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1.菅新総裁の党役員人事
9月15日、自民党の菅総裁は党の役員人事を行いました。
幹事長と国対委員長には、二階幹事長と森山国会対策委員長をそれぞれ続投させ、総務会長に佐藤勉氏、政務調査会長に下村博文氏、選挙対策委員長に山口泰明氏を起用。
幹事長代行に野田聖子氏、広報本部長に丸川珠代氏、組織運動本部長に小野寺五典氏となり、党の4役ら役員の人事は、午後の党臨時総務会で了承されました。
人事について、菅総裁は派閥からの推薦は受け付けないと述べ、実際、菅氏周辺によると「菅氏はほぼ一人で人事構想を練っている」ということだったのですけれども、佐藤勉総務会長は麻生派、下村博文政調会長は細田派、山口泰明選対委員長は竹下派で、再任された森山裕国対委員長は石原派です。
蓋を開けてみれば、菅総裁を支持した主要5派からの派閥均衡人事となりました。
5派以外では、無派閥の野田聖子氏が幹事長代行に就く一方で、総裁選に立候補した岸田派、石破派からの起用は見送られました。
続投となった二階幹事長は記者会見で、5派が主要ポストを分け合ったことについて「論功行賞で仕事や役割をもらうことは全くない……党内の小競り合いは絶対に生じてはならず、そういうことを見過ごさないよう努力していく」と強調しました。
まぁ、自身が派閥を持たない菅総裁は党内基盤が弱いですから、党や国会運営を考えると、どうしたって各派閥から協力を得なければなりません。
それを考えると党人事は必然というか妥当なところになったかと思います。
2.国民のため働く内閣
一方、菅総裁のカラーが少し出ていると思われるのが閣僚人事です。
注目された官房長官には加藤勝信厚生労働大臣。副総理と財務大臣には麻生太郎副総理兼財務大臣が再任。更に茂木外相と萩生田文科相、梶山経産相、小泉環境相、橋本東京オリパラ担当相、西村康稔経済再生担当相と赤羽国交相の8人はそのまま再任です。
また、武田良太国家公安委員長は総務大臣、河野防衛相は行革担当相に横滑り。更に、上川陽子元法務相と田村憲久元厚労相、小此木八郎元国家公安委員長は、同じポストで再登板。デジタル担当大臣には平井卓也元IT担当大臣が再入閣となります。
初入閣するのは、農林水産相に野上浩太郎元官房副長官、防衛相に岸信夫元外務副大臣。復興相には平沢勝栄元内閣府副大臣、一億総活躍担当相に坂本哲志元総務副大臣、そして、新設される万博担当大臣には井上信治元環境副大臣が起用される見込みです。
安倍内閣からの再任が多く手堅いと思われる人事である反面、ちょっと意外に思ったのが河野防衛相の行革担当相の起用です。防衛相という重要閣僚と比べると一見格落ちになった感は否めません。
これについて、政治評論家の田崎史郎氏は、菅総裁に取材し、行革の為に河野氏の突破力に期待しているという答えを得たとコメントしています。
確かに河野氏のツイッターでの発言など、その発信力には定評がありますからね。
菅総裁がそれほど評価している河野氏を行革担当相に持ってきた。
これについて、筆者は、菅総裁が行革には「国民の後押し」が必要だと考えているのではないかという気がします。逆にいえば、それだけ改革には官僚、省庁の抵抗が激しいと思っているということではないかと思います。
菅総裁は内閣について「国民のため働く内閣を作る」と述べていましたけれども、菅政権が「国民のために働く」為には、国民が菅総理を支持するという必須条件があるのではないかと思いますね。
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