

1.菅内閣支持率30%割れ
8月7日から9日に掛けて、NHKが世論調査を行いました。調査の対象は、全国の18歳以上を対象にした2115人で、57%にあたる1214人から回答を得ました。
それによると、菅内閣を「支持する」と答えた人は、先月より4ポイント下がって29%と、去年9月の内閣発足以降最低を更新しました。一方、「支持しない」と答えた人は、6ポイント上がって52%で、発足以降、もっとも高くなりました。
支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が44%、「支持する政党の内閣だから」が23%、「人柄が信頼できるから」が17%、などとなりました。
支持しない理由では、「政策に期待が持てないから」と「実行力がないから」が37%、「人柄が信頼できないから」が13%、などとなりました。
また、武漢ウイルスに対し、自分や家族が感染する不安をどの程度感じるか聞いたところ、「大いに感じる」が43%、「ある程度感じる」が42%、「あまり感じない」が10%、「まったく感じない」が3%でした。
そして、武漢ウイルスをめぐる政府の対応について、「大いに評価する」が3%、「ある程度評価する」が32%、「あまり評価しない」が40%、「まったく評価しない」が21%となり、緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置が感染の拡大防止にどの程度効果があると思うかについては、「大いにある」が3%、「ある程度ある」が24%、「あまりない」が49%、「まったくない」が20%でした。
武漢ウイルス感染の不安を感じているのが「大いに感じる」と「ある程度感じる」とでそれぞれ42~43%と、合わせて85%近くが不安を感じているということは、中高齢者のみならず、若年層も一定程度がそう感じていることを伺わせます。
にも拘わらず、武漢ウイルスに対する政府対応については5割が評価せず、緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置も7割近くが効果がないと回答しているところを見ると、現在の政府のウイルス対策は相当評判が悪いと見てよいと思います。
2.首相は応援に来ないで
NHK世論調査での内閣支持率は、菅政権に衝撃を与えています。
ある政府関係者は「NHKの数字は衝撃的でした。朝日も含め他社も厳しい数字でしたが、NHKで30%を切るのは重みが違う。何だかんだ言っても五輪後は支持率が改善すると菅首相は期待していましたからね。ワクチンの高齢者接種が行き渡り、五輪を成功させたのになぜ、という心象でしょうね。新型コロナウイルスの感染拡大で中等症感染者の病床運用見直し、広島の原爆死没者慰霊式での原稿読み飛ばしなど、ボロが出続けていたことも影響しているかも…。官邸はもちろん、自民党内に大きな動揺が走っています。リアルに危険水域で先行きが見えづらくなりました。菅首相のお膝元で行われる横浜市長選の結果次第で菅内閣は瓦解します」と漏らしています。
8日告示された横浜市長選は総選挙を占う前哨戦とも見られていますけれども、自民党は前国家公安委員長の小此木八郎氏を擁立し、菅総理、神奈川県選出の小泉進次郎環境相、河野太郎ワクチン担当相が小此木氏の支持を表明し、国政選挙並みの総力体制で臨んでいます。
ところが、自民党幹部によると「現職閣僚から市長へ転身という異例の決断をした、小此木氏が優位という下馬評だったが、8月に入って実施された情勢調査では、小此木30ポイント、林27ポイント、山中23ポイントと拮抗していた。この数字を聞いて、菅首相はひっくり返りそうになったそうだ。ダントツで勝てると思っていた小此木氏と林氏の差は3ポイントしかない。野党の山中氏とは7ポイント差です。与党の選挙は最初に組織で20ポイントほど差をつけて、最後は10ポイント程度まで詰められても勝つ。先行逃げ切りが王道です。菅内閣と自民党上げて圧勝を目指していた小此木氏が、まだ序盤でここまで詰められている。首相も『本当に大丈夫なのか』『いけるのか』と不安になっている様子だ」と明かしています。
そして「横浜は東京に次ぐ第二の都市。市政運営も大事だが、国政の状況には敏感に反応するからね。菅首相は小此木氏の応援に自分でマイクを握りたいようだが、逆に相手を利すると、周囲は見合わせるようにと進言している。菅首相周辺はなりふりかまわず組織、団体にプレッシャーをかけて小此木氏への支援を強く求めているよ。私の周りでも『菅首相に近い人から電話があって、きつく支援を求められた』と言っていた。党内では側近の小此木氏が横浜市長選で負ければ、菅首相の退陣論まで出そうな空気感がある。遅くとも解散総選挙は10月までには行われる。菅首相では選挙の顔にならないという声が相次いでいるので、横浜市長選挙で負ければ、一気に『菅おろし』の声が高まるだろう」と述べています。
これらについて、官邸周辺者は「選挙が混迷しているのは、小此木氏が突然、IR誘致の中止を訴え、出馬したことにあります。菅首相や小此木氏はもともと地元でIRを推進してきました。しかし、横浜市長選の直前、小此木氏が中止の立場に変節しました。現職の林氏は地元の経済団体と一緒に菅内閣の意を受けてIRを推進してきましたが、小此木氏が反対を表明したことで梯子を外された。IR誘致を進めてきた自民党の市議団、県連は分裂し、地元経済界の反発も招きました。経済団体の一部は菅内閣の変節は理不尽と怒り、小此木氏の対抗馬として現職の林氏に出馬を促したそうです。こうした地元の動きに危機感を抱いた菅首相は、懐刀の和泉首相補佐官を裏で動かし、小此木氏を支援するように地元に働きかけていますが、支持は広がっていません」と述べています。
さらに、ある横浜市議は選挙情勢について「陣営は当初、横浜で小此木の看板があればと楽勝ムードだった。それが情勢調査で林氏と3ポイント、山中氏と7ポイントの差と聞いて、ビックリ。現場でやっていても有権者の反応はよくない。コロナの新規感染者が日々、増加する横浜では、数字が発表されるごとに50票、100票と減る感覚があります。小此木氏自身も圧勝ムードが一転して『手を抜くな』とハッパをかけています。最大の争点はIR誘致の是非だが、それより菅首相の動向、コロナ感染拡大の方が有権者の関心は高いように思える。少なくとも菅首相に新規感染者の数を抑えてもらわないと、横浜市長選挙はやばいですよ」と、政府の武漢ウイルス対応がそのまま横浜市長選挙に直結する空気があるというのですね。
3.五類扱いにすれば全て氷解
国政だろうが地方選だろうが、国民の頭の中は武漢ウイルス感染拡大が第一であり、選挙もそれに影響されるというのであれば、政府与党も感染抑止に注力せざるを得ません。
けれども、今政府が行っている、とにかくワクチンだ、とにかく自粛だ、非常事態宣言だ、では殆ど効果がないことが明らかになってきています。
これについて、長尾クリニック院長の長尾和弘医師は、武漢ウイルス感染症について感染症法上の分類を引き下げるよう訴えています。
長尾院長は現在、2類相当に分類される武漢ウイルスを季節性インフルエンザと同じ、5類扱いにするよう提言。引き下げにより、「開業医による早期診断・即治療が可能=重症化予防」「すぐに入院が必要な人は開業医が直接依頼=タイムラグなし」「濃厚接触者の健康観察、入院先の割り振りが不要に=保健所崩壊解消」と、3つのメリットを挙げ、「5類にすれば全て氷解する。24時間医師と直接話せる体制、重症化リスクの高い人はドクターtoドクターで直接話せるような体制を構築することが大事」と提言しています。
更に長尾院長は、「イベルメクチンという特効薬があって、誰でも使える。疥癬の治療で普段使ってる薬。これを全国民に配る……僕が言ってることが間違ってたら、僕は責任取って医者辞めます……1年半やってきて確信してる。今のやり方はわざわざ重症化するのを待っているようにしか見えない。早く治療すればそれで終わり。私が診てる人は1人も死んでない。最初にコンタクトした医者がちゃんとやるには法改正、5類落としが大前提。今やるべきだと思います」と述べています。
これには、ツイッターで「ようやく動き出した『イベルメクチン』の話題。今日のバイキングで、長尾医師が医師生命をかけて断言。素晴らしい!スガノメクチン、一日も早く」、「長尾先生はサムライですね」、「万が一、コロナにかかったら長尾先生のところに行きたい」と賞賛の声が相次いでいます。
筆者はこれまでイベルメクチンについて何度が取り上げましたけれども、重症化リスクの高い中等症以上でなければ、入院もままならず、軽症のうちは自宅療養となる現状では、イベルメクチンなどの治療薬になりうる薬の適用は必須だと思います。軽症といえども、インフルエンザよりも「辛い」といわれる武漢ウイルスならば、尚のこと大事です。

4.武漢ウイルスの感染症法見直しへ
8月10日、田村憲久厚労相は閣議後会見で、武漢ウイルス感染症の感染症法上の運用について「ワクチンの接種が進むことを前提としたうえで、日常生活に戻していくための検討を行っている……今の2類相当、新型インフルエンザ等の扱いが適切なのかどうか検討を進める必要がある……だが、これはワクチン接種が進んだ場合。今これから変わるわけではなく、状況変化に合わせて扱いを変える検討を進めるべきだということだ」と見直しの可能性に言及しました。現在、2類相当になっている武漢ウイルスが緩和されて5類になれば、先述の長尾院長の指摘するように多くの病院で対応可能になるなど大きな効果が見込まれます。
外からみれば、今になってようやくその話なのか。遅すぎる。と見えてしまうのですけれども、おそらく、これまでのやり方ではどうにもならなくなって、感染症法の分類見直しに手を付けざるを得なくなったのではないかと思います。
長尾院長は、「今のやり方はわざわざ重症化するのを待っているようにしか見えない。早く治療すればそれで終わり」と述べていますけれども、臨床現場で実際に患者を診ている医師が、早く治療すればそれで終わりという見解を示しているのは重視すべきではないかと思います。
ワクチンをいくら打とうが感染そのものを防げる訳ではなく、また集団免疫獲得も疑問視されている現状をみれば、今の自粛ばかりの「ゼロコロナ」政策を見直して、「ウィズコロナ」とまでいかなくとも、初期治療に重点をおいた「0.5コロナ」で抑え込むことももっと考えた方がよいのではないかと思います。
8月8日のエントリー「人類を淘汰する武漢ウイルス変異株」でも述べましたけれども、このまま政府が手をこまねいていれば、武漢ウイルスに人間がゆっくりと自然淘汰されていく可能性もあるのではないかと思いますね。
この記事へのコメント
カリンパパ
外から見ると遅すぎるですか?専門家とその意味をしっかり解釈してwithコロナを提唱してた安倍総理は一年前から言ってましたよ。理解できなかったのは国民じゃないですかね?