アメリカの反撃と徹底抗戦する中国

今日はこの話題です。
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1.破綻した全体主義の信奉者


7月23日、アメリカのポンペオ国務長官はカリフォルニア州のニクソン大統領図書館で「共産主義の中国と自由世界の未来」と題した演説を行いました。

演説の要旨は次の通りです。
来年はキッシンジャー氏の極秘訪中から半世紀を迎え、ニクソン大統領による訪中の50周年となる2022年も近い。当時の世界は大きく異なっていた。我々は中国への関与が未来を生み出すと考えていた。しかし今日、中国共産党のせいで、われわれはまだマスクをつけている。

我々は今後数年、数十年にわたり我々を導く真実を認めなければならない。習近平国家主席が夢見る中国の世紀ではなく、自由な21世紀を手にしたいなら、中国にやみくもに関与するという古い枠組みではそれが実現しないということを……こうした枠組みを継続してはならず、そこに戻ってもならない。

アメリカ経済とアメリカ的な生活様式を守る戦略が必要だ。自由世界は新たな専制国家に打ち勝たなくてはならない。

アメリカや他の自由主義国による政策は、後退しつつあった中国の経済を復興させたが、中国政府はその国際社会の手にかみつくだけだった。中国は米国の極めて重要な知的財産や企業機密を騙し取った。

私は数週間前、ハワイ・ホノルルを訪れて中国のよう・けつち共産党政治局員と会ったが、彼らが行動を変えるとの申し出はなかった。習近平総書記は破綻した全体主義思想を心から信じている。

中国政府の行動はわれわれの国民や繁栄を脅かしている。中国を普通の国家として扱うことはできない。

アメリカはスパイ活動や知的財産の窃盗の拠点だったテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を発表した。今こそ自由主義国が行動するときだ。各国が自国の主権や経済的繁栄などをどう守るかに思いを致す必要がある。われわれは過去の過ちを繰り返してはいけない。

課題に1ヶ国で立ち向かうことはできない。国連や北大西洋条約機構、先進7ヶ国、20カ国・地域、われわれの経済や外交、軍事力を組み合わせれば十分に対処できる。民主主義国家による新たな同盟を構築するときだろう。自由世界が中国を変えなければ、共産中国が私たちを変えてしまう。中国共産党から自由を守ることは私たちの時代の使命である。
ポンペオ国務長官は、中国共産党から自由を守ることは時代の使命だとまで宣言しました。時代の転換点に立ったような感さえあります。


2.中国総領事館が匿った1人を拘束



7月24日、アメリカ政府高官は、中国軍との関係を隠して研究名目で米国ビザを不正取得した疑いで訴追した中国人4人のうち、西部サンフランシスコの中国総領事館で匿われていた1人を拘束したと明らかにしました。

この日、記者団とのブリーフィングを行ったアメリカ当局者らは、拘束に関する詳細について明らかにしなかったのですけれども、BBCによると訴追した王新被告、宋晨被告、趙凱凱被告、唐娟被告の4人の内、唐被告を除く3人はすでに逮捕されているそうですから、これが正しければ、逮捕されたのは残りの一人である唐娟(ファン・タン)被告ではないかと思われます。

更に、現地時間24日午後には、在ヒューストン中国総領事館閉鎖命令の期限が過ぎたとしてアメリカ連邦当局者らが総領事館の敷地に立ち入り、館員らが全員退去したことを確認しています。

アメリカ当局者はテキサス州の研究施設への捜査に絡み、総領事館も捜査対象になっていると記者団に説明。総領事館の中国人職員が「研究者と直接やり取りして、どのような情報を集めるべきか指示していた」と述べているそうですから、芋づる式に色んな事が明るみになるかもしれません。


3.在成都アメリカ総領事館閉鎖


7月24日、中国外務省は、四川省成都市にあるアメリカ総領事館を閉鎖するように通知したと発表しました。これは、アメリカが在ヒューストン中国総領事館の閉鎖を求めたことへの対抗措置です。

中国の汪文斌副報道局長はこの日の記者会見で「アメリカのとった理不尽な行動への正当で必要な対応だ」と述べ、成都の総領事館を選んだ理由について「アメリカの館員が中国の内政に干渉し、安全を損なう活動をした」と主張しました。

成都のアメリカ総領事館はチベットなどの情勢分析を手掛けているとされ、また四川省には核技術や宇宙開発の研究施設が集積していることから、軍事面でも情報収集をしている可能性もあります。

一方、北京の外交筋は「対米関係の悪化を懸念し、影響がさほど大きくない成都の総領事館を選んだのではないか」との見方を示しています。

汪副報道局長はアメリカのポンペオ国務長官の23日の演説に関して「事実を顧みず、白黒を逆にした言論だ」と批判する一方で「米中の合作こそが正しい選択だ。アメリカとはウィンウィンの連携になるように力を注ぐ」とも述べていますから、まだ全面対決はしたくないのでしょう。


4.経済内循環という徹底抗戦


中国はアメリカが主導する中国パージに備え始めました。

劉鶴・副首相も6月18日、上海で開催された経済フォーラム「陸家嘴論壇」の中で、「国内循環を主とした、国際と国内が相互に促進するデュアル・サイクル発展の新構造を形成している」との認識を示しました。

7月3日、共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、党中央対外連絡部の元副部長の周力氏の評論記事を掲載しました。周氏は、中国と各国の関係、特に米中関係が悪化し、対立が激化する恐れがあるとして、「外需の激減、産業チェーン・供給チェーンの寸断」や、「ドル覇権からの脱却、人民元とドルの切り離しの実現性が徐々に高まってくること」に備えるべきだと論じています。

更に、7月6日、中国金融学者の司令氏はアメリカのラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、劉鶴副首相らの発言について、「中国当局が、今までのようにアメリカからうまい汁が吸えなくなると意識しているのではないか」と指摘。世界の基軸通貨である米ドルと人民元の切り離しは非現実的だとして、中国当局に「国民の不安を払拭する狙いがある」と述べています。

それでも、これらの発言は、中国国内のインターネット上で議論を巻き起こしました。中国版ツイッターの微博では、「#経済内循環」に関する投稿が相次ぎ、「上は最近、経済内循環という新しい単語を作った。疫病の蔓延で、地球村のすべての友達を失ったので、仕方なく一人で遊ぶしかない。これがいわゆる、経済内循環だ」とか「内循環とは何か?最新の医学用語の解釈によれば、患者がしゃべれなくなり、食事も水分もとれなくなって、点滴も外された時、医者は患者の家族に対して、患者が内循環に入ったと告げるだろう」と書き込んでいます。

将棋棋士でかの名人升田幸三は、将棋にも国民性は現れると語り、中国人に将棋をやらせると、はっきり負け将棋になっても、持ち駒を次から次から自陣に打ち込んで徹底抗戦すると述べていますけれども、経済内循環を唱えだしたということは、あるいは、「自陣に持ち駒を打ち込んで徹底抗戦する」準備に入ったのかもしれませんね。


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この記事へのコメント

  • 北村幽谷

    自由主義社会に対する卑劣な侵害を拡大し続ける中国共産党への反抗を続けるには、わが国が決して経済的利益の為に中国共産党への態度を枉げてはならないことだ。
    然るに、経団連の老人らは専ら中国共産党の幹部らに諂い、阿り、媚びるばかりだ。
    われわれは意を振るって、中国共産党への反抗を与党に求めなければならない。https://eukolos.fc2.net
    2020年07月27日 02:11

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