これまでの価値観をも変えていく武漢ウイルス

今日はこの話題です。
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1.新大久保の違和感


品薄が続いていたマスクですけれども、ぽつぽつ店頭に並び始めたようです。

ただし、それらマスクはドラッグストアではなく、雑貨屋とか普通の飲食店といった普段売っていない筈の店です。筆者の近所でも、少し前までタピオカ屋だったのが店先でマスクを箱売りしているのを見ました。

こちらのロケットニュースでは、新大久保に行ったら、マスクがそこら中で販売されていたと報告しています。

また、こちらの「ニュースしらべぇ」でも、違和感を感じる程マスクが売られていたと報じています。

ドラックストアにないのに新大久保のそこら辺の店にマスクが溢れているという時点で、今まで誰かが買い占めていたのを吐きだしていることがモロ分かりなのですけれども、意外にも爆売れしている訳ではないようです。

一方、シャープが販売を始めたマスクは、希望者殺到でサーバが落ち、最終的には抽選販売になっているところを見ると、需要そのものがあるのでしょう。それでも、新大久保での店頭販売が売れないとするならば、怪しいと思われているのでしょうね。


2.タロウマスク


アベノマスクが契機になったかどうかは分かりませんけれども、巷でも自前でマスクを作って使うという人も出始めています。自分で作ったマスクの画像をネットにアップしたり、作り方を披露する人もいるようです。

中でも、最近話題になっているのは河野防衛相のマスクです。

30日の参議院予算委員会では、濃い青の下地に、赤い日を背負う富士山のデザインというユニークなマスクを国会で披露して公表を博していましたし、1日の記者会見では迷彩柄のマスクをつけて現れました。

記者団が「マスクはファッションになるか」と質問すると、河野大臣は「マスクをずっとつけているので、『ファッション性を持たせたい』と思う人がいても、全然、不思議でもないし、『マスクは白だ』という方がいても不思議ではない。人それぞれだと思う」と述べています。

防衛省航空自衛隊の公式Twitterによると、河野防衛相が着けていたマスクは手ぬぐいを元に作られた一点もので、デザインは複数あると公表しています。

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3.布マスクを2000倍に拡大してウイルスが通るか実験してみた


不織布の使い捨てマスクと比べて、繰り返し洗って使える反面、網目が荒いために、感染防止効果が薄いのではないかと言われる布マスクですけれども、定量的にどれくらいなのかは今一つはっきりしません。

筆者は、これまでのエントリーで、多少なりとも効果はある筈だと述べていますけれども、世の中は良くしたもので、ネットでは実際に実験して動画をアップしている人もいます。

下の動画は、使い捨てマスクは何回まで洗って使えるかを、電子顕微鏡で観察してみた結果や、布マスクを2000倍に拡大したモデルを作り、ウイルスが通るか実験してみた結果を報告しています。

それによると、使い捨てマスクは、繊維を傷めない押し洗いで丁寧に洗えば6~7回くらいまでは使え、8回目から繊維が裂けてしまうと報告しています。ただ、押し洗いするとその度に細かいゴミが付着するようで、筆者的には、熱湯消毒の方がいいのかなという印象です。

また、布マスクを2000倍に拡大したモデルでの実験では、網目が荒い布マスクでも、実物は何枚も重ねられていることから、8枚重ねのモデルにして実験していました。その条件であれば、飛沫サイズのものであればほぼウイルスの侵入を防ぐという結果となりました。

ここから分かることは、普通に生活していて飛沫あるいはエアルゲル状になっている程度であれば、マスクでもほぼ防ぐことが出来るそうだということです。

防げない可能性があるのは、飛沫から水分が飛んで飛沫核になったウイルスが空中を漂っている空間に長時間いることだと思いますけれども、それこそ三密がリスクになるということでしょう。下手をすれば病院が一番危ないかもしれません。




4.命に関わるモノづくりが、どれだけ難しいかを我々は理解しています


マスクを始めとして医療用品の不足に、自動車会社各社が協力に乗り出しました。

トヨタグループのデンソー、トヨタ紡織はマスクを生産し、自給自足体制に入りました。更にトヨタ本体はフェイスシールドを作成。トヨタ、ホンダは患者搬送の車両を提供し、感染しないような改造を施しています。

これについて、トヨタ広報は「社長の豊田はコロナ危機に際してふたつのことを決めています。ひとつは喫緊の問題である医療の現場を支援すること。最前線で戦っている人たちのためにできることをやりたい。もうひとつは震災でもそうでしたけれど、危機のときに必要なのは事業をやり続けることだ、と。自動車産業は波及効果が大きい産業です。働く人も多い、部品会社も多い、その周りのサービス産業の人たちも大勢います。みんなの生活を守るためには事業を継続する。そして、工場が動く音、日常の音がみんなを元気にすると言っています。危機のとき、日本に貢献するために当社は国内に生産拠点を残してきました。ですから、マスク、フェイスシールドといったものなら作ることはできます」と述べています。

実はトヨタには人工呼吸器についても「なんとかできないか」という声が寄せられていたのだそうですけれども、豊田章男社長は、「人工呼吸器は人の命に直結する医療器具です。自動車も人命に関わる製品ですので、命に関わるモノづくりが、どれだけ難しいかを我々は理解しています。簡単なことではありません。まずは、医療機器を作っている方々のところに行き、その生産をひとつでも増やせるような、生産工程の改善など、我々のノウハウが活かせるサポートを始めてまいります」と、直接の製造ではなく、製造現場のカイゼンという側面支援をするとしています。

また、自動車会社以外でも、資生堂、サントリーは消毒薬、消毒用アルコールを医療機関向けに生産。富山県の若鶴酒造は消毒薬と同程度のアルコール度数の製品を生産し、医療機関などに優先供給。中古車売買のガリバーは医療従事者をはじめ、外出自粛中でも移動を必要とする人たち1万人を対象に自動車を無償提供。ジャニーズ事務所はマスク50万枚、医療用ガウン3万3000枚を寄付しています。

また、ユニバーサルミュージックはコロナで仕事ができない音楽業界の関係者への支援を決定し、社会不安を和らげるためにアーティストに活動してもらうことにした。俳優でタレントの坂上忍は「ボク、タダ働きをすることに決めました……緊急事態宣言が発令されてから解除されるまでの間、収入をなにかしらの形で寄付をすることに決めた」とブログにアップしています。





5.芸能界にゲームチェンジが起こる


武漢ウイルスという国難は、改めてモノづくりや人の助けになる活動がどれだけ有り難いものであるのかを知らしめたように思います。

近年では東日本大震災などで、救援活動に尽力した自衛隊の活躍があり、自衛隊に対する国民の好感度は9割にも達しています。

自分達の業界が、世の中にどう役にたっているかという命題は、物作りだけでなく、エンタメ業界にも降りかかっていると思います。

4月28日、エイベックスの松浦勝人会長はインスタグラムでエンタメの今後に関する見解を述べています。

松浦氏はライブ開催の自粛が続く中「このままの状態が続けば、バタバタとエンタメ業界の上流から下流までの会社が大変なことになっていくだろう……残念ながらそうならないための方法が今は見つからない……それは今までのエンタメ業界の常識で考えた場合だ……アイドルやアーティスト、バンドとの直接の出会いの機会がなくなるかも知れない。握手会にはこれからは昔のようには行きたくならないかもしれない。ライブハウスで三密の中大声でアーティストを応援する気にならないかもしれない。それにはすごく時間がかかるだろう。しかし、それに変わるものが出てくるのがこの世の常だ。新しいアーティストとの新しい触れ合い、出会い、コミュニケーションの取り方。そんなことが必ず起きる」との見方を示しました。

そして、そうした新しい流れは「現状の古い体質の芸能音楽業界から起きるとは限らない。むしろ逆だ……今までのやり方に囚われ、新型コロナ収束と共にまた昔のようにファンが戻ってくると考えているのならあなたはこの業界から手を引いた方がいい。確実にこの芸能界にゲームチェンジが起こる。もうその兆しは見えている。古いやり方に囚われ、本当の世の中の様子が見えてない業界人はもはや手遅れだ。正直早く手を引いた方がいいと言っておく。今までのやり方が既にとっくに通用していなかったことをこの新型コロナという現実で思い知っているだろう……新しい感覚で始まる、新しいエンターテインメント業界に期待したい……しかしながら僕も古い芸能の人間なので、できるならばそれは若い人に任せ、エンターテインメントを楽しむという本来の普通の人に戻りたいと思う」と告白しました。

まるで引退宣言のようなコメントです。

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6.自分達は世の中に如何にして役立つのか


実際、エンタメ界も自粛による経済損失が出始めています。

ぴあ総研の調べでは、ライブイベントの中止や延期が五月末まで続けば、約三千三百億円の損失が見込まれるそうです。

大手芸能事務所「ホリプロ」の堀義貴社長は、「カタストロフだ……経済的にももちろん痛いが、積み上げてきたものが全く無になる喪失感は半端ではない……見えないところで支えている人の方が圧倒的に多い……末端の人からどんどん苦しくなっている。五月に入り、"決断"する会社もあると思う」との認識を示しています。

政府は、イベントのチケット購入者がチケットの払い戻しを求めなかった場合、寄付とみなして税負担を軽減する措置や、終息後にイベントチケットの補助クーポンを出す案などを打ち出しています。

けれども、堀義貴社長は、これら政府の措置について、「両方とも事業者には何の得もない。政府には今、業者が倒れないようにしないとV字回復なんてありえないことを理解してほしい……ドイツやアメリカでは、外国人アーティストでも早い段階でまとまった金額が国から入金されたと聞いている。エンタメが国の財産だと思っているから手厚いのだろう」と述べる一方、日本については「『クールジャパン』というが、これでは『冷たい日本』だ。海外で稼いでくれと言うのに、死にかかっている時は手を差し伸べない」と批判しています。

4月7日のエントリー「緊急事態宣言と必要不可欠」で、ドイツのモニカ・グリュッタース文化相が、「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ。特に今は」と述べたことを取り上げましたけれども、これは、過去、アーティスト達がドイツで"生命維持に必要だ"と思わせるに足る活動なり実績を挙げてきたからこそだと思います。

武漢ウイルス蔓延で命の危険に晒されている中、何もなしに「生命維持に必要だ」と言われるとは思えませんから。

その意味ではエンタメ業界にも、自分達は世の中に如何にして役立つのかを問いかけられているともいえますし、もしかしたら、今活躍しているタレント達はそれで一番悩んでいるかもしれません。

武漢ウイルスは、既得権益だけでなく、既成概念、あるいはこれまでの価値観をも変えていくのかもしれませんね。


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この記事へのコメント

  • jonny

    新型コロナウィルスによって、世の中で古いやり方に縛られていた人達がどんどん新しいやり方をやるようになりました。今までは、古いやり方をやっておいたほうが安全だと思っていたからやっていただけなんではないかと思います。悪く言えば惰性でやっていただけですね。ですから、この新型コロナウィルスの騒ぎが収まってからも、決して元の世の中には戻らないと思います。古いやり方で意味のないものは誰もやらなくなることでしょう。
    2020年05月04日 13:21

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