自画自賛の中国とIPAC

今日はこの話題です。
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1.日米は強い懸念を共有


6月8日、アメリカ国務省のオータガス報道官は、中国が導入を決めた香港での「国家安全法制」をめぐり、米英豪加の4ケ国が「深く懸念する」と表明した共同声明に日本が参加しなかったことについて、「日本は共同声明に参加していないが、中国の国家安全法制に対して強く発言してきた……日本とアメリカは同盟国で民主主義国の仲間であり、香港情勢について強い懸念を共有している……香港の民主的な価値観や自由で開放的なシステムを維持すべきだという日本の鋭い呼びかけを歓迎する」と述べ、今後も連携していきたいという考えを示しました。

日本が独自で中国に懸念を表明している点も押さえた上での、「日米は強い懸念を共有」しているとのコメントは、少なくとも、例の共同通信の記事の「関係国から日本の対応に失望の声が出ている」という部分については完全にフェイクだったことを明らかにしました。

これで、米英豪加の4ケ国と日本は中国に対し、同じ「強い懸念」を表明したとしてよいと思われます。


2.中国に関する列国議会同盟


日米欧でも、中国パージの動きが始っています。

6月5日、欧米や日本の国会議員は「中国に関する列国議会同盟(IPAC:The Inter Parliamentary Alliance on China)」を設立しました。

IPACは「民主主義国と中国の交渉のあり方の改革」を目的とし、アメリカからは共和党保守派のマルコ・ルビオ上院議員らが参加。他にもオーストラリアやカナダ、日本、ドイツ、スウェーデン、ノルウェーの国会議員や欧州議会の議員らが名を連ねています。

イギリス保守党のイアン・ダンカン・スミス元党首によると、どの国も中国に痛い目に合わされた経験があるため、各国の議員をIPACに召集するのは難しくなかったのだそうです。

かつて欧米諸国の政治家や企業は、中国も経済的に発展すれば、より自由に民主的になっていくと期待していました。

其の為、1978年に中国が改革開放政策を始めると、外国の資本家たちは中国との関係を深めました。中国は、2001年のWTO加盟に際し、残った多くの貿易や投資の障壁を撤廃、経済成長に拍車をかけました。

ところが、発展すれば中国は共産党の一党独裁から脱するという期待は裏切られ、増長を許して結果が今です。

スミス元党首は自由主義国はこれまで、自由市場が中国を民主的改革へと導くという「根拠のない」希望を抱き、中国に対し「無邪気な」アプローチを取ってきたと振り返っています。

実際、中国共産党が独裁的な傾向を表に出してもなお、民主主義国は中国との取引を続けてきた訳です。

そこへ起こったのが今回の武漢ウイルス禍です。


3.自画自賛の中国行動白書


これまでは中国を受け入れることで、経済的利益を得ていたのが、逆に中国を受け入れることが命を危険に晒すことになりました。

従って世界が中国を批判するのは当然といえます。

けれども、そこはそれ中国です。そんな批判を甘受する筈もありません。

6月7日、中国国務院は武漢ウイルスを巡り初めてとなる「新型コロナウイルス肺炎感染との闘いに関する中国行動白書」を発表しました。

白書では「数百万人の医療従事者がコロナ治療の第一線で働いた」とか「新型肺炎との戦いで中国は150カ国と4機関を支援」とか「400万人のコミュニティスタッフが全国65万カ所で奮闘」とか「中国の新型肺炎治癒率は94%超」など、中国の対応をアピールする記述が目立ち、中国のコロナ対策は「重大な戦略的戦果を挙げた」と総括しています。

その一方、欧米などから批判を受けている点や武漢封鎖前に約500万人の武漢市民らが海外や国内の他の地域に移動したことについての言及がないばかりか、「中国は被害国で、世界的なウイルス対策に貢献した国だ」と主張しています。

対外宣伝を担う徐麟国務院新聞弁公室主任は記者会見で「ウイルスはまだ世界で蔓延している。責任転嫁するのはやめるべきだ」と責任逃れの発言をしています。

イギリス保守党のスミス元党首は武漢ウイルス問題について「中国政府の本質がこれまでになく、非常にはっきりと表に現れるようになった……世界中の多くの人々が、中国政府は極めて付き合いにくい相手だと認識するきっかけになったと思う」と述べていますけれども、まぁそういうことです。


4.中国共産党政府の正体


日本からみれば、何を今更という欧米の対中感ですけれども、遅ればせながら、彼らも中国共産党の本質に気づきだしました。

スロバキアから選出された欧州議会のミリアム・レクスマン議員は、中国に対する警戒感が強まるほど、E Uのこれまでの穏健な対中政策の矛盾が目立つようになり、中国は欧州の安全保障さえ脅かす存在だという新たな認識も加わって、対中意識の変化を招いていると指摘しています。

イギリスのボリス・ジョンソン首相は与ファーウェイを排除する姿勢に転換していますし、たカナダ保守党のガーネット・ジーニアス議員は、カナダは、ファーウェイの孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)をイラン制裁に違反した容疑で逮捕してから始まった中国による「人質外交」を例に挙げ、「中国と非常に難しいやりとりを続けてきた……中国政府の攻撃性に対してどう対処するべきかについて、国民も敏感になり現実主義的になった」と述べています。

果たして、IPACがどこまで頑張れるのか分かりませんけれども、中国共産党政府の正体を世界に広め、共通認識とすることは最低期待したいですね。


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