
1.国民の皆さま、8年近くにわたり、本当にありがとうございました
9月14日、安倍総理(当時)は内閣総辞職にあたっての総理大臣談話を出しました。
談話の中で安倍前総理は、「この8年近く、内政、外交の諸課題に全力でチャレンジしてきた。残された課題も残念ながら多々あるが、達成できたことや実現できたこともある……東北の復興なくして日本の再生なし。その思いで東日本大震災からの復興に全力で取り組んできた。20年近く続いたデフレに『三本の矢』で挑み、400万人を超える雇用をつくり出した。成長の果実をいかし、保育の拡充、教育無償化を実行した」と述べました。
また、「外交・安全保障では、集団的自衛権に係る平和安全法制を制定し、助け合える同盟はかつてなく強固なものとなった。積極的平和主義の旗のもと、『自由で開かれたインド太平洋』の実現に取り組んだ。TPP、EUとのEPA、日米貿易協定が成立し、自由で公正な経済圏を世界へと広げるため、主導的な役割を果たしてきた……すべては国政選挙のたびに力強い信任を与えてくださった国民の皆さまのおかげだ。大変厳しい時にも、至らない私を、変わることなく応援してくださったすべての皆さまに感謝申し上げる」とした上で、「どうか、次なる内閣、新総理に対しても、国民の皆さまのご理解とご支援を心よりお願いする。私も、一議員として、新体制を支えていく。引き続き、日本の未来のため、全力を尽くしたい。国民の皆さま、8年近くにわたり、本当にありがとうございました」と結びました。
安倍前総理の連続在任日数は2822日、第1次政権との通算は3188日でいずれも歴代最長。一国民として長きに渡り日本を引っ張ってきた安倍前総理に感謝申しあげたいと思います。
16日、安倍前総理は菅内閣の発足を前に官邸をあとにしたのですけれども、官邸の幹部や職員など、およそ200人が見送りに集まりました。安倍前総理は職員から花束を受け取ると笑顔で一礼。両手を上げて見送りに応え、拍手に送られて官邸を後にしました。
2.俺は作るほう、壊すのは河野
安倍前総理の後を受けた16日に首班指名を受けた菅新総理の下、菅内閣が発足しました。
菅総理は、15日に行われた党臨時総務会で、新内閣について「役所の縦割り、既得権益、悪しき前例主義を打破して規制改革を進め、国民のために働く内閣をつくっていきたい」と行政改革に取り組む意欲を見せていますけれども、行政改革・規制改革担当相に河野太郎氏を起用しました。
菅総理は周囲に「河野には、俺がやりたいことをやってもらおうと思う……俺はつくるほうだから、壊すのは河野にやってもらう」と語り、河野氏本人には「目玉だから、しっかりやれ!」と激励したそうです。
3.こんなものさっさとやめたらいい
菅総理の激を受けた河野行革担当相は早速、会見で気炎を上げています。
17日未明、河野行革担当相は首相官邸で就任会見を行いました。
16日の組閣で会見が17日と、深夜になったのは、初閣議が開かれた後、午後10時50分頃から加藤勝信官房長官の会見が始まり、続いて、菅内閣で就任した閣僚20人が順番に会見した為です。
河野行革担当相の出番は15番目で、会見が始まったのは翌17日午前1時頃になったのですけれども、河野行革担当相は、この新内閣が発足した際、各閣僚が深夜に及ぶまで順番に首相官邸で会見を行う慣例について「延々とここでやるっていうのは前例主義、既得権、権威主義の最たるものだ……この会見も各省に大臣が散って行えば、もういまごろみんな終わって寝ている。こんなものさっさとやめたらいいと思う」と会見のあり方を「前例主義」として批判しました。
実際、一部閣僚は官邸での記者会見終了後、担当省庁に移動して改めて記者会見を行っていますから、話す内容が同じであれば、無駄と言えば無駄です。
この発言について、ネットでは「正論だ」とか「記者の都合に議員が合わせてんでしょこれ」とか、マスコミの特権に批判的な声が並んでいます。
筆者は、河野行革担当相なら或いは既得権益の悪評高い記者クラブにもメスを入れるのではないかと期待してしまうのですけれども、それら含めて、省庁やマスコミの抵抗を押しのけるためにも、昨日のエントリーで述べたように、国民の後押しが、やはり必要になると思えてなりません。
河野行革担当相が壊し、菅総理が作る。菅政権の手腕に期待したいと思います。
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