世界にとっての新しい生活様式は日本の常識だった

今日はこの話題です。
画像

 ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。



1.緊急事態宣言解除は既定路線


政府は、東京など首都圏の1都3県と北海道で続く緊急事態宣言について、新規感染者数の減少など、現在の改善傾向が確認できれば、25日に全面解除する方針で最終調整に入ったと伝えられています。

23日の新規感染者数は、東京が2人と、1日に確認された感染者数としては、先月7日に宣言が出されて以降、最も少なくなり、埼玉、千葉も「直近1週間の新たな感染者数が10万人当たり0.5人程度以下」という宣言解除の目安を下回っています。

その一方で、神奈川は5人、北海道は9人で、まだこの目安を上回っています。けれども、ある政府関係者は医療提供体制が改善していることを挙げ、問題はないとの認識を示しています。

西村康稔経済再生相は「新規感染者数は東京でかなり減っており、ほかもかなり低い数字だ。病床も確保され、重症者の数も減っている。新規感染者数や感染経路を追える患者の割合もよい傾向が続いている……専門家の皆さんに最終的には見ていただきながら、判断をしていただくことになる」と東京など五つの都道県はいずれも新規感染者数が減っているとして、この状況が続けば、25日に専門家の意見を踏まえ解除は可能という見方を示しています。

5月23日、安倍総理が6月中旬から下旬にアメリカのワシントン近郊で開催を目指すG7サミット(先進7カ国首脳会議)に参加する意向をアメリカ側に伝達したと伝えられていますことを考えると、既に政府は宣言解除を既定路線に置いているように見えます。


2.注目される3密


海外は日本が武漢ウイルスを封じ込めていることを理解できない気持を抱えつつも、日本のやり方に目を向けざるを得なくなってきたいます。

ブルームバーグは22日の記事で「日本は他の成功した国々で使用されている脚本を無視しながら、日本がどのように封じ込めたのかを分析することは全国的な会話となった」とし、感染者の追跡や、3密の回避を取り上げています。

そして、ウイルスの専門家による公的諮問グループのメンバーで早稲田大学の田中幹仁教授が、日本では、ダイアモンドプリンセス号船内での感染症に対する国際的な調査と、ウイルスが船中で競争するペースによって、同じことが国中で起こり得ることへの認識と認識が高まったことに対し、他の国では依然としてこのウイルスを他人の問題と見なしているという指摘。

更には、日本は、政治的リーダーシップが欠如していると批判された反面、医者と医療専門家が感染症対策の前面に立つことを可能にしたことで、公衆衛生の緊急事態を管理する上でのベストプラクティスを選択。「日本は他の国とは異なり、専門家主導のアプローチを持っていると言える」とのコメントを紹介しています。

ウイルス感染という非常事態に、リーダーシップが欠如していると批判されても、具体策の策定は専門家に任せ、政治は出しゃばらない。それはそれで一つの見識であり、その結果は「死亡者数」で明らかに示されていると思います。

もしこれが、東日本大震災でどこぞの首相が福島原発事故に口出しして現場を引っ掻き回したような真似をしようものなら、今頃どうなっていたか考えたくもありません。


3.世界にとっての新しい生活様式は日本の常識だった


政府の武漢ウイルス専門家会議は、武漢ウイルス対策として「新しい生活様式」を提言していますけれども、これまでの日本で当たり前に行われている普通の「生活様式」はそれだけで武漢ウイルスの封じ込めに効果を発揮しています。

例えば、マスクの装着です。

筆者は過去のエントリーで、マスクは武漢ウイルスの予防に効果があると述べてきましたけれども、5月17日、香港大学は、感染したハムスターのいるケージと健康なハムスターのいるケージの間に医療用マスクを設置し、感染ハムスター側から健康ハムスターのケージに向けて空気を流したところ、マスクにより感染が60%以上軽減できる可能性があるという研究報告をしています。

また、ニューヨーク州のクオモ知事は武漢ウイルスの新たな感染者の大半が必要不可欠な仕事に従事している人々ではなく、買い物や運動、人との交流目的で外出した人々だったという事実を公表しています。

つまり、日常的にマスクを着用することで、感染予防効果が期待できるということです。

ニューヨーク州では4月15日に公共の場で他者と6フィート(約1.8メートル)の距離を確保できない場合、マスクなどで口や鼻を覆うことを義務付ける知事令を出しました。

ロスアンゼルスでも、5月15日に屋外でのマスク着用を義務づける「マスク着用令」を出しました。

マスク着用義務について、ロサンゼルス郡保健局ディレクターのバーバラ・フェラー博士は「自宅の外で、家族以外の人々と接触する場合、マスク着用は義務となりました。1人でランニングしたり、散歩をしたりしている時も、マスクをつける必要があります。外に出て、周りに他の人がいる時は、そこがハイキングコースであっても、駐車場であっても、歩道であっても、フェイスカバーをつけて下さい」と述べ、海岸では、水中以外では常にマスクをして6フィートのソーシャル・ディスタンスを保ち、ビーチでの活動が終わったら、帰宅するよう求めています。

ビーチ入り口には、マスク着用や社会的距離を開けるよう警告する看板も立てられ、着用を促しているのですけれども、在米ジャーナリストの飯塚 真紀子氏によると、「マスクをつけている人は、5割にも満たない印象を受けた」と報告しています。

翻って日本では、マスク着用なんて当たり前で、マスク不足が騒がれたときも、アベノマスクが配布される前に自前の布マスクを付ける人も現れたくらいです。

関西の緊急事態宣言解除とK値」のエントリーで、日本では、「緊急事態宣言」そのものに感染抑制効果が殆どなかったことを取り上げましたけれども、これは逆に、従来の「日本人の生活様式」がそれだけで感染抑制になっていたかもしれないことを意味しています。

世界がマスク着用を義務付けるずっと前、武漢ウイルス感染前から自発的にマスクをつけていた日本人。

イタリアニューヨークでは玄関や室外で靴を脱ぐようになったといわれています。

日本人の普通の生活様式は、世界の「新しい生活様式」になる日は意外と近いのかもしれませんね。

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック