通信遮断した北朝鮮を見つめる天意

今日はこの話題です。
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1.屑達の反共和国行為


6月9日、北朝鮮の朝鮮中央通信は、同日正午から南北間の通信連絡線を完全に遮断すると報じました。

これは2018年4月の南北首脳会談をうけ、6月に将官級軍事会談が行われた結果、完全復旧となった南北間の軍通信線のことです。

遮断されるのは、両首脳のホットラインのほか、開城にある南北共同連絡事務所を通じて維持してきた当局間の通信連絡線と、軍当局間の通信連絡線で、朝鮮中央通信は「南朝鮮当局はくずたちの反共和国行為を黙認し、北南関係を破局的な終着点に追い込んだ」と主張しています。

通信線は、互いの行動や意図を誤解するなどの原因で起こる予期せぬ軍事的対立を抑止することにつながると考えられているため、重要なものと見做されていたのですけれども、韓国国防省によれば、9日午前の軍当局間の呼び掛けに北朝鮮からの返答はなく、これは通信線が設置されて以来初めての出来事なのだそうです。

北朝鮮が「屑達の反共和国行為」と指摘したのは、5月末、脱北者団体の「自由北韓運動連合」が大型風船を使って「偽善者金正恩!」などと記された、50万枚のビラにメモリーカードを添えて飛ばしたことを指しているとみられています。

6月8日、北朝鮮は、労働党の金英哲副委員長と金与正第1副部長が会議で「対南事業を対敵活動に転換する」と強調し、段階別の対敵活動計画を審議したと伝えられていますけれども、北朝鮮は、今回の通信線遮断について、韓国との間の全ての通信手段を完全に遮断し、無益な物事を一掃するという決断の最初の一歩と報じているところを見る限り、"段階別の対敵活動計画"とやらも用意されていると見てよいかと思います。

専門家は、北朝鮮政府は今回のパンフレットの散布を利用して危機的状況を引き起こそうとしている可能性があるとし、それを利用して対話の必要性があるという雰囲気を醸成する狙いがあるのではないかとの観測もあるようです。


2.韓国侵攻を準備する北朝鮮


これを受け、6月10日、韓国統一省報道官は韓国側も10日以降、双方で通信再開に合意するまでは南北共同連絡事務所の通信回線の使用を中断すると明らかにしました。

統一省報道官は、北朝鮮が最近、韓国に対して強硬な姿勢に出ていることについて「感情的な対応」を避けるべきだとの認識を強調し、北朝鮮側の意図を慎重に見極める考えを示していますけれども、その裏で統一省は北朝鮮に土下座をしています。

10日、韓国統一省は北朝鮮に向けて金正恩朝鮮労働党委員長を批判するビラを大型風船で散布した脱北者団体について、南北交流協力法違反の疑いで、告発すると発表しました。

統一省が告発を決めたのは、脱北者の朴相学(パク・サンハク)氏が率いる「自由北韓運動連合」と、弟のジョンオ氏率いる「クンセム(大きな泉の意味)」の2団体。統一省は、「両団体は北へのビラとペットボトルの散布活動により、交流協力法が定める搬出承認規定に違反した」とその理由を説明しています。

南北交流協力法は、物品を北朝鮮へ搬出するには統一部長官の承認が必要と定めているのですけれども、これまで韓国政府は、北朝鮮へのビラ散布について「承認を受けていない物品の北への搬出」だとして問題視したことはなく、今回の告発は波紋を呼ぶとみる向きもあります。

これまで問題視してなかったビラ配布行為を突然手の平を返して告発するのですから、政治的意図ありまくりです。外交的には、「不届き者は処断するから許してくれ」とのメッセージを北朝鮮に送ったことになります。


3.武漢熱パンデミックを絶好の機会とする北朝鮮


韓国の文大統領は就任以来、ずっと北朝鮮にラブコールを送り続けているのですけれども、その悉くを北朝鮮から払いのけられています。

こうした一見、疑問を抱かせる行為は、北朝鮮が裏で盛んに工作していることを隠す陽動作戦ではないかという指摘があります。

全然関係のないところで騒ぎを起こして皆の注意を向けておいて、その隙に色々工作準備を進めるという訳です。

その意味では、武漢ウイルスのパンデミックで世界中がシッチャカメッチャカになっている今など、陰謀を画策する側からみれば願ってもない好機とも言えます。

例えば、2016年のリオ・オリンピックの年、北朝鮮は、韓国大統領府の模造庁舎で攻撃訓練を実施していますし、今年2月には、平壌北方の山間部に韓国軍本部庁舎に酷似した施設を完成させていたと産経新聞が報じています。

記事によると、この施設の敷地造成が始ったのは2018年春とのことですから、韓国が平昌冬季オリンピックで南北融和だと浮かれていた裏で、北朝鮮は韓国侵攻準備を進めていたという訳です。


4.大きな天意


ただ、こうした策略も"予期せぬ"外部要因で脆くも崩れ去ることがあります。

6月10日、評論家の石平氏がツイートしていますけれども、中国東北地方および湖南省でバッタが大発生しているそうです。

巷ではサバクトビバッタばかり注目されていたところ、全然違うところから発生した訳です。

これについて、筆者は2月20日のエントリー「養殖イナゴが中朝を揺るがす日」で「懸念されているチベットや雲南省での蝗害だけではなく、北の大穀倉地帯である黒竜江省あたりから大発生するのではないか」と述べていますけれども、図らずも的中してしまったようです。

また、件のエントリーで、筆者は、黒竜江省の蝗が食料を食いつくし、そのまま南下して北朝鮮に入ったら、今度は北朝鮮が、飢餓の脅威に苦しめられ、金正恩体制を揺るがすことに繋がる可能性がある、と指摘しましたけれども、もし、北朝鮮が韓国大統領府への急襲とか南進とかを計画していたとしても、蝗がそれを阻むかもしれないとも思ってしまいます。

中国が周辺国への侵略的傾向を顕わにし始めたタイミングで、武漢ウイルスが発生したことを考えると、何らかの大きな天意が働いているという気もしないでもありません。

ともあれ、黒竜江省や湖南省でもバッタが大発生となると、本気で食糧危機を心配する必要が出てきたように思います。

夏から秋の動向には注意が必要かと思いますね。


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