

1.韓国与党が過半数獲得し圧勝
4月15日、韓国で総選挙が行われました。総選挙は、一院制の国会の、小選挙区と比例代表合わせて300議席をめぐって争われ、公共放送のKBSは、文在寅政権を支える与党「共に民主党」などが過半数の議席を獲得し、圧勝したと伝えています。
議席は、与党「共に民主党」が大票田のソウルなど首都圏を中心に圧勝し、小選挙区で163議席を確保。比例政党は17議席で、与党勢力は計180議席と過半数を突破。一方、保守系最大野党の「未来統合党」は系列の比例政党と合わせても、103議席にとどまりました。
韓国の選挙管理委員会によると、暫定の投票率は66.2%で、前回の4年前を8.2ポイント上回り、総選挙としては1992年以来、最も高くなったようです。
今回、与党が圧勝したのは、経済や安全保障の問題よりも武漢ウイルス対策に有権者の関心が集中したからだと見られ、一部には文政権によるPCR検査の徹底などで感染が封じ込められつつあるという評価が広がったという分析もあるようですけれども、武漢ウイルスが無かったなら、また結果は違ったかもしれません。
2.反日遊説マニュアル
武漢ウイルス蔓延の真っ只中で行われた今回の韓国の総選挙では、街頭での派手な集会は有権者から敬遠され、韓国らしい賑やかな選挙運動ではなかったようです。
それでも選挙戦は「反日」に染まったようです。
「朝鮮日報」によると、与党「共に民主党」は、選挙戦スタート直前の3月末に「総選挙戦略広報遊説マニュアル」を作成し、立候補者の陣営に配布していたそうです。
その中には広報・遊説の指針として「国民らは今回の選挙を『韓日戦』と呼んでいる。日本政府には屈従的だが、韓国政府を非難するばかりの未来統合党に審判を下してほしい……安倍政権を擁護し、日本に何の批判もできない」と批判。さらに選挙の4大戦略の一つとして、「日本製品ボイコットなどを通じ、日本の輸出規制危機克服を先導した政府を強調」することが挙げられていたようです。
このマニュアルは、選挙戦がスタートした4月2日前後から使われ始め、文在寅大統領や与党の支持者とみられる人々が、ソーシャルメディアなど使って、「未来統合党は土着倭寇だ」、「土着倭寇を撲滅せよ」などと、未来統合党を攻撃しはじめました。
さらに、「国会議員国産化国民運動本部」とか、「投票で親日清算」と大書した横断幕やポスターまで登場し、与党陣営の連合比例政党「共に市民党」のチェ・ベグン常任共同選挙対策委員長は、今回の総選挙を「国内政治であるかのように偽装された韓日戦だ……『共に市民党』は義兵だ」と、自らを"抗日義兵"と位置づけたそうです。
対立野党を親日派というレッテルを貼ることで、追い落とす選挙戦を繰り広げたということです。
3.用日期の終わり
対する野党・未来統合党の方は、まともな訴えをしたのかというとそうでもなく、「日本」と武漢ウイルスを重ね合わせて、与党を批判する選挙戦を繰り広げました。
ソウル市内の選挙区から出馬している未来統合党の候補は「新型コロナウイルス問題は、壬辰倭乱を連想させる」と述べ、文在寅大統領を「無能で、全国民を戦争の惨禍に陥れた……義兵らの活躍で戦争を終えた後、宣祖がしたことは『自分こそ最高の戦功者だ』という自画自賛だ」と秀吉との戦争を避けられなかった朝鮮王朝第14代の王「宣祖」と文大統領を重ね合わせ、武漢ウイルスの感染拡大が落ち着きつつある現状を「文在寅政権の成果」と宣伝している現政権を批判しました。
まぁ、目先の問題に関心が向くのはどの国民でも同じかもしれませんけれども、日本よりも遥かに申告な経済・安全保障の問題を置き去りにしての選挙。
しかも、与野党とも「日本」をやり玉に掲げての批判合戦です。
その結果が与党「共に民主党」の圧勝なのですから、今後も文在寅政権の反日路線は変わらないでしょう。それどころか、日本批判して勝利を掴んだ手前、日本にすり寄る類の発言すら出来なくなる可能性が高い。これは要するに、「用日」すら出来なくなるということです。
4.足もとの深い不況で、その半島の一片は、ついに成就できない結合を求めてぶつかりあいはじめていた
4月14日、茂木外相は会見で産経新聞の力武記者から、徴用工判決問題に関連し、日本企業の資産現金化の問題についてどのように対応していくつもりかと問われ、「日本として、韓国政府が今の国際法違反の状態を一日も早く是正することを強く求めているところであります。選挙の結果に拘わらず仮にこの差し押さえの資産の現金化というものが進んだ場合は、より問題が深刻化する。そのようなことがないようにということについても、私からも韓国政府、康京和外交部部長に対しては強く指摘をしているところであります」と答えています。
要するに、売却したら日韓関係は破綻するぞと警告を発した訳ですけれども、筆者にはフラグを立てたようにしか見えません。或いは、韓国総選挙の前日だったということもあり、韓国与党が勝利する情報を得た上での発言だったかもしれませんけれども、そのときには対抗措置を発動できる準備は整っているということでしょう。
日本は武漢ウイルス感染拡大防止の為、4月末まで韓国らの入国禁止措置を取っていますけれども、韓国から人がこれないからといってそれで困るという声も聞こえてくるわけではありません。
文在寅政権が反日路線を突っ走るのは勝手ですけれども、日本がそれに付き合ってやる理由はありませんからね。武漢ウイルスと文政権は、日韓関係を一端リセットするよいの組み合わせになるのではないかと思います。
一方、文在寅大統領も選挙に大勝利したことで、何の気兼ねなく、半島統一の夢に向かって邁進していくであろうと思いますけれども、ボロボロになった経済と安全保障が過負荷(オーバーロード)となって文在寅大統領に圧し掛かります。
韓国に未来があるとすれば、それは文在寅大統領を始めとする反日に塗れた旧世代ではなく、反日種族主義に気づき、そこから脱しようとする「新世代の子供たち」の手の中にしかないのかもしれませんね。

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