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1.小池都知事が都議選電撃参戦
東京都議選最終日の7月3日、都民ファーストの会の特別顧問を務める小池都知事が都民ファーストの候補者の応援に電撃参戦しました。
小池都知事は午前10時半ごろ、東京都中野区の都民ファースト代表の荒木千陽候補の事務所前にガラス張りの選挙カーで登場。街頭演説はぜず、荒木候補者と商店街を練り歩きました。
事前の都議選の情勢調査では都民ファーストの大敗が予想されていたのですけれども、小池都知事のサプライズ参戦で都民ファーストの候補は「劣勢を挽回するムードが高まっている」と意気が上がったとのことです。
小池都知事の登場について、自民党幹部は、「今朝早く、第一報が入りました。昨日の都庁での記者会見では調子が悪そうだったので、都議選には出てこないと思っていた。不意を突かれたというか、びっくりした。小池知事のことだから動くかも、という想定は当然していましたが、都庁幹部からは、都議選の参戦はないと聞いていたので…。都庁で公務をし、ギアが入ったようだ。やっぱり勝負師ですね。選挙となれば、アドレナリンが出るんでしょう。官邸の菅義偉首相らも驚いたようで『自民党にすり寄るのを拒絶して、勝負に出たか』、『絶好のチャンスだから一気に息の根を止めてしまえ』と戦闘モードになっていました」と述べ、「現地からの情報では本人はまだ息が荒く、マイクを握らないそうだが、そもそも"仮病"だったのではないか。わが党の軍門に下る気がないのであれば、徹底的に叩き潰すまで」とこちらも受けて立つ構えです。
2.麻生副総理を悪役にする判官贔屓
当初、都民ファーストの応援にいかないと見られていた小池都知事がなぜ、突然現れたのかについて、麻生副総理の発言が影響しているとの声もあります。
東京都議選の自民党の現職候補は「せっかく大勝できそうな都議選が麻生さんのおかげで現場の空気がヤバくなっている」と零したそうです。
これは、6月25日、青梅市選挙区の自民党新人候補の応援演説をした際、「代表の国会議員がいないから話が通じない……従って知事が自分でやる。過労で倒れた。同情してる人もいるかもしれんけど、そういう組織にしたんだから」と批判し、都議について「自民党とつながってる人がいなきゃ話がつながらない。一番上が国会であるならば」と述べたことを指しています。
この麻生副総理の発言は、瞬く間に炎上したのですけれども、この発言で流れが変わったとの見方が出てきました。
自民党の二階派幹部は、「小池さんは自分が動けば、都民ファーストがまだ挽回できると踏んだのでしょう。今年1月の千代田区長選でも小池さんはコロナ禍で動けなかった。終盤で接戦になり、行けそうだと踏んだら自らがマイクを握り、都民ファーストの候補を勝たせた。これと似た展開になっている」とコメントしています。
都議選の事前の情勢調査では自民党は当初、「48~55議席」と大勝の予測だったのですけれども、麻生副総理の発言以降、期日前投票の出口調査では自民党支持が減っているそうで、このままいけば50議席の大台は苦しく、43議席くらいまで減らしそうだという予測もあるそうです。
それでも、今の都議会自民党の議席数は25ですから43でも大勝は大勝でしょう。ある自民党幹部は「麻生さんの失言をきっかけに自民党の票が都民ファースト、小池さんに流れている感がある」と述べたそうですけれども、もしも、麻生発言で、自民票が都民ファーストに流れるとするのなら、それは、政策云々ではなく、麻生副総理を悪役とした判官贔屓的な投票行動なのではないかという気がしないでもありません。
3.どこかで倒れても本望
小池都知事は、都知事選に電撃参戦する前々日の7月1日にテレワークで公務に復帰していたのですけれども、翌7月2日には急遽予定を変更して定例記者会見に出席しました。
小池都知事は、冒頭、「大切な期間の体調不良、ご心配、ご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げたい」と語り、途中で咳をする場面もありました。少し弱々しい声に、ネット上では、「具合悪そう」「体調悪そう」「元気ないね」と体調を気遣う声も目立ちました。
ところが、東京五輪・パラリンピックについて「パラリンピックは安全に開催することが、すなわち、都民の皆さんの命、健康を守ることに直結するといっても過言ではない……都民の命を守って、東京の未来を作っていくこと、全力で取り組んで、、、たとえ倒れても!!全力で取り組んでいきたい」と声を強め決意を語ると、ネットでは、「言うことではない」「もう騙されない」「騙されるな」「確信犯?」「女優」「どこまで計算ですか」などと批判や懐疑的な声も書き込まれました。
筆者も会見動画を見たのですけれども、確かに最初は弱弱しい声だったのが、時間が経つにつれ、徐々に声に張りが出てきているように感じられました。件の倒れても全力で取り組みたい発言は、張りのある力のこもった声だったこともあり、確かに芝居がかっているように見えなくもありません。
また、約25分の冒頭発言に10分程度の質疑をこなしている姿は、"過度の過労"からの病み上がりにしてはしっかりしたものだとの印象も受けました。
4.下手な演技はうんざり
7月2日と3日、前東京都知事の舛添要一氏はツイッターで小池都知事とその周辺に対し厳しいコメントを投稿しました。
まず2日には、「政治は演技である。嘘も方便。IQの低い大衆は、それを見抜けない。だから演説のとき、聴衆の中のIQ最低の人に合わせろとヒトラーは言った。トップが10日間も静養する病気の正式な診断名を誰も求めない都庁村の異常さ。首相が10日間も休めば病名公表は霞ヶ関では当然である。国政ではありえない非常識」と投稿。
続けて「異常な「都庁村」、官僚機構、都議会、都庁記者クラブなど、私の書評を読めば、10日間も休む都知事の病名すら公表しない新宿の非常識の根源が分かります。様々な批判はありますが、まだ霞ヶ関のほうがまともです」とツイートしました。
そして翌3日には「名演技とは、演じる役と俳優が渾然一体となり、悪役ならば、観客自らが成敗してやりたくなるくらいの凄いものである。単なるお涙頂戴や薄っぺらな演技は、観客はすぐに見抜いてしまう。大洞ふきが得意な俳優が、悲劇のヒロイン役が上手いとは限らない。下手な演技を見せられるのはもううんざりである」と投稿しました。
小池都知事と名指しはしていないものの、誰に対する批判なのかはいうまでもありません。
先に取り上げた自民党幹部は、小池都知事を「そもそも仮病だったのではないか」と述べていましたけれども、舛添氏は、政治は演技であると断じ、下手な演技を見せられるのはうんざりだと指弾しています。
舛添氏は、お涙頂戴や薄っぺらな演技は直ぐ見抜かれると述べていますけれども、果たして、小池都知事の復帰と都知事選電撃参戦はどうなのか。その答えは間もなくでます。
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