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1.増える東京都の武漢ウイルス新規感染者
武漢ウイルス感染が続いています。
6月27日、東京都は都内で新たに60人の武漢ウイルス陽性者が確認されたと発表しました。
この日確認された陽性者60人のうち、20代と30代が45人で、全体の75%を占め、感染経路が不明な人は39人で全体の3分の2を占めています。
感染状況をチェックするモニタリング指数は、過去1週間の新規陽性者数の平均が47.7人、新規陽性者に占める感染経路不明者の割合は52.1%、週単位での陽性者の増加比が1.39と、じわりと増えています。
東京都は今月19日に一部の大規模なイベントを除きすべての業種に対して規制を全面解除したのですけれども、規制緩和とともに新規感染者の数は徐々に増加。6月に入ってからは1日平均で31.64人と、規制緩和の条件とされた1日20人という指標を上回る状態が続いています。
西村経済再生担当相は記者会見で「東京都から近県に広がってきていることを警戒をしている。首都圏各県の状況のデータマッピングを行っており、どの地域でどことの関係で、新規感染者が出ているのかや、これまで以外のクラスターがあるのかなどデータにもとづき、しっかりと分析していく」と述べる一方で、「医療体制には余裕があるので、今の時点で緊急事態宣言の再指定をするとか、心配があるというわけではない」と緊急事態宣言の再指定や、都道府県をまたいだ移動の自粛を求める必要はないという認識を示しています。
2.バラマキの東京都
今回の新規感染者の増加について感染経路が分かっているものは、夜の街関連や職場クラスターおよび家庭内感染とされています。
東京都は、今後の対策について検討はしていますけれども、これまで武漢ウイルス対策で、約1兆820億円を充てていて、財源となった財政調整基金は、3月時点のおよそ9350億円から807億円まで急減しています。
第2波、第3波が来た場合の財源が厳しいため、休業要請はできないとの見方も強く、感染防止と経済活動をどう両立してしていくのか、難しい舵取りを迫られています。
都政担当記者は「都が当時、9000億円超の内部留保を抱えていたからできたこと。首都圏の3県は追随できませんでした」と述べていますけれども、まぁ、そういうことです。
東京都は、2019年度の一般会計の収支見通しで、都税収入は、武漢ウイルスによる影響が出る前の好調な企業収益をうけて8年連続の増収で、1403億円の黒字となると発表しました。
都は、今回の黒字の一部を「財政調整基金」に積み増すとともに、今後の感染症対策の財源としても活用していきたい考えとのことですけれども、今年は武漢ウイルスの影響で税収が落ち込み支出が増えるため、短期、長期の双方から事業の見直しをすべきだなどといった意見が出ているそうですけれども、第2波、第3波が来た場合を考えると、今から一部事業の停止や見直しは必至だと思われます。
3.集団マスクの効果
6月10日、イギリスのケンブリッジ大学とグリニッジ大学はマスク着用の普及が武漢ウイルスの伝播を制御可能な水準に抑制し、外出制限との併用で感染拡大の第2波を防止できる可能性があるとする調査結果を発表しました。
研究チームは、マスクの効果を数学的モデルを使って解析。
第1のモデルでは「マスクを着用している人の割合」と「マスクの効力」のみを、第2のモデルではそれに加えて「物体表面から吸入、または手などを経由して口や粘膜から感染する武漢ウイルス」を考慮に入れて、 基本再生産数(R0)を算定することで、全人口のうち、どの程度の割合がマスクを着用すれば流行が収束するのかを求めました。
研究チームはマスクが吸着する武漢ウイルスの割合をさまざまに変化させつつ、「感染者は症状発現後にのみマスクを着用する」、「一定割合(50%、75%、100%)の人が常にマスクを着用する」という各シナリオについて、流行の変化を調べました。
その結果、「症状発現後にのみマスクを着用する」というシナリオでは、95%以上の人がマスクを着用した場合に限りR0は半分以下になると判明。
「一定割合の人が常にマスクを着用する」というシナリオでは、マスクを着用しない場合の武漢ウイルスの基本再生産数(R0)が2.2という前提では、全人口の50%がマスクを着用すれば流行は広まらず、着用しない場合のR0が4ならば75%の人がマスクを着用すれば流行は広まらないという結果が得られたということです。
また、自家製マスクのようなウイルス吸着効果が低いマスクを用いた場合でも、着用者の割合が高ければ感染率が劇的に下がるとのことで、研究チームは「常にマスクを着用することは、症状発現後にのみマスクを着用することに比べて、感染力を2倍も引き下げる効果がある」と説明しています。
ケンブリッジ大学で研究を主導したリチャード・スタット氏は、武漢ウイルスのワクチンが開発されるまでの間は、マスク着用の普及と社会的距離の確保や一部の外出制限を併用することが、パンデミック対応と経済活動の再開を両立する上での「容認できる方法」だと指摘しています。
これまでスウェーデンなどは集団免疫を着けさせようとロックダウンせずに頑張ってきたものの、期待したほどの効果が上がっていない一方、普段からマスクが普及していて、最初からマスクを着けていた日本が世界的にみて非常に感染者数が少ないというのも道理です。
集団免疫はウイルスが体内に入っても抗体によって撃退することで感染を拡大させないのに対し、マスクはウイルスをそもそも体内に入れないことで感染拡大を防ぐ方法だということです。
50%、75%がマスクをするだけで感染拡大が防げるのであれば、これはもう集団免疫ならぬ"集団マスク"が集団免疫と同じ効果を発揮するということです。
冒頭で述べた、東京都で増えている新規感染者も感染経路が分かっているのは夜の街だとか、家庭内だとか、濃厚接触かつマスクを付けていない確率が高い場所ということですから、ここの対策を徹底するのが残り少ない武漢ウイルス対策なのかもしれませんね。
この記事へのコメント
北村幽谷