横浜市長選と激震の総裁選

今日はこの話題です。
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1.横浜市長選与党敗北


8月22日、任期満了に伴う横浜市長選の投開票が行われ、立憲民主党が推薦する元横浜市立大教授の山中竹春氏が、前国家公安委員長の小此木八郎氏や4選を目指した現職の林文子氏ら7人を破って当選しました。

山中氏は共産、社民両党の支援や連合神奈川の推薦を取り付け、事実上の野党統一候補としてアピール。菅政権が推進するIR事業の誘致に反対する考えを前面に打ち出していました。臨床統計学を専門とする医学部教授として武漢ウイルスの抗体に関する研究に携わった立場から「候補者の中で唯一の専門家」と強調し、支持を伸ばしました。

毎日新聞などは、横浜市長選の投票を終えた有権者を対象にインターネット調査を実施したところ、山中氏は、野党各党を支持する層に加え、無党派層の約4割に浸透し、他候補を突き放す結果となりました。

実際の得票数でも、山中氏は506,392票と、2位小此木氏の325,947票を大きく引き離す圧勝です。

敗れた小此木氏は安倍、菅両政権で入閣し、自民党神奈川県連会長なども歴任。自民党市連は自主投票とながら、自民系会派の市議36人のうち30人が支援。菅総理も自ら電話などで有権者に支援を依頼し、自主投票の公明党も実質的に支援したのですけれども、結果は大敗。

現職の林氏も、自身が決めたIR誘致など市政の継続を訴え、誘致推進を求める地元経済界が支援しましたけれども、自民の分裂選挙の煽を受け、支持を伸ばせませんでした。

この結果に、与党側は衝撃を受けています。

坂井学官房副長官は「大変厳しい結果となった。これが民意。謙虚に受け止めていかないといけない。自民党で小此木候補で推薦を出すことができなかった。まとめきれなかったということだ」と答え、公明党幹部も、「これだけ差がついた結果となると、政権への影響は避けられない。事実上の保守分裂の構図となったことも敗因となった。菅総理大臣のお膝元でありながら、勝利できなかったことは、衆議院選挙に向けて、不安が出てくることもありえる」と述べています。




2.衝撃の81%


全面支援した小此木氏の敗北で菅総理の求心力低下は避けられず、自民党総裁選や次期衆院選にも影響するという見方が浮上しています。

菅総理の自民党総裁任期は9月30日迄で、総裁選は9月17日告示、29日投開票の日程を軸に調整が進んでいます。

菅総理は既に再選への意欲を示し、二階幹事長や安倍前総理らが再選支持を表明しています。

けれども、「全敗」した4月の衆参3選挙や、過去2番目に少ない議席に低迷した7月の東京都議選に続く地元での敗北で、次期衆院選を控える党内からは「選挙の顔」として疑問視する声が高まっています。

そんな中、夕刊フジが来る総裁選で、既に出馬を表明している菅総理と、出馬に意欲を示している下村博文政調会長と高市早苗前総務相、そして、岸田文雄前政調会長の4人から、誰が次期総裁に相応しいか緊急アンケートを行ったのですけれども、その結果が話題となっています。

アンケートには2625人が回答し、なんとそのうち81%が高市氏を支持し、菅総理の11.9%を大きく引き離したのですね。

アンケートの回答者からは、「これが普通の調査結果でしょう」「自民党のイメージを変えるには、女性で爽やかにいった方がいい」「現実は菅総理の再選だが、理想は高市さん。政策も国家観も申し分なし」などと、高市氏に期待する声が上がる一方、「二階幹事長がいなければ誰でもいい」「全員不適合」との意見や、安倍晋三前総理や河野太郎ワクチン担当相、岸信夫防衛相の名前も挙がりました。

この結果について、ジャーナリストの有本香氏は「自民党支持の保守層は、菅政権を全否定はしないが、国が目指すべき方向性を明瞭な言葉で語る高市氏を求めているようだ。高市氏が、総裁選出馬に必要な推薦人20人を確保するハードルは低くはない。ただ、党員投票も含めた形になれば有利ではないか。『日本初の女性首相』が誕生するかは世論次第だ」と語っています。

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3.石破と小池を潰す高市


8月14日のエントリー「高市早苗氏の総裁選出馬宣言」で、筆者は、高市氏の総裁選出馬宣言は、菅総理に対する圧力として使われた感があるものの、場合によっては総裁となる可能性もないではないと述べましたけれども、夕刊フジのアンケート結果は、とりわけ安倍前総理にとって、総裁選での高市氏の価値を更に一段と押し上げることになったのではないかと見ています。

なぜなら、一般国民から絶大な支持を受ける高市氏は、石破潰し、小池潰しになるからです。

昨年の総裁選に出馬した石破氏は、党内議員からの人望がなく、党員票頼みであることはよく知られています。昨年の総裁選では、党員・党友投票が見送られて国会議員票の比率が大きくなった結果、主要派閥に推された菅義偉総理に敗北した過去があります。

7月21日、石破氏はTBSのCS番組収録で、総裁選について「党則通りフルスケールで総裁選を実施すべきだ」と党員・党友投票を含めるよう訴えています。それも党員票で優位に立つことで総裁選に勝利の目も出てくると見ているということでしょう。

ところが高市氏が一般アンケートで8割を超える支持を集めたとなると話は違ってきます。

自民党総裁選は、国会議員1人に1票が割り当てられる議員票約200票と党員票計300票の合計で争われます。

もし、高市氏が党員票で8割取るとすると、それだけで240票。総裁選出馬のための議員推薦票20票を足すと260票となり、それだけで過半数を超えてしまいます。

まぁ、実際にはこんなに上手くはいかないでしょうけれども、少なくとも党員票頼みの石破氏の票を食ってしまうことは十分考えられます。

また、国政に返り咲きを狙っているとも囁かれている小池都知事にしても、高市氏が総裁選に出ることで、影が薄くなりますし、ましてや総裁になろうものなら、高市女性総理誕生かとなって完全に食われてしまいます。

更に、高市氏が安倍前総理、麻生副総理などの主要派閥の支持を取り付ければ、二階幹事長の影響も排除できます。二階幹事長は前回総裁選でいち早く菅総理を支持することで生き残ることができましたけれども、今度の総裁選では菅総理が出馬意思を示している以上、そちらを支持せざるを得ません。

従って、もし、高市氏が総裁選で勝って、総裁の座を射止めたならば、気兼ねなく二階幹事長を遠ざけることができますし、二階幹事長に近いとされる小池都知事も、国政復帰して二階派を譲り受けたとしても、総理の座は遠のきます。

こうしてみていくと、高市氏の存在と総裁選に出馬意欲を示したことは、やはりタイミング的に絶妙だと思います。

問題は総裁選の推薦人を確保できるかと、出馬できたとして、どれだけの得票を取れるかになりますけれども、石破氏と小池氏を潰して更に二階幹事長の求心力も削ぐことも出来る。そして更に選挙の顔にもなるとなれば、もしかするともしかするかもしれませんね。




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