
1.追加経済対策法案に一転署名
12月27日、アメリカのトランプ大統領は、連邦議会上下両院が可決した9000億ドル(約93兆円)規模の中共ウイルス追加経済支援法案と、1兆4000億ドル(約144兆7000億円)規模の2021会計年度歳出法案に署名しました。
この中共ウイルス追加経済支援法案は、議会協議が数ヶ月紛糾した末に21日にようやく可決していたもので、収入が7万5000ドル(約775万円)までの個人、あるいは15万ドル(約1550万円)までの夫婦を対象に、1人あたり600ドルを直接給付することが盛り込まれています。
当初、トランプ大統領は給付額を2000ドル(約21万円)に引き上げたいとし、法案への署名を拒否していました。
この法案は2021年度予算案と一体化しているのですけれども、トランプ大統領が法案に署名しなかったことで、失業給付の特例措置が失効するとか、政府機関の一部が29日から閉鎖することになると危惧されていました。
それがトランプ大統領が一転承認したことでそれらは回避されました。
2.無駄で必要のない部分を削除
これだけ聞くといかにもトランプ大統領が我儘で署名しなかったようにも聞こえるのですけれども、別にトランプ大統領は無茶を言っていた訳ではありません。
この法案について。トランプ大統領は「これは新型コロナウイルス支援策と銘打っているが、COVID-19とはほとんど無関係だ……この支援策にはカンボジアに8550万ドル、ビルマに1億3400万ドル、エジプトとその軍隊に13億ドル、これはほとんど丸ごとロシア製の兵器購入に使われるだろう、それからパキスタンの民主化・ジェンダープログラムに2500万ドル、さらにベリーズ、コスタリア、エルサルバトル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマに合わせて5億500万ドルが振り向けられている」と指摘しました。
そして、トランプ大統領は、なぜ首都ワシントンの芸術施設ケネディー・センターが開館していないにも関わらず4000万ドルを受け取り、その他の美術館や博物館にも10億ドル以上があてがわれるのかと疑問を呈し、議会は外国やロビイスト、特別な権益には多額の金を出す一方で、それを必要とするアメリカ人には最低限しか送らない。アメリカ人のせいじゃない。中国のせいだ」と批判しました。
要するに、トランプ大統領は支援策から「無駄で必要のない部分を削除」するよう要求しただけなのですね。
3.条件付き署名
マスコミの一部はトランプ大統領が一転して法案に署名したのかその理由は明らかになってないとか、議会の与野党から法案を成立させるよう圧力が高まっていたとか、批判が高まるのを警戒したとか、まるで圧力に負けて日和ったかのように報じていますけれども、ホワイトハウスのジャッド・ディア副報道官はトランプ大統領の署名は条件付きだとツイートしています。
その条件とは次の通りです。
・議会が通信品位法230条を見直すことを約束した
・連邦下院と上院は、11月3日の大統領選挙での不正投票に関し本格的な調査を行う
これ以外にも、予算の無駄な部分は大統領が何時でも削れるという条件もあると言われています。
こんな条件を付けた上での署名なのであれば、トランプ大統領が法案に署名したのは思いっきり理由があってのことであるし、圧力に負けるどころか逆に議会を押し切って十分に勝利したのではないかと思います。
通信品位法230条を見直しも不正投票の調査も来年1月6日の選挙人投票の開票や1月20日の大統領就任式までに間に合わないと思いますけれども、トランプ大統領は結果はどうあれその後まで見据えてやるべきことをやっているという印象を受けます。
それでも上下院に不正選挙の調査をさせるとの約束を取りつけた意味は大きく、遠からず、やはり不正はあったのだという結論が出るのではないかと思います。
そうなれば、万が一、バイデン氏が大統領になったとしても、彼は不正によって大統領になったのだということになりますから、最初から求心力は失われています。それで大統領を務めるのは中々大変です。
しかも、不正をしたと結論づけるのが連邦上下院ともなれば、法案一つ通すのも苦労するのではないかと思います。
それを考えるとトランプ大統領は先を見通して必要な手を打っている。やはりバイデン氏とは役者が違うということではないかと思いますね。
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