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1.首都圏4知事が緊急事態宣言を要請
1月2日、首都圏の1都3県は、武漢ウイルス急拡大を受け、政府に緊急事態宣言を出すよう要請しました。
この日、東京都の小池百合子知事、埼玉県の大野元裕知事、千葉県の森田健作知事、神奈川県の黒岩祐治知事は西村経済再生担当相と会って宣言の発出を求めました。
4知事と西村経済再生担当相との会談は3時間半に及び、会談後、西村経済再生担当相は「緊急事態宣言の発出も視野に入るような危機的な状況になっていること、こうした危機感を共有した」と述べ、判断は専門家の意見を聞く必要があるとした上で「新年できるだけ早いタイミングで分科会を開かないといけないと思っている」と語りました。
首都圏4都県の知事が政府に緊急事態宣言を要請したことに対し、菅総理は「緊急事態宣言の前にやれることはまだまだある」と発言し、政府として緊急事態宣言の発令に慎重な姿勢を見せています。
果たしてどこまでが早いタイミングなのか分かりませんけれども、休日を除けば、週明けの4日からその動きがある可能性は否定できません。
2.全国自費検査の都内集計
テレビやマスコミは毎日、新規陽性者数を報じ、報じるたびに過去最多を更新したと報じていますけれども、その中身には殆ど触れません。
PCR検査で陽性反応が出ても、そのうちの2~3割は無症状者となっているのですけれども、これは、GoToキャンペーンの旅行パックにPCR検査が含まれてることや、自費でPCR検査を受ける人が多くなった結果、無症状のウイルス保有者が顕在化してきたと見られています。
昨年7月、厚生労働省が唾液によるPCR検査について、無症状者でもその有効性を認めて以降、希望者が自己採取した検体を郵送で医療機関に送って検査してもらう事例が増えています。
この種の自主検査は、検査を受付できるだけの体制が充実している医療機関が都内に多くあることから必然的に都内の医療機関に集中する傾向にあります。ところが、検査で陽性となった場合、法律上、都内の保健所に報告されるため、都外の陽性者であっても、都の陽性者としてカウントされてしまうのだそうです。
昨年10月中旬に発生した千葉県船橋市の物流倉庫会社のクラスターでは、感染者約100人のうち27人が、都内医療機関での自主検査で陽性と判明。10月26日には、うち9人が都の発表分に含まれ、都の発生患者は102人と発表されました。同様の都外陽性判定事例の計上は大阪府から10件ほど、遠方では青森、沖縄県などからもあったそうです。
更に、自費検査で陽性になった場合、保健所に報告されるのですけれども、その数はあくまでも陽性者数のみであり陰性の検査数は母数に加えないようになっているらしく、結果、PCR検査数に対する陽性率は、実際より高い数字になってしまう現象がおきているのだそうです。
3.厳しい設定のCt値
また、PCR検査の感度の問題もあります。
昨年12月28日のエントリー「武漢コロナ変異ウイルスとPCR検査」でも述べましたけれども、日本のPCR検出感度は高めに設定されていて、不必要に陽性判定しているのではないかという指摘があります。
PCR検査は、唾液中あるいは鼻腔口腔内にいるウィルスの遺伝子の特定の断片を取り出し、それを倍々に増幅させてから判定する検査です。倍々する回数のことをCt値(threshold cycle)というのですけれども、この数が小さいのに陽性となればウィルス量は多く、Ct値が大きくしないと陽性にならないのは元々のウイルス量が少ないことを示します。
要するに、Ct値を高く設定すると、微量のウィルス量でも陽性判定されてしまうのですけれども、問題はこのCt値の適正値が定まっていないということです。
現在、日本の国立感染症研究所の武漢ウイルスの検査マニュアルでは、Ct値が40以内でウイルスが検出されれば陽性と定めています。
日本感染症学会は感染者408人のデータから発症後日数とCt値の関連を報告していますけれども、それによると、発症直後のCt値の平均は20前後と低い値で陽性になるものの、日数経過と共にCt値も徐々に高くなり、発症9日目にはCt値の平均は約30.1になります。
ところが、ウィルスが培養されて陽性になるのは、発症8日目までで、抗体値は発症5日目から上昇し、発症8日目には約80%の人が抗体陽性となり、その後はウィルスの分離は見られなくなると報告されています。
また、イギリスのオックスフォード大学の研究チームはPCR検査が死んだウイルスの残骸を検出している可能性があるとし、イギリスの別の研究でも、Ct値が25より小さい陽性者の85%以上は他人に感染力があるウイルスが培養できたものの、35を超えると8.3%しか培養できなかったとの結果も報告されているようです。
これらを見ると、武漢ウイルスのPCR検査でも、Ct値が30~35以上の領域では殆ど感染力を失っていると見てもよいのではないかという気もします。
実際、他国のCt値を見ると台湾では35未満、中国でも37~40で再検査を推奨となっていてCt値の適正値は30~35くらいではとの批判意見も出ています。ある日本の感染症専門医は、Ct値は34くらいが目安ではとの意見も出ているそうです。
マスコミは連日、新規感染者が過去最多を更新云々と騒いでいますけれども、これら自主検査体制の見直しやCt値の再設定を行うだけで見かけ上の新規陽性者数はぐっと減らすことができると思いますし、少なくとも感染力が殆どないと思われる人の数はカットできるようにしてもよいのではないかと思います。
4.ワクチン接種と東京オリンピック
ネットではこうした検査体制や厳しいCt値の設定について、今後、国民の多くがワクチン接種したタイミングで見直しを行って、見かけ上の新規感染者を減らし、ワクチンが有効であるということにするのではないかという意見もあります。
なるほど、確かにその可能性は否定できません。けれども、もし、政府が意図してそのようにするのであれば、そこには何らかの狙いがある筈です。その狙いはなにか。
大きく考えられるのは2つあります。
一つはワクチンを全国民に接種させることですし、もう一つは武漢ウイルスが収束したことにして経済活動をもとに戻したい、ということです。
前者については、本当にワクチンが有効であれば、それはそれで国としてやるべき施策ではあると思いますけれども、変異種の発生っや、副作用が報告されていることを考えると、筆者個人的には、急いでワクチン接種をすべきだとは思っていません。
また、後者についてですけれども、経済活動をもとに戻したいというのは綺麗な言い方で、もっと生々しくいえば、東京オリンピックを行うためということではないかと見ています。
東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗元総理は、日刊スポーツの新春インタビューに応じ、東京オリンピック開催について「中止にはできない」と断言し、政府から無観客の指示が下ったとしても「工夫してやるべきだ」と語っています。
経済波及効果を期待して、開催に向けてすでに巨額の資金を使ってしまっている中で、中止となれば、総額3兆円を超す資金がパーになるどころか、その先には不況の二文字が待ち構えています。
当初、東京オリンピックで、4000万人が日本を訪れ、消費額は8兆円に達するという試算をしていた政府にしてみれば、何が何でもやりたいところでしょう。
もしそうした青写真があるとすれば、その時期はワクチンの接種が開始されるとしている今年春頃から1ヶ月程度あと、5月6月くらいに、こっそりか大っぴらか分かりませんけれども、Ct値と郵送検査の見直しを行って見かけの新規感染者をへらしてみせて、武漢ウイルスは収束したから東京オリンピックは開催する、という具合にもっていくことは考えられます。
あるいは、逼迫する医療体制からの要求を受け、もっと早く見直しを行う可能性もあるかもしれませんね。
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