韓国大統領選予備選挙始まる

今日はこの話題です。
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1.韓国大統領選・共に民主党


9月12日、韓国の与党「共に民主党」は、来年3月の大統領選に向けた党の公認候補を選ぶ党内選挙で、一般有権者による初回の投票結果を発表しました。

李在明(イジェミョン)京畿道知事が51.09%と2位の李洛淵(イナギョン)元首相に20ポイント近い差をつけて圧勝しました。

「共に民主党」の党内選挙は6人の候補が争い、全国各地の党員投票と、投票資格を得た一般有権者の投票が3回行われ、総得票数が最も多かった候補が公認に選ばれる方式です。候補者は10月上旬に選出される予定です。

また、李在明氏は同じく12日までに4地域で行われた党員投票でも全勝。いずれも総投票数の過半数を得ています。

李在明氏は「非文在寅派」で、李洛淵氏は「文在寅派」であり、与党内では文在寅派が圧倒的多数を占めています。李洛淵氏は投票直前には「私が大統領になったら、最初の首相は忠清道の人物から選ぶ」とゴマを擦ったそうなのですけれども、にも拘わらずこの結果です。

忠清地域は「全国のバロメーター」とされる地域であることから、ここで圧勝したことで、専門家は目立った悪材料が発生しない限り、李在明氏が与党候補の「本命」との評価が固まったとしています。


2.韓国大統領選・国民の力


一方、保守の野党第一党「国民の力」は、先月末に候補者を受け付け、選挙戦をスタートしています。

立候補を届け出たのは15人。

8月30日に発表された韓国社会世論研究所の調査では、文在寅政権と対立した尹錫悦前検事総長の支持率が27.4%で、2位の前回大統領選に出馬した洪準杓元自由韓国党代表が9.4%とこちらも大差をつけています。もっとも、保守系候補に絞った調査では尹氏25.9%、洪氏21.7%と小差となっています。

「反文政権」の象徴となった尹氏は保守層では圧倒的な人気を誇るものの、若年層や中道層の支持が弱いのに加え、政治家としての資質も未知数ということもあり、今後に不安を残しています。

また、尹氏は文在寅政権の前半に、朴槿恵政権の要人たちを次々と起訴した過去があることから、それが保守陣営に「恨」となって残っているとも言われています。

一方、慶尚南道知事も務めたこともあるベテラン国会議員である洪氏は、「尹氏より幅広い層の支持を得られる」と強調。支持率が上昇傾向にあると見られています。

こうした「内紛」に近い事情を抱えていることから、党内では比較優位とされる尹氏に対し、保守陣営が一丸となって支援する態勢には全くなっていないのだそうです。


3.韓国大統領選・親日派レッテル


これまでのところ、与党候補同士あるいは野党候補同士の論争、そして与野党各陣営相互の批判合戦のネタは、もっぱらスキャンダルがメインで、政策論争になっていません。

与野党候補とも「反日」を叫ぶだけで、対北・対米・対中問題は出てこない有様です。

韓国の政治家が人気取りに「反日」を使うのはいつものことですけれども、相手候補を批判するときに使う常套句でもある「親日派」という言葉の意味合いが徐々に拡大されているとも指摘されています。

「共に民主党」の李洛淵氏は、今回の大統領選に出馬してますけれども、彼は2019年10月に行われた天皇陛下の即位の礼の時、当時の首相として燕尾服を着て出席していました。

これに他候補が「燕尾服日本の政治家の制服だ」と主張したうえで、李洛淵氏に対し「韓国の大統領ではなく日本の首相がお似合いだ」と"口撃"したのですね。

これまで「親日派」という言葉はあくまで戦前の日本を敵視する言葉だったのですけれども、「日本の首相がお似合いだ」といった表現は、今の日本を悪の象徴として位置づけていることになります。日本に近ければ全て悪い。

まるで「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」を地でいくような話ですけれども、こうした図式が今回の大統領選挙で定着しているとも囁かれているそうです。


4.韓国大統領選・最も危険な男


韓国保守陣営が一丸となって支援できない状況が続けば、俄然、与党「共に民主党」の候補が有利になってきます。

公認候補を選ぶ「共に民主党」の党内選挙で、今のところ圧倒的優勢に立っている李在明氏が大統領となれば、日韓関係は文在寅大統領の時代以上に悪化する可能性が高いという指摘があります。

元駐韓国特命全権大使の武藤正敏氏は李在明氏について次のように述べています。
李在明氏は貧しい家に育ち、小学校卒業後、工場労働者として働きながら中学と高校の卒業資格を取得し、奨学金で大学に通った。さらに司法試験に合格し、人権派弁護士として活動後、京畿道の城南市長や道知事を歴任した。政治家転身後は歯切れのいい発言と行動力で人気を得てきた。トランプ大統領のような歯に衣着せぬ発言から「韓国のトランプ」の異名がある。

【中略】

李在明氏は出馬表明の際、韓国の危機の原因として不平等と二極化を挙げた上で、「公正性の確保が希望と成長を可能にする」「機会が平等で、公正な競争の結果に見合った保障がある社会こそ未来がある」と主張する。そして、格差社会是正のため、「財閥解体」を主張、「現在の大統領の権限だけで私は天国を作れる」(京郷新聞2017年1月3日)と豪語したこともある。

これは格差が広がる韓国社会の現状に対する一般庶民の不満を吸い上げたものであり、国民の支持を高める要因となっている。だが、財閥企業の輸出で支えられてきた韓国経済の土台を崩壊させかねない政策でもある。

【中略】

李在明氏は7月2日の記者懇談会で「侵略国家である日本が分断されなければならないが、日本に侵略された被害国家である我々がなぜ分断という憂き目に遭わなければならないのか」と述べた。

韓国が北朝鮮と分断されたことは不幸なことで決してあってはならないことであったが、朝鮮半島ではなく日本が分断されるべきという発言は、それ以上に決して発してはいけない言葉である。それだけ李在明氏の度量のなさ、感情的な人間性を示すものであり、大統領として不適格であることを物語るものであろう。

【中略】

李在明氏の政治的信条の原点は、韓国は「親日勢力が作った国」ということであり、政治家として大統領候補として反日的な発言や行動を繰り返している。

「私を反日的と評価する方もいるが、私は日本を憎んだり日本国民に反感を持ってはいない。問題は保守右翼の政治集団だ」という。

【中略】

李在明氏は、事あるごとに強硬な対日姿勢を繰り返している。しかもそれは客観的な事実に基づかず、韓国が「親日残滓」の結果だとの思いと感情的な反発から出ている。李在明氏がいかに「日本を憎んだり、日本国民に反感を持ったりしていない」といっても額面通りには受け取れない。

李在明氏が大統領となれば、日韓関係は文在寅大統領の時代以上に悪化する可能性が高い。

【中略】

 李在明氏は、外交・安全保障面に関して「強力な自主国防力を基盤に国益中心のバランスの良い外交を通じて平和共存と共同繁栄に新たな道を切り開く」という。しかし米中対立の中で中国に寄り添っていく可能性が高い。

李在明氏は「大韓民国は親日勢力と米占領軍が作った国」と述べた。李在明氏は米占領軍やそれに連なる在韓米軍にいかなる感情を持っているのだろうか。これまで北朝鮮の脅威から韓国を守ってきたのは韓国軍とともに在韓米軍であることを受け入れないのだろうか。

李在明氏は6日、江原道原州市を訪問し、市役所での記者懇談会で「2008年から中止されてしまった金剛山観光をできるだけ早く再開したい」「南北双方に利益を売る実用的対北政策を通じて南北共生を追求する」と述べた。

北朝鮮が寧辺の活動を再開しているとの報道がある中で、北朝鮮の脅威を無視し、北との交流を進める意図を述べたものである。

米国は自らを防衛する意思のないアフガニスタンから兵力を撤退させた。韓国が北朝鮮の脅威を直視せず、北朝鮮との交流を進めるならば、第二のアフガニスタンとはならないと誰が言いきれるだろう。それは在韓米軍の縮小・撤退という形で表れる可能性がある。

それは日本にとっても最悪の事態となるであろう。

李在明氏は一見弱者の味方のようである。しかし、その政策は韓国の経済を崩壊させ、日韓関係、米韓関係に壊滅的な影響を及ぼしかねない。

【後略】
武藤正敏・元駐韓国特命全権大使氏による李在明氏の見立ては最後の一文の「李在明氏は一見弱者の味方のようである。しかし、その政策は韓国の経済を崩壊させ、日韓関係、米韓関係に壊滅的な影響を及ぼしかねない」に集約されているように見えます。

それにしても、文在寅大統領を更にパワーアップさせた御仁のようです。

日米共に、文在寅政権に距離を置いて、次の政権に期待を寄せているとしたら、その期待は裏切られ、もっと酷い政権が生まれるかもしれませんね。


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この記事へのコメント

  • Naga

    > 李在明氏が大統領となれば、日韓関係は文在寅大統領の時代以上に悪化する可能性が高いという指摘があります。

    日本にとって最悪の人が大統領になれば、日本にとって最善だと思います。
    誰がなっても反日に違いは無く、表面(おもてづら)が柔らかだけです。表面の柔らかいのが大統領になると、日本のアホな政治家はすぐ騙されます。従って、 李在明のような人が指導者になった方がいいと思います。

    また、武藤正敏氏は何としても韓国をブルーチームに留めなければならないとの考えをお持ちのようですが、それは危険で古い考えです。
    すぐ裏切るような国を自陣営に引き止めても金と時間の浪費だし、金と時間の浪費だけですめばいいですが、危険です。
    2021年09月16日 18:40

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