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1.香港警察が周庭氏を保釈
8月11日、香港警察は10日に香港国家安全維持法違反の容疑で逮捕した民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏を保釈しました。
そして、翌12日には同じく香港国家安全維持法違反の容疑で逮捕した「リンゴ日報」創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏も保釈しました。
周庭氏は保釈後、記者団に「なぜ逮捕されたか分からない。これまでで最も怖かった」などと述べ、当局にパスポートを押収されたことも明らかにしました。
2.民主派の支援
周庭氏や黎智氏の逮捕については、世界中の注目を集めました。
ファイブアイズが非難の共同声明を出したことに続き、日本も菅義偉官房長官が、11日の記者会見で「重大な懸念を有している……香港はわが国にとって緊密な経済関係と人的交流を有する極めて重要なパートナーであり、一国二制度のもとに、自由で開かれた体制が維持され、民主的、安定的な発展をしていくことが重要……我が国の考え方については中国側にも外相の電話会談を含むさまざまな機会に伝達している。引き続き、関係国と連携し適切に対応していきたい」と述べました。
また、「リンゴ日報」創業者の黎智英氏についても、SNS上で支援のために購入を呼びかける書き込みが広がりました。
こうした動きをうけ、11日付の「リンゴ日報」朝刊は通常の約7万部を大きく上回る55万部を発行。売店やコンビニでは「リンゴ日報」を床に大量に積み上げ、香港の九竜地区の新聞販売コーナーでは11日未明から多くの人が行列をつくりました。
普段は新聞を読まないという若者らも次々と購入し、「リンゴ日報を応援したかった。言いたいことが自由に言える香港でなくなるのが心配だ」という声や、中にはコンビニで100部前後買い、「自由に取って閲覧してください」と書き置きをした人もいたそうです。
また、民主派が支援を呼びかけたこともあり、11日の香港株式市場では、「リンゴ日報」を発行する「壱伝媒」の株価が前週末の終値比で12倍以上に値上がりしたそうですから相当なものです。
3.中国共産党の目晦まし
周庭氏と黎智英氏の逮捕に対する世界の批判と民意の高まりにビビった訳ではないでしょうけれども、当局はこの二人をあっという間に保釈しました。
この保釈劇について、評論家の石平氏は、中国共産党の目晦ましではないかと指摘しています。
先日、アメリカのアザ―保健福祉長官が台湾を訪問しましたけれども、その前中国は、猛反発し、報復するとか息巻いていました。
そして、10日に中国軍の複数の戦闘機が台湾海峡の中間線を越える事件がありました。中国戦闘機は、台湾軍機が警告した後、台湾側の空域から離れました。
中間線を越えたのはアメリカのアザー厚生長官が台湾を訪問したことを牽制する狙いがあるとみられているのですけれども、石平氏によると、この後、中国政府の声明からは「報復」の文字が消えてたそうです。
石平氏はこれをもって、毎年、中国共産党の現役指導部や引退した長老らが集まって行われる北戴河会議で、習近平主席が吊し上げを食らい、対米強硬外交から対米降参外交に変更せざるを得なくなったのは決定的だと述べています。
ところが、このことが中国国内に知られてしまうと、今度は中国共産党への批判が高まるため、いわばガス抜きとして、周庭氏と黎智英氏の逮捕という茶番劇を演じたのではないかというのですね。
4.ヘタレた中国共産党
石平氏の分析通りだとすると、習近平主席も意外とヘタレるのが早いなという気がしないでもありません。けれども、石平氏は、今後中国共産党は、対米強硬路線を変更したことが国内に知られて共産党に向けられる批判をかわすため、その矛先を日本に向けるかもしれないと述べています。
石平氏は、その兆候として、菅官房長官が周庭氏と黎智英氏の逮捕について、「香港情勢については重大な懸念を持っている」と懸念を示した事に対し、中国・外務省の趙立堅報道官が「私達は日本側に、現実を見極め、立ち位置を修正し、いかなる形による中国への内政干渉も停止するよう促す」と強い言葉で恫喝して見せている点を指摘しています。
確かにこの指摘は当たっているかもしれません。
けれども、中国がアメリカだけにいい顔をして、周辺国、ましてやアメリカの同盟国に対して強硬路線を取るではあれば、アメリカに向けた"良い顔"の仮面の下は"狼の顔"であることを自ら証明することになります。
ポンペオ国務長官が、カリフォルニア州のニクソン大統領記念図書館での演説で中国共産党sに対し、「信頼するな、そして確かめよ」と明言したことを考えれば、こうした中国の「弱い者虐め」外交を看過するとも思えません。
それに中国が多少アメリカに宥和的姿勢を見せたところで、アメリカがそれを受け入れるかというとそれにも疑問が残ります。
というのも、アメリカは、中国が一時大人しくなることを求めているのではなく、中国共産党の解体を視野にいれていると思われるからです。
5.トランプの一貫性のある計画
7月20日、トランプ大統領の元首席戦略官のスティーブ・バノン氏はFOXニュースとのインタビューで、トランプ大統領は中国共産党に対して「一貫性のある計画」を持っていると述べています。
バノン氏は、「最初に立ち向かい、それから中国共産党を打ち負かし、彼らの虚勢を暴くという総合的な作戦を目にすることになるだろう」と、まず中国共産党と「対抗」し、次に中国共産党を「崩壊させる」という2つのステップで成り立っていると述べています。
そして、トランプ大統領の陣営が、中国共産党の脅威に対抗するため、ロバート・オブライエン国家安全保障担当大統領補佐官、クリストファー・レイ連邦捜査局(FBI)長官、マイク・ポンペオ国務長官、そしてウィリアム・バー司法長官という「四騎士」を配置していると指摘し、 「この4人は、技術や情報戦、経済戦で中国共産党と対峙するほか、同盟国とともに南シナ海で開放的な海洋秩序を構築し、中印国境紛争でインド側を支援するなど、一貫性のある包括的な戦争計画を立てている」とコメントしています。
更に、バノン氏は「私は財務長官の参戦を望んでいる……この戦争計画はすでに目の前に浮かんでいる。アメリカに侵入した中共ウイルスと同じレベルの一貫性を維持する必要がある」と述べているのですけれども、もし財務長官まで参戦するとなると、金融経済面でも中国を締め上げることが考えられます。
これらを考えると、日本は仮に、中国共産党政府がガス抜きとして、狼の牙を見せることがあったとしても、怯むことなく、日米同盟を深化させ、毅然と対応すべきだと思いますね。
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