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1.共闘継続か見直しか
先週、立憲民主党の福山幹事長は、党の会合で、10日に召集される特別国会の閉会のあと、新たな経済対策などの議論のために年内に改めて召集される見通しの臨時国会の前に党代表選を行いたいという考えを示しました。
枝野代表が12日に正式に辞任することを踏まえ、代表選挙の具体的な日程の調整や実施方法の確認など準備を本格化させるとしています。
代表選をめぐっては、泉政務調査会長を推す声がある一方、小川国会対策副委員長が立候補に意欲を示しているほか、大串役員室長も立候補の検討を続けていて、候補者擁立に向けた動きもさらに活発になるとも見られています。
今度の立憲民主の代表戦で大きな争点となるとされているのが、共産党との共闘路線の是非です。
今回の衆院選で立憲は衆院議席を110から96に減らし、比例は62から39へと激減しました。
党内では、「左に寄り過ぎたから票が離れた」とか「無党派層を狙うべきだったのに固定票に囚われた。共闘は失敗だ」など、共産と共闘したことが衆院選で議席を減らす結果を招いたとして見直しの声が高まっています。
その一方で、共産の支持を受けて当選できた議員らの中には、共闘継続を望む向きもあり、誰が代表に選ばれるにしても難しい舵取りが求められます。
2.意欲満々の共産党
その共産党はといえば、共闘に意欲満々です。
11月6日、「しんぶん赤旗」のウェブサイトは「共闘この道しかない」といい記事を掲載し、立民の手塚仁雄、山岸一生、伊藤俊輔、鈴木庸介の各衆院議員と共産東京都委員会の田辺良彦委員長がガッツポーズで並ぶ写真を添え、手塚氏らが5日に都委員会を訪れた際の様子を伝えています。
この中で手塚氏は「市民と野党の共闘ができた選挙をたたかう中で、東京での成果を見れば、この道しかないと改めて思った。今後も共闘路線を進めていきたい。東京は共闘の象徴であり、これをスタートラインにしたい」と語ると、共産の田辺委員長は「我が党の議席を増やすことができなかったことは残念だが、皆さんの当選は自分たちの勝利だと受け止めている。立憲民主党が東京の小選挙区で議席を倍増させたことは共闘の効果をはっきりと示したものだ。今回のたたかいは第一歩で、共闘を広げていけば、必ず自公をひっくり返せることが見えた。野党共闘の大きな流れをさらに発展させていきたい」と応えました。
立憲は、代表戦を巡って、無党派層を狙う共闘見直し派と固定票を当てにする共闘継続派で溝が出来る可能性も捨てきれません。
3.独自路線に傾く国民民主
苦悩の立憲民主を横目に公示前の8議席を上回る11議席を獲得した国民民主は、独自路線を模索し始めています。
11月7日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演した国民民主の玉木代表は、同じく出演した日本維新の会の吉村洋文副代表の「維新の会は改憲勢力ですから、改憲に賛成の立場です。ただ憲法改正でいうと、自民党が本気にならないと憲法改正の国民投票まではたどり着かないと思っています」とのコメントを受け、「憲法審査会を開くか開かないか……。開いたらいいんですよ、毎週。議論するために国会で……。そのために歳費をいただいているので、そもそも(憲法審査会を)しないという選択肢がないと思うんですよね……もちろん各党・各会派、いろいろな考え方があるので、賛成・反対(があって)、改憲項目も違う。で、『議論をそもそも否定する国会が当たり前』だって、「開くことがすごい」ってなっていること自体を、文化を変えていかないといけないと思います」と発言しています。
至極真っ当な発言です。
その後、玉木代表は自身のTwitterで「選挙で約束した公約を一つでも多く実現するため、今後あらゆる政党、会派に協力を求めていきます……国民民主党は憲法改正に向けた論点整理を昨年取りまとめています……今回の公約でも『憲法論議を進める』と書いています……憲法の議論をするだけで袋叩きにするようなスタイルが忌避されていることに気づかないと、野党が多くの国民、特に若い世代に支持されることはないでしょう」と、他の野党に対して、憲法の議論をすることの必要性を訴えています。
国民民主の幹部は「われわれの路線は若者や無党派層から支持された。改革中道路線は正しかった……政策実現のためには与党への協力も惜しまない」と意気軒高です。
このように国民民主は、立憲のような「何でも反対」野党からの脱却を図ろうとしており、「話し合うことすら反対」である憲法改正論議は、その手掛かりとして、持ってこいと考えているのではないかと思います。
4.どこまで行っても左派は左派
この国民民主の動きに焦りを滲ませているのが、立民です。立民関係者は「和を乱すような勝手なことをされては困る」と述べ、共産党幹部は「共産も参加した枠組みで山形、大分も勝利した。変なことをするなら状況は変わる」と国民を牽制しています。
今回の衆院選について、ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、自民党の大物議員の落選を取り上げ、「政治とカネ」は以前にも増して、政治家の致命傷になることと「世代交代」が進んだことを指摘した上で、立憲民主が「日米安保条約の廃棄」や「自衛隊の解消」を綱領に掲げた共産党と組んだことに、多くの有権者が「ノー」を突きつけたとし、与党は「敵失」で勝利したと述べています。
長谷川氏は今後の注目点として、「立憲民主党が共産党との共闘関係を維持するのかどうか」を挙げ、立憲民主が新体制に変わっても、共闘関係を維持するようなら、来夏の参院選でも多くの有権者は共感しないとし、逆に、立憲民主が共産党ときっぱり手を切れば、展開は変わり得ると指摘しています。
もっとも、長谷川氏自身は「どこまで行っても左派は左派」であり、立憲民主が共産と手を切ることはないだろうと予測しています。
その代わりに維新と国民民主の大同団結を期待し、そうなれば、政界は大きく「保守」と「中道」「左派野党」に再編され、バランサーとなる中道勢力の存在感、発言力も高まるはずだと述べています。
もし、そうなったら、野党の大半が何でも反対勢力の今の状況からぐっと良くなるかと思いますけれども、この「中道」政党とやらが、どこまで無党派の受け皿となれるのかどうか。それが一つのポイントになるのではないかと思いますね。
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