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1.日韓局長協議
6月21日、韓国外交通商部のイ・サンリョル・アジア太平洋局長は、ソウルで船越健裕アジア大洋州局長と日韓局長協議を行いました。
外交通商部によると、両局長は、日韓関係の安定的・未来志向的発展が北東アジアはもちろん、世界の平和、安定、繁栄において重要という点で認識が一致。
更に、日韓間の様々な懸案について、今後も両外交当局が緊密にコミュニケーションして協議していくことでも意見が一致。
けれども、募集工・慰安婦被害者の賠償判決など懸案事項については、イ局長が韓国政府の立場を改めて説明し、日本が誠意を示すことが必要だと強調し、竹島問題、福島原発の汚染水処理、日本の近代産業施設や世界遺産などの問題に対する韓国側の厳重な認識と懸念を伝えたのに対し、船越局長は、日本政府の立場を説明したにとどまったそうです。要するに平行線に終わったということです。
まぁそうでしょうね。日本の立場からすれば、国際法違反している国から、誠意を示すことが必要だなどといわれても、どの口がいうのか。誠意ではなく法の問題だで終わる話ですからね。
今後何万遍と話し合いを行おうが韓国が、募集工、慰安婦問題を内政問題として片づけてから日本に報告するくらいでないと先には進まないと思います。
2.G7から外交相手とされなかった韓国
先日、イギリスで行われたG7に韓国の文在寅大統領が招かれましたけれども、韓国大統領府は、招待を受けたのは「主要20ヶ国を越え、主要7ヶ国(G7)諸国と肩を並べるほど高まった韓国の国際的地位を示すもの」とし、朴洙賢(パク・スヒョン)国民首席秘書官も帰国後に「名実ともにG8国家に位置付けられているのではないかという国際的評価を得ている重要な成果……韓国は学ぶところが多い国で、全世界のパンデミック状況で防疫やワクチン、経済まで全部成功したという評価を得ている重要な位置」と強調するなど、自画自賛しています。
文大統領はイギリス訪問中に、ドイツのメルケル首相とはワクチン協力について、豪のモリソン首相とは水素経済協力について、EU連合のミッシェル大統領、フォンデアライエン欧州委員長とはグリーン・デジタル協力で一致し、フランスのマクロン大統領とも先端技術と文化・教育分野での協力を約束しました。
これについて、武藤正敏・元駐韓国特命全権大使は、文在寅大統領の主要な会談内容が経済、保健分野に限られ、政治外交安全保障分野が含まれていないことから、主要国が見る韓国の位置付けは、経済一流であるものも、政治外交は対話の相手ではないということなのだろうと、厳しい指摘をしています。
韓国のG7招待に関しては当初、対中国対応の踏み絵を踏まされるだろうという見方もされていましたけれども、それ以前に相手にもされていなかったということです。とはいえ、形だけでもG7に招いたということは、韓国が西側諸国に属するという表面上のメッセージにはなりますから、G7としても、それで十分ということなのかもしれません。
3.韓国の悪あがき
今回の文大統領のG7招待に絡んで、日韓首脳会談が行われると韓国メディアが報道していました。ところが直前になって、韓国軍が竹島で防衛訓練を行うことを理由に日本が一方的に合意を破棄したなどと報じ、「首脳間対話をキャンセルすることは非常識な対応」だと批判しました。
これについて、6月14日、加藤官房長官は記者会見で、そのような事実は全くない。事実に反するのみならず、一方的な発信は極めて遺憾であり、直ちに韓国側に抗議した」と反論しています。
この真偽について、朝鮮半島の情勢に詳しい東京通信大学の重村智計教授は、「加藤官房長官の発言が事実であり、聯合ニュースの報道は間違っています……問題の記事には、《実務レベルで暫定合意していた略式会談》と書いてあります。『略式首脳会談』の外交用語は日本語にも英語にもないし、首脳会談という外交の最重要事項が実務レベルで決定されるはずがありません。そこまで言うのなら、韓国は『実務レベル合意』とは誰か、氏名か役職を明らかにすべきです。通常なら『外務省北東アジア課長クラス』と推測されます。これでは『合意』の外交的根拠になりません。せいぜい非公式の情報交換でしかありません。本来は、菅首相と文大統領自身の指示に従って外相や次官、局長が合意して初めて成立する話なのですから、嘘報道と普通の記者なら判断できます」と、韓国側は意図的に事実とは異なる情報をリークした、というのが真相だと指摘しています。
重村教順は、「文大統領は任期まで残り1年を切りましたが、支持率低下に苦しんでいます。そこで有権者の支持を取り戻すため、日韓首脳会談と米朝首脳会談の仲介、南北首脳会談を実現させることで一発逆転を狙っています。文政権の看板政策に南北首脳会談があります。ところが金正恩総書記は『文在寅を相手にしない』と公式に宣言しており、2人は“絶交”状態です。そこで文大統領は米朝首脳会談を実現させ、韓国の仲介で実現したと誇示し、南北首脳会談にこぎつけ支持を回復させ、ノーベル平和賞も受賞できると期待しているわけです……ところが肝心のバイデン大統領(78)は一貫して『まずは日韓関係の修復が先であり、日米韓の協力はその後』という姿勢を見せています。懸案の対中包囲網形成に韓国は及び腰です。更にオバマ政権時代に副大統領だったバイデン大統領は、2015年の日韓慰安婦合意の交渉に関わった経験などから、『日韓関係の悪化は韓国側の責任が大きい』という考えを持っているのです。日本との関係を改善しないと、バイデンは韓国を相手にしてくれません」と述べています。
自業自得ながら、日韓関係、日朝関係とも行き詰っています。
4.外交センスがない文在寅
重村教授によると、文大統領の今年の動向をみれば、それでもアメリカから出された「宿題」をこなそうとしていたようです。
その宿題とは無論、日韓関係改善です。
まず、文大統領は1月18日の新年記者会見で、直前の元慰安婦勝訴の判決に「困惑している」と発言。元徴用工訴訟には、日本企業の韓国内資産を売却する現金化を「望ましいとは思わない」と掌返しを行いました。
そして、G7サミット直前、元徴用工訴訟を巡ってのソウル中央地裁が判決を10日から7日へと前倒しして、原告の訴えを却下する判決を下しました。
これについて重村教授は「文政権はソウル地裁に日本側が勝訴する判決を求めたのです。更に菅首相の離日が10日なのを知って、日本政府の『首脳会談しない』方針を変えさせようと、更に判決を7日に前倒しさせました。菅首相に考え直せる時間を与え、G7で菅首相と文大統領が立ち話の『略式首脳会談』でもできるよう、いわば判決を"土産物"にしようとしたのです。これが『実務レベル合意』の真実でしょう」
そして、4月21日にソウル中央地裁が日本政府に賠償を請求した元慰安婦らの訴えを却下したことは、バイデン大統領への"お詫びの気持ち"を表現した判決だというのですね。
文大統領が嘯く「司法の独立」よやらは一体どこにあるのでしょう。重村教授は「韓国に司法権の独立など存在しないことがよく分かります。関与を疑われるため、今回は大統領府は何のコメントも出しません」と述べています。
文政権の外交センスの無さはそれだけではありません。
G7当日の6月11日、朝日新聞は「『文大統領、菅首相と対話意思』 駐日韓国大使インタビュー」のという記事を掲載したのですけれども、そこで姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使は、文大統領は菅義偉総理と「胸襟を開いて対話したいとの意思を持っている」と述べ、迫るG7サミットで「両国が会うのは常識なのではないかと思っている。日本政府には大人の対応をしてほしい」と訴えました。
関係者によると、このインタビューは「姜大使本人が朝日新聞に売り込んだと言われており、掲載日もG7が始まる当日でなく、それより前を希望したそうです。しかし首相官邸は記者に『挨拶はともかく、首脳会談はない』と漏らしていました。朝日新聞も姜大使に上手く利用されたといわれても仕方ないかもしれません」とのことで、なにやら既成事実化しようという狙いが透けてみえるようです。
結局G7では日韓首脳会談は行われなかったのですけれども、文政権は今度は「日本は無礼にも首脳会談の約束を反故にした。理由は竹島問題だ」と逆切れします。重村教授は「『日本と竹島』の2つの文字が並ぶと韓国人は自然に血が頭に上り反発します。『なぜ菅首相は文大統領と会談しないのだ』と韓国世論が高まれば、菅政権も態度を変えるではないかと判断したのです」と指摘していますけれども、浅はかに過ぎます。
こうしてみると文政権の外交は、マナーも糞もなく、素人以下ではないかとさえ思う程です。どこまでも自分の都合だけを考え、独善で進めていくのは勝手ですけれども、いつままでそれでは、世界は相手にしてくれなくなります。
まぁ、日本としても、残り任期の少ない文政権を相手にするよりは次の政権まで放置するというのは現実的な選択であり、それで構わないと思いますね。
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