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1.兵站を潰されたファーウェイ
米中対立が激しさを増しています。
8月17日、アメリカ商務省は「ファーウェイが制裁を迂回してアメリカの技術を入手しようとしている」としてこれまでの制裁の対象を広げ、アメリカの技術を使った外国メーカーの製品であっても半導体などの部品の提供を認めないとする追加の制裁を発表しました。
そして、更に商務省はヨーロッパや南米などにあるファーウェイの関連会社38社を新たに禁輸の対象に加えることも発表しました。
商務省当局者は会見で、「世界のどの企業であってもファーウェイのために働くならアメリカの監視の対象になる」と締めつけを強める姿勢を示しましたけれども、外国メーカーの製品であってもアメリカの技術を使っているのならファーウェイに供給できない。これはもう、取引禁止に限りなく近いといっていいのではないかと思います。
これで、ファーウェイの製品開発の"兵站"は殆ど潰されたの可能性があります。
8月17日のエントリー「尖閣の戦略的価値と中国を抑える日米同盟」で筆者はトランプ大統領はしばらくは中国の補給線を断つ戦略に出るのではないかと述べましたけれども、流石、エグいですね。
2.中国の軍事拠点を奇襲爆撃
その一方、アメリカは中国を物理で爆撃する計画を持っているという見方もあります。
ジャーナリストの加賀孝英氏によると、既にアメリカから日本に対して情報が流れているそうで、情報当局関係者から次の情報がもたらされているとしています。
1)中国は、尖閣諸島強奪のXデーを9月から11月と設定しているようだ、数百隻の漁船が尖閣に押し寄せ、中に紛れ込んだ人民解放軍の特殊部隊が上陸し、奪取する。日本側との銃撃戦も想定している。日本には「中国軍より先に、特殊部隊を尖閣に上陸させて迎え撃つ」などの極秘計画があるが、中国側に一部漏洩している。官邸関係者は、「一部メディアは、安倍首相はこの後、『夏休みに入った』と報じた。違う。何も分かっていない。今、米国から続々と深刻な情報が入ってきている。米中は開戦前夜だ。日本は存亡の危機に立たされている。休むどころか、安倍首相は日本を守るために必死だ」と述べたそうですけれども、この通りだとすると事態は結構切迫していることになります。
2)トランプ大統領は11月の大統領選前に南シナ海の奇襲爆撃を最終決断する。第1ターゲットは、中国軍の基地や滑走路がないスカボロー礁の島。中国に南シナ海からの撤退を要求し、断れば全軍事基地を破壊する。この情報を得て、中国はパニック状態だ。
3)中国は水面下で、日米当局に「尖閣諸島の奪取はしない」「南シナ海で先制攻撃はしない。全面衝突は望まない」と泣きついてきた。一方で「台湾統一は認めろ」と駆け引きを始めた。ただ、中国は信用できない。台湾と尖閣諸島への同時作戦の危険がある。
3.三ヶ所同時侵攻作戦
筆者は、「尖閣の戦略的価値と中国を抑える日米同盟」のエントリーで上述の3)のついて触れ、それゆえ、アメリカはしばらくは中国の補給線を断つ戦略に出るのではないかと述べましたけれども、加賀孝英氏は、7月23日にアメリカのポンペオ国務長官が、カリフォルニア州のニクソン大統領記念館前で行った歴史的な演説を取り上げ、アメリカによる対中開戦宣言だと述べています。
中でも気になるのは、「台湾と尖閣諸島への同時作戦の危険がある」と指摘されていることです。
台湾と尖閣諸島への同時作戦が必ずしも同時攻撃を意味する訳ではないとは思いますけれども、一つより二ヶ所同時攻撃の方がより対処が難しくなることは間違いありません。
7月31日、那覇市垣花の米陸軍那覇港湾施設内に自称中国人の男が山下交差点近くのフェンスを越えて基地内に侵入し、直後に憲兵隊に身柄を確保される事件がありましたけれども、男は「友達に会いに来た」などと供述しているようです。
言い訳にしてもあまりにお粗末で巷では中国のスパイだとの声が上がっているようですけれども。筆者もその公算は高いと思います。
沖縄本島に中国のスパイが何人紛れ込んでいるのか分かりませんけれども、なんとなれば、台湾と尖閣諸島への同時作戦だけでなく、更に沖縄本島の市中でテロをしかけようものなら、対処しきれなくなるかもしれません。
4.迎え撃つ海自特別警備隊
前述のアメリカからの情報1)では、日本は「中国軍より先に、特殊部隊を尖閣に上陸させて迎え撃つ」作戦を練っているとありますけれども、海自の元特別警備隊(SBU)の伊藤祐靖氏は「中国は領土的な野心をむき出しにしているが、日本には自衛隊の特殊部隊という『抑止力』がある。中国はそれを知っているからこそ、安易に手を出してくることはない」と述べています。
伊藤氏によると、「特殊部隊員とは、孤立した場合であっても一人で何でも出来るよう教育され、その技術を駆使し、作戦の発動から終結までのほとんどを一つの部隊で完結させることができる」存在であり、「パラシュートで洋上に降下し、そのままスキューバの特殊技術で潜水して島に近づき、隠密上陸し、その地で生存自活しながら、山地を夜間機動し、必要とあれば相手の戦闘員を殲滅、目標物に破壊工作等を行う」能力があると述べています。
それゆえに、尖閣で有事が起きた場合でも、補給の必要もなく、長距離通信能力も有し、破壊力も情報収集能力もある特殊部隊は何でも出来るとしています。
筆者には、海自の特殊部隊がそこまで凄いものであるのか、まだ分かりませんけれども、そうであれば一定の安心感があると同時に、特殊部隊で迎え撃つ計画の一部が漏洩していることに懸念を覚えます。
5.日本も放置すべきではない
8月17日、アメリカの司法省は元CIA職員のアレクサンダー・ユク・チン・マー氏を中国のスパイとして活動していた容疑で逮捕しました。
検察当局によると、マー容疑者は香港生まれでアメリカに帰化した後、1982年から7年間CIAで働いていたとのことです。
マー容疑者のスパイ活動は2001年3月、香港で外国の情報機関に機密情報を渡したことから始まりました。その後、ハワイに移住したマー容疑者は、2004年にFBIのホノルル支局に言語の専門職員として雇われ、そこでも機密書類を盗んだようです。
司法省国家安全保障部門のジョン・C・デマーズ司法次官補は、「一連の中国のスパイ活動は長年のもので、悲しいことだが、権威主義的な共産党政権を支援するために同僚や国、自由民主主義の価値を裏切った元アメリカ情報職員があちこちに散らばっている……スパイが逃げおおせたと思った直後でも、何年も後でも、こうした裏切り者を見つけ出し、法の下で裁く」と述べています。アメリカも相当喰い込まれているのかもしれません。
また、7月には、シンガポール人のジュン・ウェイ・ヨウ受刑者が、中国のスパイとして働いていたとして有罪判決を受けています。
ヨウ受刑者はシンガポール大学で博士課程にいた2015年、北京で研究発表を行った後に中国の情報機関に雇われ、アメリカで政治コンサルタントとして働くかたわら、中国の情報機関のために情報を集めていたとのことです。
このようにアメリカは中国スパイを摘発しています。
アメリカが日本に同じ事を要求してくる可能性は十分あると思います。
冒頭取り上げたジャーナリストの加賀孝英氏によると、彼の旧知のアメリカ情報当局関係者は、「日本にいる中国人スパイと、日本人協力者が機密情報を盗んで、すべてを妨害している。『安倍首相潰し』の謀略も行っている。米国は中国スパイ狩りを断行した。裏切り者だ。許すな。日本も放置すべきではない」と怒りをあらわにしていたそうです。
8月1日のエントリー「日本における中国の影響力と名指しされた親中派」で、日本の政界での親中派が名指しされていることを取り上げましたけれども、その報告書には、沖縄における中国の浸透工作も記されているようです。
今回のアメリカの対中制裁を奇禍として、日本もスパイ防止法制定を含め、国益に仇なす輩を一層することも考えるべきではないかと思いますね。
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