令和の恐慌を回避せよ

今日はこの話題です。
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1.お肉券はナンセンス

3月27日、江藤拓農林水産相は27日午前の閣議後会見で、経済対策の一案として自民党が打ち出した「お肉券」や「お魚券」構想について「国民の方々の反応はわかっている。十分に受け止めている……全国のと畜場の倉庫に和牛の在庫が積み上がっており、これ以上入らない……生産から流通、消費の流れを何とかする施策は必ず必要になる……公金を使うので、財政規律上許してもらえる範囲内でやらなければならないので、工夫をしている」と、生産者への支援の必要性を訴えました。

武漢ウイルス問題で、訪日客の急減に加え、政府の自粛要請で外出が減り、和牛を始めとして高級魚介類や果物などの需要も減り、メロンや国産マグロなどの価格も低下していることを受け、自民党内で和牛に続き、魚介類を対象とする商品券を発行する案が出されました。

更に、自民党内で関連業界をバックにした部会が競い合うように商品券構想を打ち出すと、ネットを中心に「族議員批判」が噴出しました。

この批判の声に折れたのか、3月26日に自民党農林部会と水産部会がそれぞれまとめた対策案では「お肉券」「魚介類を対象とした商品券」の発行を求めると明記していたのを、自民党政務調査会が3月30日にとりまとめた経済対策への提言では「購入支援の取り組み」にトーンダウンしました。

なんだかんだ言っても、国民が声を挙げれば、族議員といえど、それに抗うのは中々難しいということです。


2.日本の畜産・酪農応援キャンペーン

「お肉券」構想が頓挫した和牛生産者側が自助努力で在庫を捌かなければならなくなったのですけれども、全国農業協同組合中央会(JA全中)は、2月9日から始めた、高級和牛1万円相当を消費者に無料で配る「がんばろう!日本の畜産・酪農応援キャンペーン」を拡充。3月末までだった応募の期限は4月10日まで延長し、当選者を当初予定の20人から250倍の5000人にすることを決めています。

武漢ウイルス問題で、訪日観光客や宴会が減少し、高級和牛の価格は前年より3割ほど下がったそうなのですけれども、観光客や宴会の減少で途端に3割値段が下がるということは、普通の国民の食生活の中では高級和牛の需要はそれくらいしかないということの裏返しでもあると思います。

江藤農水大臣は「このままでは和牛文化そのものがなくなる」と危機感を示していますけれども、これの発言はそういった高級和牛を食せる、いわゆる"上級国民(パトロン)"によって維持されているとの認識を持っているのではないかという気がしてなりません。

仮に事実はそうであるかもしれません。けれども、この機会に、高級和牛を普通国民が食べられるように、価格を安くする努力に取り組む畜産業者が表れてもおかしくないと思います。

もし、政府が彼らを支援するのなら、「お肉券」とかではなく、食品全てに更なる軽減税率を適用して、同じ土俵で競争させると同時に、消費者が買いやすくする支援の方がよいのではないかと思いますね。


3.あさって宣言はデマ

国民の声で没となった「ナントカ券」構想ですけれども、国民の声がそれなりに政治に影響を及ぼす事例は他にもあります。

3月30日、安倍総理は、武漢ウイルス問題について、自民党の役員会で「海外では爆発的な感染となっており、日本でも気を抜いてはいけない。われわれが感染防止を率先して行う必要がある。また、緊急経済対策の策定を指示した。財政、税制、金融など、すべての政策を総動員して対応したい。必要な人にターゲットを絞り、現金給付を行う」と述べる一方、「あさって緊急事態宣言をして戒厳令まで出すといったデマが流れているようだが、そんなことは全くない。デマやフェイクニュースに気をつけなければならない」と発言しました。

また、菅官房長官も「まず、そうした事実はありません。明確に否定しておきます。色んな噂が流れていますけども、そうした手続きに入った事実もありませんし、そうしたネット上のものはこれは事実と違うと明確に申し上げておきます」と述べ、緊急事態を宣言する時には「国会にも知らせながら進める」とし、専門家の知見に基づいて慎重に判断すると強調しています。

4月1日にロックダウンするという噂は、どうやらツイッターから拡散したようなのですけれども、火のない所に煙は立たず、少なくとも、官邸ではそれに類する検討はされていたのではないかと思います。

一部には、ロックダウンするとしたら国民はどう反応するかを探るために、官邸が意図的に漏らした「観測気球」だったという説もあるようです。確かにその可能性は否定できません。

その一方、ネットでは政府の自粛要請が、密閉度の高いお店を狙って強く要請していることから、「東京のロックダウンはすでに実施されている」という指摘も見られました。筆者もそう思います。

3月30日、小池都知事は記者会見で、夜間営業のバーやキャバレーなどでの感染が疑われる事例が相次いでいるとして、「特に若者においてはカラオケやライブハウス、中高年にはバーやナイトクラブなど接待を伴う飲食店に行くことは当面は自粛してほしい」と名指しで自粛を要請していますけれども、こうした要請がどんどんと拡大して全ての店舗や交通機関に及べば、最後にはロックダウンになる訳で、その意味では、既にロックダウンは始まっていると見てよいように思われます。

世論の一部では、対応が甘いとか、さっさとロックダウンしろとかいう声もありますけれども、こうしたソフトかつ狙い撃ちの要請で感染拡大が防がれるのなら、これはこれで、ありだと思います。

まぁ、外出させないために、「街にライオン500頭を放った」とか「家に3週間いるか刑務所に3年間いるかだ」とか「パーティーをしてる連中に火炎放射機を持たせた治安部隊を派遣する」とかいうよりは、ずっとよいと思います。

一部のパヨクな方は、なにかと安倍総理を独裁だなんだと批判しますけれども、「お肉券」を引っ込めたり、ロックダウンするかもと観測気球を上げてみたり、結局ロックダウン宣言はせずに、実質ロックダウンさせる安倍政権の対応を見る限り、非常に世論を気にしていて、少しも独裁じゃないと思いますね。


4.令和の恐慌を回避せよ

同じことは、おそらく経済対策にもいえるのではないかと思います。

3月30日、自民党の若手有志による議員連盟「日本の未来を考える勉強会」と保守系有志議員のグループ「日本の尊厳と国益を護る会」は国会内で記者会見を開き、武漢ウイルスの感染拡大に対処する政府の緊急経済対策に消費税減税を盛り込むよう緊急声明を出しました。

両グループは、経済対策について「『令和の恐慌』回避のための30兆円規模の補正予算編成に関する提言」を安倍総理、二階幹事長に提出していますけれども、その概要は次の通りです。

・30兆円規模の補正予算を編成し、財源には躊躇なく国債を発行してそれに充てること。なお、2025年のプライマリーバランス黒字化目標は当分の間延期すること。
・被雇用者に対しては十分な休業補償をするとともに、事業者、特に中小企業及び小規模事業者(個人事業主を含む)に対しては、失われた粗利を・100%補償する施策を講ずること(特別融資だけでは不十分)。安心して休業できることは、有効な防疫対策にもなる。
消費税は当分の間軽減税率を0%とし、全品目軽減税率を適用すること(消費税法の停止でも可)。なお、消費税の減税のタイミングとして6月を目指し、各種調整を速やかに行うこと。
・従来から存在するあらゆる制度も活用し、資金繰り支援等企業の廃業防止、国民の不安を払拭するために全力で取り組むこと。
国土強靭化、教育・科学技術投資、サプライチェーンの再構築、特定国依存型のインバウンドの見直しなど、内需主導型の経済成長を促す政策を検討すること。

消費税減税、内需主導型の経済成長など、これまで何度も筆者が述べてきた内容が入っています。休業補償も近々の対応として必要ですし、筆者には納得できる提言です。これら提言は両グループ合わせて自民党内の100人を超える議員が出したことになっているのですね。やはり分かっている人には分かっているし、それだけの経済危機に瀕しているということでもあるということなのだと思います。

政府が進めている現金給付だなんだ、申告制だ、所得制限を設けるなどと色々言っていますけれども、国民がこんなんじゃ話にならない。消費税を無くせという声がどんどん高めていくことで、あるいはその方向に進んでいく可能性を期待したいですね。

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