武漢ウイルス研究所流出説で中国を追い込むアメリカ

今日はこの話題です。
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1.武漢から流出した決定的な証拠を公表へ


5月3日、アメリカのトランプ大統領はFOXニュースのタウンホールに出演し、武漢ウイルスについて「何が起きたかを正確に示す非常に強力な報告書を出す。非常に決定的なものだ……中国はひどい失敗をした。認めたくなかったんだろう」とに述べ、ウイルスの流出は意図的なものではなかったとの見方を示す一方、中国が世界の対応を誤った方向に導いたかと問われると「疑う余地はない」と述べ、改めて中国を批判しました。

また、同じく3日、ポンペイオ国務長官もABCテレビのニュース番組で、ウイルスが武漢にある研究所から広がった可能性があるという主張について、「多くの証拠がある」と述べ、情報機関が検証を続けていると述べています。

更に、ウイルスが研究所から漏れた直接の証拠ではありませんけれども、初期の段階から隠蔽を図ったと示唆する報告書があると報じられています。

アメリカのAP通信は、国土安全保障省が今月1日付けで纏めた内部文書を入手したとして、その内容を報じました・

それによると、中国政府は武漢ウイルスの危険性の詳細を今年1月にWHOに報告する前に、国外から大量の医療用マスクや防護服などを輸入していたとしています。

そして、その一方で、中国製の医療物資の輸出は大幅に減り、中国政府は、医療物資を確保する動きを隠すため、輸出の規制を否定し、貿易量の公表を遅らせたほか、ウイルスの重大な危険性も国際社会にあえて公表しなかった可能性が高いと結論付けています。

これについても、ポンペイオ国務長官は前述のABCテレビのニュース番組で問われ、「正しい事実だ」と答えています。


2.焦点ずらしの罵倒


こうした中国への批判について、当然ながら中国は猛反発しています。特に今月に入ってから人民日報は、ウイルスの研究所流出説を否定し、アメリカへの批判を繰り返しています。見出しをざっと拾うと次のとおり。
○4/30
【国際観察】ポンペオ米国務長官の言行は国際防疫協力をゆゆしく妨害
中国外務次官 中国発表の感染症報告は検証に耐えうる
○5/1
感染症に関する10の疑問 米国政府は責任をもって答える義務がある
仏研究所「フランスの感染拡大は中国からの輸入によるものではない」

○5/2
【国際観察】WHOに対する非難は「重大な過失」を隠蔽するためのすり替え
「ランセット」誌編集長、中国が新型コロナウイルス伝播源だとする説を非難
WHOが「新型コロナウイルスは自然界由来」と確認
【国際観察】米国の政治家たちは新型コロナウイルスの常識を学ぶべき

○5/3
中国に汚名を着せるのは危険な「政治ウイルス」
「責任転嫁」で人命を救えるか?
損害賠償請求の茶番劇は文明に対する恥ずべき行為
一貫して、ウイルスが中国発であることを否定し、中国発だと言い募ることは責任転嫁だと言っています。

更に、中国共産党系のメディア「環球時報」の電子版は、社説でポンペイオ国務長官の発言について、「多くの証拠がある、というなら全世界にはっきり示してもらいたい。もちろん、そうした証拠を示せるはずはなく、ポンペイオ氏自身、嘘をついていることをよくわかっているはずだ」と反論。トランプ政権の主張には科学的根拠がないと繰り返し否定しています。

トランプ大統領がいう決定的な証拠が何かは分かりませんけれども、中国のこの言いっぷりを見る限り、どんな証拠を突き付けられても認めるとは思えません。

既に、一京円を超える賠償請求が出されていますからね。認めてしまったら賠償しなければならなくなります。

評論家の石平氏は、ツイッターで「証拠が突きつけられると思えば、焦点ずらしの罵倒で応戦するのは中国伝統の喧嘩法だからである」と述べ、アメリカは確かな証拠を握っていると見てよいと指摘しています。


3.天安門事件以来の反中感情


尤も、中国とて、武漢ウイルスのパンデミック対応を巡って、世界中から反感を持たれていることは自覚しています。

中国現代国際関係研究所(CICIR)は、4月初旬に共産党政府指導部に、世界的な反中感情の高まりからアメリカとの対立に発展する恐れがあるとの報告書を提出していることが明らかになりました。

報告書では、世界的に高まる反中感情が1989年の天安門事件以来の水準に悪化する恐れがあると指摘。アメリカが中国への反発をあおり、中国政府はアメリカとの武力衝突という最悪のシナリオも想定する必要があるとしています。

更に、アメリカ政府が中国の台頭を経済および国家安全保障への脅威、さらに西側諸国の民主主義への課題と見なしており、国民の信頼を低下させることで中国共産党の弱体化を狙っているとも指摘しています。

中国政府が1989年の天安門事件以来の水準にまで悪化すると考えているとするならば、日本が警戒すべきは当時、天皇陛下の訪中によって反中感情を緩和させていった、あの"忌まわしき記憶"です。

またぞろ、親中派を使って、裏工作をしかけてくることも在り得るとみたほうがよいかもしれませんし、延期になったことになっている習近平訪日など、許してはならないと思いますね。


4.割れるWHO


ウイルスの武漢研究所流出説について、WHOのマイケル・ライアン事務次長はインターネットを通じて行った記者会見で「アメリカ政府から新型コロナウィルスが中国武漢の研究所が発症だという証拠は受け取っていない。これはWHOからしたらアメリカの主張は推測に基づくものだ……WHOは新型コロナウィルスの起源の証拠がある場合は受け取る。これは今後公衆衛生に関する情報として非常に重要だ」と反論しています。

ただ、ここにきて、中国擁護を続けているWHOにも内部が割れてきているようです。

「ヒトゲノム編集に関するWHO国際諮問委員会」のメンバーの1人であるジェイミー・メツル氏は、「ナショナル・レビュー誌」のインタビューに「中国での感染爆発を見た場合、動物からヒトへのウイルスのジャンプは、武漢や湖北省ではなく、広東省南部か雲南省で起きる傾向がある。武漢研究所は中国にある、ただ1つのレベル4のウイルス研究所で、武漢にあり、危険なコロナウイルスの研究を行なっている。危険なウイルスを研究している中国の研究所があり、そのウイルスと非常に類似したウイルスがその研究所のすぐ傍から出たことを考えると、論理的に考えて推論してもおかしくないだろう」と述べています。

更に、メツル氏は、自身のウェブサイトで、「中国は、過去にバイオ・セキュリティー上の問題があった……武漢研究所からの事故による新型コロナ流出の可能性を含め、何が感染の起源であったとしても、危険で現在も進行している中国の情報抑圧活動がこの危機の下地となっている。感染発生初期の重要な時期に、中国がWHOの専門家の武漢訪問を拒否した時、WHOはそれに抗議することができたのではないか。WHOは中国のプロパガンダをオウム返しに繰り返す必要はなかった。WHOは、もっと早くから警告を発することができただろうに」とWHOの中国寄り姿勢を批判しています。


5.ファイブ・アイズは石正麗氏らを調査中


4月28日、イギリス紙デイリー・テレグラフとオーストラリアの「7NEWS」などはイギリス、アメリカおよびオーストラリア、カナダ、ニュージーランドの5ヶ国から構成する所謂「ファイブ・アイズ」が中国武漢ウイルス研究所の石正麗氏と周鵬氏に対するを調査を進めていると報じました。
報道によると、石氏と周氏は過去、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)でコウモリの研究を行っていたそうです。

石正麗氏は2006年にCSIROの管轄下のオーストラリア疾病予防センター(ACDP)で「SARSウイルスとコウモリの関係」について、3ヶ月の研究活動を行い、周鵬氏は2011~14年まで同じくACDPで研究を行い、博士号を取得しています。

4月28日、サイモン・バーミンガム貿易相は、オーストラリアの公共放送「ABCラジオ・ナショナル」に対し、ファイブ・アイズによる石氏らへの捜査活動について、把握していないとする一方、武漢ウイルスの起源について「大流行の再発生を防ぐために、透明性のある調査を行わなければならない」と強調。更に、マリス・ペイン外相は4月19日に、武漢ウイルスをめぐる中国当局の初動対応に関して、WHOを抜きにした「独立調査」を行うべきだと提言し、オーストラアリアのスコット・モリソン首相は、WHOの加盟国に対して、国際独立調査を支持するよう呼びかけています。


6.石正麗亡命の噂


そんな中、渦中の石正麗氏が、家族と共にフランスのアメリカ大使館に亡命していたとの噂がネットで流れています。石正麗氏は1000近くもの極秘書類を持って保護を要請。石正麗氏は財産、資料とともに守られ、オーストラリアに送られたとし、彼女が齎した情報についてはフランスとアメリカで共有されるようです。

もっとも、亡命したという情報については、石正麗氏本人が否定したとFOXニュースが報道していて、現時点では噂の域を出ていません。

石正麗氏については、2月16日のエントリー「石正麗、誰でも騙されると思うなよ」で取り上げたことがありますけれども、同僚の研究員から、石正麗氏が過去やった実験を暴露・告発される事態となっています。

もし、石正麗氏が本当に1000部もの極秘書類を持って亡命したのが事実であるならば、中国にとってその衝撃は計り知れません。

トランプ大統領が出すといった決定的な証拠と合わせて、注視したいと思います。


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