自粛疲れが呼んだワイドショー疲れ

今日はこの話題です。
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1.「押し紙」を認める賠償判決


5月15日、佐賀地方裁判所は、佐賀県吉野ヶ里町の新聞販売店の元店主が、「押し紙」によって廃業したとして佐賀新聞社に1億円余りの賠償を求めた裁判で、「押し紙」を認め、新聞社に1000万円余りの支払いを命じる判決を言い渡しました。

「押し紙」とは、購読者の数を大幅に超える部数の買い取りを新聞販売店に求めるもので、長年問題視されていました。

裁判で佐賀新聞社は「合意のうえで販売目標を設定していて、部数を減らす具体的な申し出もなかった」などと主張していたのに対し、佐賀地方裁判所の達野ゆき裁判長は「独占禁止法に違反し、購読料を得られない数百部を仕入れさせた」として「押し紙」にあたると認定しました。

新聞販売店元店主は「主張が認められてうれしい。苦しんでいる販売店はほかにもたくさんいるので、希望になれたと思う」と話しました。

元店主の弁護士によると、裁判所が「押し紙」を認めるのは珍しいということですから、それだけに「押し紙」を認める判例が出る意味はやはり大きく、今後、似たような訴訟が頻発する可能性はあると思いますね。

2.時代遅れになる新聞


押し紙が増えるのは勿論、新聞という媒体が売れなくなったからですけれども、ネットが発達した今の社会で、わざわざ印刷して配るという方法は、速報性に欠け、既に時代遅れになりつつあります。

そんな中でも、新聞に存在意義があるとすれば、それは、取材出来ないところを取材する力であるとか、優れた見識であるとか、速報性を上回る価値ある何かがある場合ということになるのではないかと思います。

政治についても、既に政治家自らツイッターで情報発信する時代です。そういう時代で求められる記者やマスコミとは、いかに政治家が語らない本心を引っ張り出すとか、優れた見識を出せる人を見つけて取材するとか、今まで以上に高いレベルの記事を提供できることではないかと思うのですね。

それをしないまま、いや、しないどころか、フェイクニュースを垂れ流すようでは、増々民衆から捨てられてしまうだけです。

3.河野防衛大臣閣議後会見


先日、防衛省が地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の陸上自衛隊新屋演習場への配備を断念する方針を固めたとの一連の報道に対し、河野防衛相が「フェイクニュース」と批判しています。

これに対してマスコミが喰いついています。

防衛省への不快感をあらわにした佐竹敬久・秋田県知事を意識しているだの、表現の自由を侵害しかねないと反論。

5月15日の閣議後の河野防衛相の記者会見では次のようなやり取りをしています。
Q:大臣、昨日御自身のツイッターで、一連のフェイクニュースに関して、改めて発信をされていましたが、その意図を教えてください。
A:特にありません。

Q:フェイクニュースという言葉がですね、自分に不利な報道を虚偽だと主張する際にも使われるということらしいのですが、大臣、一連の新屋の断念に関する報道というのは、大臣にとって不利な報道でしたか。
A:多くの方に迷惑がかかった報道だと思います。

Q:大臣、最後に今日金曜日ですけれども、大臣、今日もお昼御飯はカレーですか。
A:お楽しみください。

Q:多くの人に迷惑がかかったイージス・アショアに対する報道が、多くの人に迷惑がかかったがゆえに、フェイクニュースなんですか。
A:違います。

Q:違いますよね。
A:事実と違うからフェイクニュースと申し上げております。

Q:事実を違うと断言はできるのですか、大臣は。
A:できます。

Q:もし結果的にそうなったら、どうされますか。
A:結果的にそうなっておりません。

Q:なったらどうされますか。
A:なっていません。過去の話です。

Q:もしなったらどうしますか。
A:過去の話ですので。

Q:将来の話でしょ。
A:いえ、違います。過去の話です。

Q:結果的に新屋が外れたら将来的に。
A:そんなことは言っておりません。防衛省の方針ではないと申し上げているのです。

Q:フェイクニュースということを非常に報道機関に対して、大きな意味を持つと思うんですけれども、全然後悔はしていないんですか。
A:事実を違うことが報道されたときには、それはフェイクニュースあるいは誤報、そういうことです。

Q:大臣、裸の王様になっていませんか。
A:なっていません。
この質問は、テレビ東京の記者のようなのですけれども、失礼な質問であることを脇に置くにしても、やり取りを聞く限りでは、記事に間違いはなく証拠もあるのだと確信を持っているようにさえ聞こえます。でなければ、後悔してないのか、だとか裸の王様になってないのか、などという発言にはならないと思います。

そこまでいうのであれば、その証拠を広く公開して、その真偽を世に問うべきなのではないかと思います。




4.自粛疲れが呼んだワイドショー疲れ


また、優れた見識についても疑問が持たれています。

武漢ウイルス感染対応で外出自粛要請が行われてきましたけれども、リモートワークになった会社員や学生などが自宅にいる機会が増えたことで、平日昼間のワイドショーを見る人が増えた結果、ワイドショーに対する批判の声が上がっています。

ネットでは「主婦は毎日こんなの見てるのか、そりゃ洗脳されるわ」、「文句ばっか言ってる」、「これはもはや有害」、「こんなん見てたら馬鹿になるだけだわ」などと叩きまくっているようです。

中でも『バイキング』のMC坂上忍氏に対しては「政権の文句しか言わない」、「怒ってばかり」、「適当なことばっかり言ってる」、「もう坂上忍を見たくない」などこちらはより辛辣です。

武漢ウイルスでも、矢鱈、不安を煽る報道ばかりだと、批判を受けていますけれども、武漢ウイルスのように身の危険に晒される自体になってからこそより、見識というか報道の質にスポットが当たってきているような気がします。

やはり、武漢ウイルスはいままで当たり前であったことや、深く考えずに流してきたことが本当にそれでよいのかを問い直す機会、既存の価値観を揺さぶっているのではないかと思います。

いわゆる"アフターコロナ"は社会の在り方のみならず、価値観をも変わる世界になると思いますね。


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この記事へのコメント

  • まるえ

    件の記者は、共同通信の石井暁(ぎょう)という、歴代の大臣にも食って掛かるようなやりとりをしてきた、防衛記者会に所属する有名な人物です。
    もちろん、証拠や確証などなく、防衛省の方針を決定する立場の大臣が、ある時点(つまり、この会見では過去の話)において自分が行っていない決定を行ったかのように報道がなされれば、それはその瞬間にフェイクニュースなのであって、たまたまその後や将来において、その報道と全く同一の決定を大臣が行ったとしても、それは単なるまぐれ当たりであって、元々の報道がフェイクニュースであることには変わりはない。
    河野大臣のキッパリした応答はそういう姿勢・考え方に立つと思いますし、役所の中の記者の「お友達」からのリーク情報で記事を書いてきたジャーナリストもどきたちは、彼に限らず断末魔の叫びを上げているのでしょう。
    2020年05月18日 18:53

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