からないでもありませんけれども、ちょっと差があり過ぎるように思います。都市封鎖していることを勘案しても、絶対数であれば、まだしも率ですからね。
まぁ、武漢が医療崩壊し、必要な治療が受けられず結果亡くなるというケースも勿論あるでしょうけれども、それだけで全て片づけられるのかどうかには疑問も残ります。
4.不安定な立体構造
先日新型コロナウイルスに二つの型があると発表されましたけれども、それ以外にも色々と解析が進んでいます。
立命館大生命科学部の伊藤將弘教授らの研究グループは、新型コロナウイルスの遺伝子情報に含まれるタンパク質のうち10種類について、すでに解明されているタンパク質構造に関するデータベースと照合して解析した結果、2種類が新型コロナウイルス特有のものだと解明し、オランダの学術専門誌に発表しました。
それによると、2種類のタンパク質はいずれも感染後の人体への作用に関わるものに分類され、不安定な立体構造だったのだそうです。
伊藤教授は「タンパク質の作用は立体構造のパターンから解明できる。2種類のタンパク質が感染後の体内でどのような立体構造をとるかが解明できれば、ワクチンや予防薬の開発につながる可能性がある」として感染後の毒性に関わっている可能性があると述べています。
不安定な構造のタンパク質が毒性に関わっているのだとすれば、人体内での構造変化を解析していくことで、新型コロナウイルスに再感染するとか、陰性になった後でも陽性になったり、あとでいきなり劇症化したりすることの説明がつくようになるかもしれませんね。
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