
1.内閣支持率下落
朝日新聞が10月17、18日の両日に掛けて行った全国電話世論調査で菅内閣の支持率は53%と発足直後の前回9月調査の65%から12ポイント下がり、不支持率は9ポイント上がって22%でした。
日本学術会議が推薦した学者の一部を、菅総理が任命しなかったことについては「妥当だ」が31%、「妥当ではない」は36%。「その他・答えない」が33%で、任命しなかった理由について、菅総理の説明を「十分だ」と答えたのは15%。「十分ではない」とする回答は63%に上りました。
この結果について、ある閣僚経験者は「学術会議の問題は効いている。『人事で脅す』という姿勢が怖がられたのではないか」と述べ、首相官邸の幹部は「どこまで説明しても『十分』とはなりにくい。支持率が高いにこしたことはないが、仕方ない」と語っています。
その一方、別の閣僚経験者の「最初の支持率が高すぎた。50%あればまだまだ大丈夫」という声もあります。
加藤勝信官房長官は記者会見で、任命除外の政府の対応が内閣支持率に波及しているのではないかと問われ、「世論調査を分析する立場ではない」と回答を避けました。

2.若年層は微減
この結果に朝日は「政権失速、任命除外の影 支持率10ポイント超下落」とか「内閣支持率、大幅に下落 政権内からは『まだ大丈夫』」とか、2001年以降の9政権で、発足直後と翌月では2番目の下落幅だと嬉しそうに報じています。
まるで、支持率下落は日本学術会議の任命拒否のせいだと言わんばかりです。
けれども、その"大幅に下落"というのも年代別で見れば様相が変わってきます。
29歳以下では、支持は64%から58%、30-39歳の支持は63%から61%、40-49歳の支持は66%から57%、50-59歳の支持は68%から55%、60-69%の支持は64%から46%、70歳以上は64%から47%と、若年層、30代以下では殆ど下落していません。
この傾向は他社の世論調査でも同じで、読売新聞が16~18日に実施した全国世論調査では、菅内閣の全体の支持率は67%と、前回9月の74%から7ポイント低下したものの、年代別では、18~39歳は78%と前回の76%から2ポイント上昇。その一方、40~59歳は68%と前回74%から6ポイント下落。60歳以上では58%と前回74%から16ポイント下落しています。
若年層と高齢層とで支持率の推移は全然異なっています。
3.テレビ視聴しながらネットも使う
若年層のテレビ離れは指摘されて久しいですけれども、だからといって若年層が全く情報を取っていない訳ではありません。
総務省の令和元年版情報通信白書では、2000年から2015年のテレビ視聴時間の推移は60代では横ばい傾向にあるものの、50代以下は減少傾向にあり、特に10代及び20代の減少が著しいと指摘しています。
その一方、インターネットの利用時間の推移は、10代と20代で、2015年には1日あたり100分以上利用するようになり、テレビ視聴時間と逆転していると報告しています。

この報告で筆者が注目しているのは、テレビを見る高齢者層とネットを見る若年層という具合に、情報収集の分断が起きているということでは必ずしもなく、テレビを視聴しながらネットを利用する"並行利用"の動きもあると報告されていることです。
2015年度で見ると、全年代でテレビ視聴は85%、ネット利用が74%に対して、両方の並行利用は35%となっていて、20代では並行利用の割合が45%にまで高まります。
菅内閣支持率の下落率が若年層で殆ど見られないというのは、無論、ネット利用が影響していると思われますけれども、これは、ネット上の言論と、テレビの論調がかなり違っていることを示唆してします。
そして、若年層でも、テレビ視聴しながらネットも使うと並行利用の割合もそれなりに多いにも関わらず、テレビの論調に流されず、支持率に大きな下落がないというのは、異なる論調を見た上で判断してそうなっているということですね。

4.日本で始まる静かな革命
昨今は、テレビのニュースでもおかしなグラフを載せて、ネットで炎上するというケースが後を絶ちません。つい最近でもテレ朝の「報道ステーション」が「日本学術会議のあり方」についての調査報告で、画面に表示したテロップをグラフのようなイメージで調査結果を表示し、しかも「見直すべきだと思わない 16%」のほうが人数が多いかのようなデザインにしたことで、ネットから「偏向報道だ」「印象操作だ」と猛烈にバッシングされています。

筆者も、これをツイッターで見たとき、思わず「本気か?」とリツイートしてしまったのですけれども、酷いにも程があります。
ロイタージャーナリズム研究所は、世界各国のメディア状況を調査報告するデジタルニュースリポート2019年版で「ニュースメディアは権力を監視しているか」と各国の市民とジャーナリストに聞いたところ、監視していると答えた市民が最も少なく、ジャーナリストが最も多かった国は日本だったと報告しています。

そのリポートによると、権力を監視していると考えている日本のジャーナリストは91%もいるのに対して、監視していると考えている日本の市民はたった17%にしか過ぎません。
大統領選で、トランプ叩き、バイデン上げが激しいアメリカでさえ、権力を監視していると思う市民は45%もいることを考えると、日本国民に対するマスコミの信頼の無さは特筆に値します。
もっとも、そのアメリカとて、右派と左派でかなり乖離があり、ニュースメディアを信頼する右派はわずか9%。これに対して左派は53%となっています。

ネットの恩恵を受ける人とそうでない人との情報格差、所謂「ディジタル・ディバイド」が指摘されて等しいですけれども、何のことはない、日本で分断しているのは、ジャーナリストと一般国民の認識だったということです。
このようなマスコミと一般国民との認識の乖離は、時にネットでの炎上、バッシングとなって表面化します。
一般国民がマスコミは権力を監視などしていないと思っているのですから、畢竟、彼らの報道には懐疑的な見方を多くしていることになります。そんなところに、先に述べた「日本学術会議のあり方」についての調査報告のテロップのように、ミスリードを誘うような報道をしようものなら、あっという間に火がついて大炎上です。
マスコミが日本学術会議任命拒否問題で、一生懸命、菅政権を叩いているにも関わらず。若年層の菅政権支持が落ちないのは、それだけマスコミの影響力が落ちているということを示しています。
これはある意味、「世論形勢における革命」が起きているのではないかとも思うのですね。つまり、これまで世論をある程度操作、コントロールしてきたという「マスコミの権力」が一般国民、特に若年層の意識、ネット世論によって、倒されるという革命です。
これがリアルタイムで起きている。
「報道しない自由」だとか「印象操作」だとか「偏向報道」などとネットで叩かれるマスコミが、その権力の座から引きずり降ろされる日は、そう遠くないのではないかと思いますね。
この記事へのコメント
俺が昨日他所のサイト(テレビがやらないニュース第9位)に書き込んだ「トルコの革命の主導者引き渡し問題が~」のまんまじゃねえか。
お前のやってる事は左巻きのテロリストがやってる事と同じだよ。
陰湿さじゃお前の方が数段上だぜ変態管理人。
今日で何度目だよお前の異常行動は。
頭のお医者さん紹介しようか?陰湿な変態は頭の病気らしいぜw
陰湿な変態な。
日比野
そんなに仰りたいことがあるのなら、御自身のブログなり掲示板なりでお好きなだけ主張なされては如何ですか?
こちらは貴方のご期待に添えるブログではないようです。
イエローカードです。
以降、類似の書き込みがあれば、見つけ次第削除します。
さようなら。