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1.菅総理解散せず
自民党総裁選が注目される中、菅総理が衆院解散の権限を行使せず、10月21日の衆院議員の任期満了に伴って次期衆院選を閣議決定する案が政権内で浮上したと報じられています。
その場合は10月5日公示、17日投開票が軸となるのではないかと言われています。
また、複数の関係者によると、二階俊博幹事長の交代を含めた衆院選前の党役員刷新の検討や、総裁選の先送りや総裁任期延長、内閣改造も議題に上がっているそうです。
ただ、自民党内では、複数候補による総裁選を先行して衆院選に臨むべきだとの意見が根強く、まだどうなるか分かりません。
2.岸田氏の二階外し
急に二階幹事長の交代論が出てきたことについては、26日に総裁選への出馬を表明した岸田氏の会見が影響しているのではないかという見方も出ているようです。
会見の場で岸田氏は、党役員任期の限定を柱とする「ガバナンス改革」を打ち出しました。岸田氏の案は党役員は1期1年、連続3期迄というもので、本人は「誰かを狙ったものではない」としていますけれども、党内では「二階外しが主眼」との見方が大勢のようです。
この改革案の背景には、二階派メンバーが人事で優遇されるケースが目立ち、党資金の使い方も不透明との疑念があることから、党内に「二階氏の党運営は我田引水」といった不満が充満しているのだそうです。
8月28日、岸田氏は、地元・広島市での党広島県連の会合に出席し、出馬の決断を報告しました。
その際、出席者から二階氏批判の声が上がったのに対し、岸田氏は「二階幹事長のありように国民が関心を寄せている。風通しの良い政党にする」と述べ、党役員任期を最長3年とする改革案について説明しています。
岸田氏は二階幹事長と27日に面会しているのですけれども、その時、二階幹事長は「どんな反応をされるかと思ったが、上機嫌だった。したたかな政治家だと思った」と振り返っていたそうです。
現在、二階幹事長のほか安倍前首相、麻生副総理が菅総理再選支持の立場を取っており、岸田氏は議員票で劣勢とみられています。そのため「二階外し」を打ち出すことで、二階幹事長に不満を持つ議員を取り込む狙いがあると見られています。
また、これは同時に、自民党員の保守層に対するアピールにもなります。
3.したたかな政治家
8月30日、その岸田氏からターゲットにされた二階幹事長は時事通信のインタビューで、不快感を示しています。
二階幹事長は岸田氏が打ち出した党役員は1期1年、連続3期迄という改革案について、「日頃そういうことを言ったことがないじゃないの。特定のことを意識して発言するのはいかがなものか」と岸田氏を批判しました。
そして、菅総理について「我々が支持しないと言えば彼は立候補するかどうかも分からない。我々が支持しないとなれば根本が崩れる」と指摘。会長として率いる二階派内から菅総理再選支持に異論が出ていることには「派閥を退場するか、何か別の方向を進むことになる」と牽制しています。
岸田氏が改革案をぶちあげたのが26日。翌27日に岸田氏と面会した二階氏は上機嫌を見せていたのに、30日にはインタビューで岸田氏の改革案に不快感を示す。流石、岸田氏が「したたかな政治家」という訳です。喰えないですね。
4.二階の策謀
二階幹事長のしたたかさはそれだけではありません。
8月30日、二階幹事長は総理官邸で菅総理と会談したのですけれども、その際、総選挙前に人事を行うことも検討すべきとの考えを示した上で、「自分には遠慮せず人事をやって欲しい」と、自らの幹事長交代を容認する考えを伝えたそうです。
菅総理が急に衆院選前の党役員刷新の話が出たのはこういう裏があったという訳です。
昨日、下村氏が総裁選に立候補するなら、政調会長を任せる積りはないと伝えて出馬断念に追い込んだのとも辻褄があいます。
二階幹事長も自分は人気がないことを知っているのでしょう。
自分が身を引くことで、党内の不満を抑えて、菅総理再選となれば、菅総理に恩を売ることになりますし、二階派のみならず党が割れるリスクも減らすことになります。
勿論、菅総理で総選挙に勝てるかというのは別の話なのですけれども、もし総選挙で自民が負けたとしても、その時、二階氏が幹事長から降りていれば、その責から逃れることになります。
その責は、菅総理が新しく任命した幹事長が追う訳で、菅総理自身も敗北の責任を取って、総裁辞任となる可能性すらあります。
要するに、二階氏は自らの傷を最小にしつつ、菅総理を支えるように見せながら、裏では見切りをつけたともいえる訳で、一石二鳥、三鳥となる策だと思います。
実にしたたかだと思います。
二階幹事長の策謀が炸裂するのか。目が離せません。
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