安倍は神速を貴ぶ

今日はこの話題です。
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1.COVAXワクチンサミット


6月2日、武漢ウイルスワクチンの発展途上国への供給加速策を主要国などで話し合う「COVAXワクチンサミット」がオンライン形式で開催されました。

サミットは日本政府と国際組織「Gaviワクチンアライアンス」の共催。米国のハリス副大統領、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長ら主要7ヶ国(G7)をはじめ約40ヶ国・地域の首脳・閣僚らが出席。また国連のグテレス事務総長や、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏ら民間団体の代表者も参加しました。

議長を務めた菅総理は、国内向けに確保したワクチンのうち約3000万回分を途上国支援の国際枠組み・COVAXなどを通じて海外に提供すると表明。更にCOVAXへの追加拠出も正式に打ち出しました。

COVAXは途上国支援の拡大に83億ドル(約9130億円)の資金が必要で、現在不足分の17億ドル(約1870億円)の確保を目指していました。

菅総理はこれまでの2億ドルの資金拠出額に8億ドル追加し、計10億ドルに増額すると表明。閉会の挨拶では「皆様の寛大な支援の表明により83億ドルを大きく超える額を確保することができた」と、各国・地域の増資表明により目標額の確保を達成したと説明しました。

更に「我が国で製造するワクチンを3000万回分を目途として、COVAXなどを通じ、各国・地域に対して供給を行っていく」とCOVAXや台湾などへ、1億2000万回分を確保している英製薬大手アストラゼネカ社製ワクチンのうち、国内企業が生産するワクチンを海外への供給に回す方針を示しました。

中国が自国製ワクチンの提供で影響力を強める「ワクチン外交」を展開する中、日本はG7その他主要国を固めて対抗する形を整えつつあるように見えます。


2.中国製ワクチンの欠陥疑惑


その中国製ワクチンですけれども、少し気になる報道があります。

それは、世界で最もワクチン接種率が高くなっている国の一部で、武漢ウイルスの感染者が再び急増、死者も大幅に増加しているということです。

感染者と死者が増えているのは、少なくとも1回は接種を受けた人の割合が最も高いセーシェル(72%)と、それに次いで高い水準にあるモルジブ(57%)、チリ(56%)、バーレーン(55%)、ウルグアイ(51%)などです。

ウルグアイはここ数週間、人口10万人あたりの死者数が最も多くなっていて、モルジブとバーレーンは、5月中に報告された10万人あたりの死者数がアメリカ、インドを大幅に上回りました。また、チリ、セーシェルは、世界で最も早いペースで感染者が増加しています。

セーシェルの保健当局が5月中旬に明らかにしたところによると、同月第1週に感染が確認された人の3分の1以上は、接種を完了した人だったそうです。

また、バーレーンの保健省高官は感染者の急増について、検査数を増やしたことに加え、ラマダン(断食月)に人が集まる機会が増えたこと、ラマダン明けの祭り(イード・アル・フィトル)があったことなどを理由に挙げており、専門家らは、人々の行動を制限してきた規制の解除を急ぎすぎたこと、それが国民に過度の安心感を与えてしまったことが原因の可能性があると警告しています。

仮に、そうであれば5月13日にワクチンの接種を完了すれば、屋内外を問わず、マスクを着用は不要とする新指針を発表したアメリカでも同じように急増してもおかしくありませんから、全てが全て行動規制の緩和が原因だとは断言できないと思います。

ただ、その他の要素として囁かれているのが中国製ワクチンです。

接種率が高い一方で感染者が増えているこれらの国では、その多くが中国のシノファーム(中国医薬集団)製のワクチンを使用しています。バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)はすでに2回の接種を完了した人を対象とするブースター接種も行っていることから、感染を防ぐことに対するシノファーム製ワクチンの有効性について、懸念が高まっているそうで、セーシェルでもワクチン接種を受けた大半はシノファーム製のワクチンを使用しています。


3.日本政府提供ワクチン台湾へ


そんな中、日本政府が台湾に提供する武漢ウイルスワクチンを積んだ日本航空の航空機が6月4日から台湾に到着しました。

ワクチンを載せた航空機は成田と台北を結ぶ定期便で、4日のフライトは運休となっていたのですけれども、ワクチン輸送のため特別に乗客を乗せずに運航されたそうです。

6月3日、台湾のジョセフ・ウー外交部長は日本のワクチン提供について、「非常に感謝している」と謝意を示し、中国を念頭に「われわれを攻撃する力は一つしかない。国際社会はこの状況をより深刻に捉えてほしい」と述べ、中国政府は「ワクチン外交」を利用して西半球で影響力を行使することが可能になると指摘。ワクチン供給における中国の影響力に警鐘を鳴らしました。

そして、また、世界保健機関(WHO)から台湾を排除するのは台湾市民に対してフェアではないと抗議しています。

日本が台湾にワクチンを提供する話については、初期から中国が反応していました。

5月31日、中国外交部の報道官は「医療援助は救命という初心に立ち戻るべきで、政治的利益をはかる手段に成り下がってはならない。中国は防疫を借りて政治的なショーをし、中国内政に干渉することに堅く反対する。日本は現時点で自身のワクチンの十分な確保ができていないことに留意する。この状況下で、日本政府が台湾地区へのワクチン提供の検討すると表明したことは、台湾島内の多くのメディアや民衆から疑問視されている。ワクチン援助が生命を救うためという理念に立ち返り、政治的な私利を図る道具になってはいけない」と牽制していました。

中国は日本のワクチン提供について、「台湾島内の多くのメディアや民衆から疑問視」などといっていますけれども、実際は歓迎の声が大きく、蔡英文総統も「その深い友情に、心から感謝します」と日本語で投稿しています。


4.安倍は神速を貴ぶ


ただし、こういう状況でのワクチン提供は、当然のことながら中国の邪魔が予想されました。

実際、台湾当局は、中国が台湾のワクチン調達を妨害していると発表していますし、日本政府内にも、東京オリンピック・パラリンピックへの協力を絡めて日本が台湾に提供しないように中国から圧力をかけてくることを心配する声があったそうです。

そうした諸々を一気に解決したのが、安倍前総理です。

5月24日、東京都港区の台北駐日経済文化代表処で、台湾の謝長廷代表とアメリカのヤング駐日臨時代理大使の意見交換会が行われたのですけれども、その場に、安倍政権で首相補佐官や党総裁外交特別補佐として外交政策に携わった薗浦健太郎元首相補佐官が招かれていました。

与党関係者によると、5月の大型連休明け以降に、台湾側から日本政府に対し、複数のルートで「100万回分ほどワクチンが融通できないか」との打診があり、水面下での検討が進められていたのだそうです。

台北駐日経済文化代表処での意見交換会でヤング駐日臨時代理大使からアストラゼネカ製ワクチンの使い道を問われた薗浦氏は、「日本はアストラゼネカ製のワクチンを公的接種では当面使わない。それを台湾に譲る動きもある」と答え、ヤング駐日臨時代理大使「グッドアイデアだ」と賛意を示したそうです。

薗浦氏は翌日、安倍前総理にこれらのやり取りを報告して協力を要請。安倍前総理も「すぐにやろう」と応じました。

国有財産であるワクチンの譲渡は財務省の了解が必要となる為、麻生副総理兼財務相に報告した上で、菅総理の了承を得て事は進みました。

当初、外務省はCOVAXを通じた提供を検討したのですけれども、安倍元総理らから「それでは時間がかかりすぎる」との声が上がり、また、台湾側からは「数量はともかく、スピード重視で対応してもらいたい」との意向が伝えられていたこともあり、日台間の相互援助の一環として提供する方針に転換しました。

そこでの懸念はやはり中国側の動きでした。余計な横やりが入らないよう、日本側も中国の動向を警戒して情報管理には細心の注意を払いつつ、提供に向けた手続きのスピードアップを図ったそうです。

6月3日、茂木外相は参院外交防衛委員会で、台湾へのワクチン提供について、「台湾では7月以降、生産体制がかなり整ってくる。当面、緊急のニーズがあると認識している」と述べたのを受け、マスコミは"6月中の実施を目指して調整している"と報じていたのですけれども、蓋を開けてみれば、6月4日(六四天安門‼)の提供です。

確かに6月4日は6月中ですし、7月に台湾での生産体制が整うなら、6月の早い段階で提供するのは道理です。

5月28日に茂木外相がワクチンの提供を検討すると発表してから、わずか1週間での提供。これくらい早ければ、中国に邪魔される隙もなかったということでしょう。まさに「兵は神速を貴ぶ」です。

今回のワクチン提供は、日台の繋がりを更に世界にアピールすると同時に、その手際の良さの裏に安倍前総理の存在があったことで、安倍総理の党内影響力が依然として大きいことが明らかになったように思います。

依然として燻る安倍前総理の再々登板説を棚から降ろすのはまだ少し早いようです。


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