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1.世界の政治家
3月22日、アメリカのアピール・オブ・コンサイエンス財団が今年の「世界の政治家」に安倍前総理を選出し、授賞式を行いました。
この財団は、自由、民主主義、人権が、世界の国々に平和、安全、繁栄の共有への最善の希望を与える基本的価値観であるとし、相互理解、平和、宗教間協力を促進することを目的とし、毎年、多民族社会における平和的共存と相互受容を支持する指導者を称える「世界政治家賞」を発表しています。
過去の世界政治家賞の受賞者には、英国のデービッド・キャメロン氏、インドネシアのスシロ・ユドヨノ氏、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド氏などです。財団は1月4日に今年の受賞者として安倍前総理を選出を発表して
安倍前総理の受賞について財団は「自由民主、人権、法の支配など普遍的な価値の促進は地域的および世界的な平和と繁栄を達成するために不可欠であることを一貫して強調した」とその理由を説明しています。
受賞にあたり安倍前総理はビデオメッセージを寄せ、「平和と繁栄を実現すべく引き続き貢献していくことが重要だとの決意を新たにした」などと述べました。
また、安倍前総理は26日付のフェイスブックで、受賞について、アメリカのバイデン大統領から「世界中で協力の進展を助けてきた安倍氏の思いやりのある働きに対して表彰が行われることに、心からお祝いを申し上げる……世界中における安倍氏の意義深い貢献、そして安倍氏自身による長年にわたる日米同盟のかじ取りに御礼申し上げる」との祝電が寄せられたことを明らかにしています。
安倍前総理の世界的評価は高いですね。
2.自衛隊は憲法違反に終止符を
3月27日、安倍前総理は、自民新潟県連が新潟市中央区のホテルで開いた政治資金パーティー「政経文化セミナー」で講演しました。
講演で安倍前総理は、第二次安倍政権の実績として、景気回復や雇用の改善などを挙げ、トランプ前大統領とのエピソードなどを披露しながら、外交の成果もアピール。その一方で「憲法改正を達成することはできなかった。残念な思いだ……今なお自衛隊の多くは命がけのスクランブル(緊急発進)のために飛んでいる……自衛隊は憲法違反という立て看板が立てられている。その状況に終止符を打つことが私たちの責任だ」と早期の憲法改正が必要との考えを改めて強調しています。
そして、中国の軍事力台頭や東・南シナ海での一方的な現状変更の試みに言及し、「インド太平洋地域がフロントラインになってきたとの認識と覚悟を持ち、外交・安全保障政策に取り組む必要がある」と述べ、4月上旬に菅総理がバイデン大統領との首脳会談を調整していることについて「アメリカの外交・安保戦略上の重要地域がインド太平洋に移った。日米安全保障条約が本当に重要になってきた」と述べています。
アメリカの外交・安保戦略上の重要地域がインド太平洋に移ったということは、これまでの中東かそれ以上にインド太平洋が重要になったということですし、ここが最前線になったということは日本が戦場になってもおかしくないということです。
3.日米は中国との戦争に備えよ
ここのところ、台湾有事が近いのではないかとの声があちこちで上がっていますけれども、日本はおろかアメリカも台湾有事のプランを持っていないという指摘があります。
地政学者の奥山真司氏によると、アメリカのランド研究所のジェフリー・ホーナン研究員が台湾有事について、日米ともに準備が出来ていないと指摘していると述べています。
こちらにホーナン氏の「THE UNITED STATES AND JAPAN SHOULD PREPARE FOR WAR WITH CHINA」という記事があるのですけれども、ホーナン氏はここで以下の3点について警告しています。
・第一に、適切な法的権限の確保である。日本が自国の防衛に限定したとしても、平時から紛争へと迅速に移行するためには、同盟国は日本の政治的なタイムラインと米国の作戦タイムラインが同期するようにする必要がある。例えば、自衛隊に武力行使を認めるためには、日本の首相が日本の生存を脅かすような状況を定義する必要がある。その上で、武力行使を伴う米国の作戦を支援する役割について議論することができる。米国が日本にどのような作戦支援を求めるかが明確であれば、東京は平時から必要な法的・政治的枠組みを準備し、敵対行為の勃発時に迅速に承認を得ることができるホーナン氏は以上の点を挙げた上で、「バイデン政権がこれらの問題にすぐに対処できるとは誰も思っていない」とし、「より重要な問題は、同盟国が地域的な有事の際に、日本の離島の近くでも戦える能力を持っているかどうかだ。今後は、同盟国が陥りがちな広範な戦略的イニシアチブのみに焦点を当てるのではなく、敵対行為が発生した場合に同盟国が戦い、勝利するための準備として、同盟国の戦闘面を強化する努力を行うべきだ」と締め括っています。
・いかなる作戦においても、日本の役割が後方支援に限定されているとしても、同盟国は同じ見解を持つ必要がある。そのためには、台湾が関与する有事のための共同作戦計画を持っていないのであれば、少なくとも独自の計画を作成し、お互いに共有しているかどうか。さらに、日米両国は、情報が劣化し、急速に変化するであろう戦場において、並行している指揮統制構造の既存の調整メカニズムが、自軍に最も適していると確信しているかどうかを自問すべきだ。
・最後に、作戦は日本の領土から実行されるため、同盟国の現在の軍需品と燃料の在庫は作戦を維持するのに十分なのか。バイデン政権がこれらの問題の見直しに着手すれば、同盟国は潜在的な矛盾や不足に対処するために協力することができる。
奥山真司氏は、このホーナン氏の「同盟の目的の核心は侵略の抑止であり、そのためには効果的な戦争遂行能力が必要である」の指摘がもっともであるとし、これらの議論が早急に必要だと述べています。筆者も同感です。
それにしてもアメリカですら台湾有事のプランがなかったとは驚くべきことです。
奥山氏は「本当に戦える状態になっている」ことが、そのまま抑止力になると述べていますけれども、憲法九条改正もその一つだと思います。
安倍前総理が、今回の「世界の政治家」に選出されたことといい、憲法改正の必要性を訴えていること、インド太平洋が最前線になっているとの指摘といい、近いうちに安倍前総理の存在がクローズアップされるときが来るのかもしれませんね。
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