
1.中国大使が河野防衛相を表敬訪問
8月18日、河野防衛相は中国の孔鉉佑駐日大使と防衛省で約40分会談しました。
会談は中国側が申し入れたそうで、河野防衛相は、尖閣諸島など日本周辺の海空域や南シナ海で活動を活発化させる中国に懸念を伝達。強く行動の自制を求めました。
河野防衛相は、「懸念があるからこそ意思疎通が重要だ」と述べ。国家安全法制が導入された香港の情勢も取り上げたようです。
河野防衛相の要請に対し、孔鉉佑駐日大使がどう答えたのかは明らかになっていませんけれども、日中の防衛協力促進"では"一致した、と報じられているところをみると、尖閣や南シナ海での活動自粛要請は拒否された可能性はあると思います。
その一方、中国側から会談してくれと泣きついてきたということは何らかの下心があるのでは、と穿ってしまいます。
2.安倍総理にトランプ大統領との仲介を頼む可能性
先日、東シナ海周辺での「漁」を3か月ぶりに解禁したなか、中国政府が漁師らに対して「尖閣周辺では操業をしないよう」に指示をしたという報道がありますけれども、8月17日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演した評論家の石平氏は「7月下旬から8月上旬にかけて『北戴河会議』が行われたことによるもの……今年の北戴河会議では、習近平のやり方を良く思っていない現指導部と胡錦涛や温家宝らの長老たちが、習近平をつるし上げ、対米関係の改善を求めた。その結果、アメリカに対しては融和政策をとっていくようだ」と説明しています。
そして、日本との関係に関しては、「一つは、アメリカに対して融和政策をとる分、より高圧的な対応に出る可能性。もう一つは安倍総理にトランプ大統領との仲介を頼む可能性。従って、尖閣諸島近辺で中国漁船がどういう動きをするかは注視しなければならない」と二つの可能性を挙げています。
石平氏によると、今回の北戴河会議で特に長老達は、アメリカとの関係が徹底的に悪化すると、長老達の親族がアメリカに持っている資産・財産が凍結されてしまうことを恐れ、習近平主席に対米関係の改善を迫ったと述べ、「伝統的な外交戦略からするとはっきり言ってあり得ない話。中国というのは昔は外交上手だった。どこかの国と喧嘩するときは周辺の国と仲良くしていた。今の習近平のやり方は、みんな敵にしてしまう。だから北戴河会議では彼の外交姿勢が批判を浴びた」と話しています。
こうした背景があるのだとすると、中国の孔鉉佑駐日大使が急遽、河野防衛相との会談を要請したのも、或いは、トランプ大統領への仲介の可能性を探りに来たのかもしれません。
3.安倍総理健康不安説の裏側
ここ数日、オールドメディアでは、安倍総理の健康不安説が殊更に報道されています。
8月17日、安倍総理は都内の慶応義塾大学病院を訪れ、日帰り検診を受診しましたけれども、マスコミはすわ辞任かとか、解散かとか一時騒然となったようです。
それ以前にも吐血したのだの何だの、憶測報道が流れていました。挙句の果てには、歩くスピードが遅くなったなどと、激しくどうでもいい事を流すなど、虐めというか、安倍総理を引きずり降ろすための印象操作工作ではないかと目を疑うものさえありました。
これについて、自民の青山繁晴参院議員は、自身のブログで「安倍総理の日帰り検診は、『世論戦』、『心理戦』という工作に今、利用されていると、わたしは考えています。その作戦に事実上乗っかる、日本の親中派に対峙して、わたしたちは護る会 ( 日本の尊厳と国益を護る会 ) を軸に淡々と粘り強く戦っていきます」と指摘する一方、安倍総理が新たにインドとの事実上の軍事連携、日印米豪による4か国対中同盟を決断した、と明らかにしました。
青山議員によると、安倍総理は9月の早い時期にインドのモディ首相と日印首脳会談を行うそうで、その肝はACSA (アクサ) の締結を基本合意することだと述べています。
ACSAとは、自衛隊と他国との間で物資や役務を融通しあうための協定のことで、食料、燃料、弾薬、輸送、医療などを相互に提供できるようにするものです。
日本はすでにアメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、フランスとの間でACSAを締結しています。
インドとは2018年からACSA締結に向けた交渉を開始していました。
此処に来て、日印ACSA締結の話が出てきたということは、相当な部分話がついているということなのだと思われます。
4.四ヶ国対中同盟
日印ACSA締結および日印米豪による4ヶ国対中同盟については、インドでも報じられています。
8月17日、インドの「hindustantimes」は「来月の日印首脳会談で、モディと安倍首相は主要な軍事協定を承認する」と題した記事で、「両首脳はまた、重要な軍事ロジスティクス協定である買収と相互整備協定(ACSA)を承認し、一部の日本の製造部門がインドにシフトする可能性について話し合うことが期待されている……両首脳は、ラダックと南シナ海における中国の侵略について議論するだけでなく、インド、日本、オーストラリア、アメリカの4ヶ国連合の概念も強化する」と報じています。
更に、今年後半には、オーストラリアを海軍軍事演習に招待し、インド、日本、アメリカを含めた始めての演習を行うようです。
先述の青山繁晴参院議員は地政学的に、中国を挟む形となる日本とインドでACSAを締結することは画期的であり、中国のショックは、はかりしれないとし、更にそこに日印米豪4ヶ国同盟が組まれる戦略的な意義はとても大きくなると述べています。
青山繁晴参院議員は、中国の妨害を避ける意味から9月の日印首脳会談について詳細は述べないとブログで語っていますけれども、既に「中国の妨害」を想定している時点で、中国の裏工作が政界含め幅広く行われていることが窺えます。
ネットの一部では、マスコミによる安倍総理叩きや健康不安説などは中国の工作ではないかという見方もあるようですけれども、確かに中国にしてみれば、安倍総理は煙たい存在なのだと思います。
仮に中国がそのような工作をしているとするならば、中国は表で河野防衛相に会談を持ちかけた裏で安倍総理の引きずり降ろしを画策していることになります。
目的達成の為には、手段を選ばない相手を封じ込める為にも、日印ACSA締結と日印米豪4ケ国対中同盟は是非とも実現していただきたいと思いますね。
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