テレワークと変わる世界

今日はこの話題です。
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1.テレワークに難しさを感じる


日本労働組合総連合会は6月5~9日にかけて、4月以降にテレワークをした全国の会社員や公務員、アルバイトらを対象にインターネット調査を行い、男女1000人の回答を分析しました。

その結果、労働時間が通常勤務よりも長くなった人は男性58.4%、女性44.6%、時間外・休日労働をした人は38.1%となりました。

時間外・休日労働をした人のうち65.1%が勤務先に申告していないと回答。その理由として「申告しづらい」、「時間管理がされていない」が上位を占め、残業しても勤務先に認められなかった人は56.4%になったということです。

勤務時間管理の方法は、出退勤管理システムの打刻やパソコンの使用記録などが中心で、「管理していない」は11.5%。従業員規模が小さい会社ほど時間管理システム導入されていない傾向があり、従業員99人以下では23.5%が管理されていませんでした。

テレワークのメリットについては「通勤がないため、時間を有効利用できる」が74.6%、デメリットは「勤務時間とそれ以外の時間の区別が付けづらい」が44.9%がそれぞれ最多で、子供が家にいる人の場合、70.2%が「テレワークに難しさを感じる」と回答。特に未就学児を抱える人は86.2%が困難さを感じているという結果になっています。

まぁ、メリット・デメリットについては至極当然の回答のように思われます。


2.世界最先端 IT 国家創造宣言


武漢ウイルス蔓延このかた、テレワークが激増したのは誰しも認めるところですけれども、4月23日、「LINEリサーチ」は武漢ウイルス感染拡大による企業や人々の生活に起きている変化についての第4回調査結果を発表しています。

それによると、東京・神奈川・埼玉・千葉で、在宅勤務・テレワークを推奨または義務化している企業は2月19日の調査では9%だったのが今回4月16日の調査で53%と急増しています。

業種別では、IT関連企業のテレワーク実施率が73%で最も高く、「金融業・保険業」が58%、「学校・教育法人」「卸売業・商社」「不動産業」がそれぞれ40%以上となる一方、テレワークへの対応が難しい「医療」「福祉関連」「飲食業・飲食関係」「運輸・運送・倉庫業」では、テレワーク実施率が2割を切っています。

政府は2013年6月の「世界最先端 IT 国家創造宣言」で、テレワークを推進sることで、「2020 年には、テレワーク導入企業を 2012年度比で3倍、週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者数の10%以上にし、また、こうした取組も含めた女性の就業支援等により、第一子出産前後の女性の継続就業率を55%、25歳から44歳までの女性の就業率を73%まで高める」としていました。

武漢ウイルス蔓延直前の2月の段階で首都圏で9%と10%目標に近いところまで頑張っていたのが、幸か不幸かウイルス蔓延の御蔭で一気にテレワークが進んだことは間違いありません。


3.オフィスが消滅


一方企業にとっても、テレワークの普及は、大きな変化を齎しています。

IT企業やベンチャーを中心に、緊急事態宣言解除後もテレワークの継続に舵を切る企業も多く、その結果、本社オフィスを消滅させる動きが進んでいます。

例えば、サービス業の店舗向けに動画サービスを提供するClipLine社は、テレワーク中の社員に面談で感想を聞いたところ、「仕事が楽になった」という声が多数を占め、通勤に加えて身支度の時間が無くなるメリットがよく挙がったそうで、ClipLine社の高橋社長によると、「自宅なら好きな時間に飲食できるし、社員のリラックス度合いも違っていた……今回、『自宅の方がオフィスより快適です』と社員にはっきり言われたようなもの。引き続き働く場は分散していきたい」と、JR田町駅近くのワンフロアの事務所を解約。勤務場所は自宅にも限定せず、働き方の自由度を高めていく方針を打ち出しています。

また、AIを活用した人材マッチングサービスを手掛けるLAPRAS社も、当初テレワークを特に推奨していなかったのですけれども、武漢ウイルス対応で業務を全面リモートに切り替え、自粛解除後も見据えた勤務体制を検討するため、従業員に仕事のパフォーマンスがどう変わったか、「商談の達成数といった数字で測定できる成果」と「個人の主観的な実感」の両方について調査してみたところ、従業員は主観では仕事の成果が上がったと実感する一方、定量的な仕事のパフォーマンスはテレワーク前後で変わらない結果となったそうで、長い通勤時間を趣味や仕事の準備に当てられる、といった心理的メリットが多く挙がったそうです。

LAPRAS社は、スタートアップ企業にとって家賃の負担はとても大きい。仕事のパフォーマンスがテレワーク時も変わらないと分かったので、これらは不要なコストと判断し、約430平方メートルの本社オフィスを解約する方針とのことです。


4.従業員が集まって仕事する意味は無い


テレワーク研究の第一人者で、多くの企業の導入例を分析してきた東京工業大学環境・社会理工学院の比嘉邦彦教授は「コロナ後も日本企業は人手不足にもかかわらずイノベーション力を上げることを求められている。今までの通勤が前提だった働き方の必要性を検討すべきだ」として、オフィス契約解除などの「コスト削減効果」がテレワーク継続で有力な大義名分になると述べています。

比嘉教授は「全員が同じ時間、同じ場所にいるコスト、つまりは家賃、紙やコピー機などのリース代金といった費用は実際に計算できる。東京23区内では従業員1人当たり平均7万円というデータもある。そのコストに従来の勤務形態を維持する正当性があるかどうか、判断すべきだ。経営者も『従業員が集まって仕事する意味は無い』と気付けるのではないか」と述べています。

このように、会社がオフィスを持たなくなれば、不動産業界も大きく影響を受けることになるでしょう。その反面、たとえば、都心に仕事専用の個人オフィスを併設したマンションなどが開発・売り出されることになるかもしれません。

果たして、政府が進める「働き方改革」とやらが想定していたかどうかは、分かりませんけれども、武漢ウイルスは会社のオフィスを消滅させ、皆自宅で仕事をするという形で進んでいくのかもしれませんね。


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この記事へのコメント

  • marurin

    こんばんは、ランキングからきました。
    テレワークについて、色々な解釈がありますが、わたしは、このままのスタイルでいいな~と思っています。時代の節目だったコロナ。また次もあるのでしょうが、テレワークについては、効率的かつ無駄をはぶけてよいと思っています。参考になりました。ありがとうございました。
    2020年06月24日 18:05

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