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1.十年間とは思えない老けぶり
11月12日、立憲民主党の枝野代表が、衆院選での議席減の責任を取り、正式に代表を辞任しました。
枝野氏は辞任を受けて開いた記者会見で、辞任の原因になった衆院選敗北について「甚だ悔しく、力不足を申し訳なく思っている」と陳謝しました。
枝野氏は共産党との共闘について「あえて申し上げれば、この大きな方向性について、今回の選挙で違う選択肢はなかった。違う選択肢は採りようがなかったと思っているので、私自身はこの戦略というか、方向性を選択したことについて後悔はない」とした上で、「戦術論としては、実態以上に近い関係と受け止められてしまったのは間違いないと思っている。それはいろいろな事情があるが、最終的には我々の発信の問題だと思っている」とマイナス面も指摘。
そして「他の野党との関係については、かなり緻密に言葉を使い、進めてきたにもかかわらず、それが有権者の皆さんにきちっと伝わらなかったという客観的な事実はあると思っている。それは私自身の力不足だと思っており、きちっと実態通り報道していただき、有権者に伝わるような、努力がさらに必要だと思っている」と分析してみせました。
この報道にSNS上では、「10年間とは思えない老けぶり。生気がない。目が死んでる。お疲れ様でした」とか「枝野寝ろってワードが上がってくるくらい、やっぱみんなおもってたんだね。疲れてるように見える」「枝野さんというよりほかのメンバーがひどすぎたから負けたんじゃないの。苦労が多かったんだろうな。老けこむ理由も納得できる」など、枝野氏の激変ぶりに驚きの声が上がっていたようです。
後任を決める代表選は、19日告示、30日投開票の日程で行われることが決定。「ポスト枝野」には泉健太政調会長、大串博志役員室長、小川淳也元総務政務官、西村智奈美元厚労副大臣らが出馬を検討しているとのことで、来年の参院選に向け、共産党との協力関係のあり方などが争点になると見られています。
2.立民は共産と協力をやめるべき
枝野氏は立憲民主が共産党と近い関係だと思われたのが敗因だと述べていますけれども、実際、世間は共産党との共闘に否定的です。
日経新聞が11月10~11日両日に実施した世論調査で、立憲民主党が共産党との選挙協力を継続すべきかを聞いたところ「やめるべきだ」は56%で「続けるべきだ」の25%を上回りました。
支持政党別にみると立民支持層でも共産党との協力を「やめるべきだ」が6割弱で「続けるべきだ」の4割弱を上回り、支持政党がない「無党派層」でも「やめるべきだ」が41%で「続けるべきだ」が20%となっています。
更に、世代別にみても「やめるべきだ」は18~39歳が40%、40~50歳代と60歳以上はそれぞれ60%、63%で年齢が上がるほど協力に否定的な結果となっています。
枝野氏は共産党との共闘について違う選択肢はなかったと言っていますけれども、あれほどがっつり選挙協力しておきながら、閣外協力なんてやっていない、限定的だ、なんてといわれても理解しにくいでしょう。
ただ、地方自治体レベルでは自共共闘の選挙をやっているにも関わらず、自民が共産と近い関係だと見られていないことを考えると、そもそも立憲の普段の主張とか態度とかが、共産党と大差ないと見られているからだという気もします。
「立憲共産党」などと揶揄されたのにしても、世間がすんなりとそれを受け入れたところを見ると、そう思われるだけの下地があったのだと捉えるべきではないかと思います。
3.候補者を取り下げろ
日経の世論調査では新代表に相応しい人について、10人の名前を挙げて聞いているのですけれども、トップは蓮舫氏(14%)で、長妻昭氏(11%)、岡田克也氏(7%)、小川淳也氏は(6%)でした。これに対し、「いえない・わからない」が43%を占めています。
また、立民支持層に限ってみると上位から長妻氏、蓮舫氏、玄葉光一郎氏、小川氏となっています。
それにしても、「いえない・わからない」が4割を超え、相応しい人として挙げた1位でも14%しかないという現状は、これという人が全くいないという現状を如実に表しているといえます。
正直いって、誰が代表になったとしてもこれまでの立憲からその主張が大きく変わるようにも思えないのですけれども、その主張はともかくとして、今後も、共産"リアルパワー"と共闘していくのか、世論や連合など支持母体の声を聞いて共産との連携を止めるのかは大きな選択として新代表に突き付けられることは間違いありません。
そんな中、ある代表候補の裏話を橋下徹・元大阪市長が暴露しています。
11月6日、ABEMA『NewsBAR橋下』に生出演した橋下徹氏が、次期代表選出馬へ意欲を見せている小川淳也氏について「維新に"候補者を取り下げろ"と言ったが、僕のところにもメールしてきた」として、次のように述べています。
香川1区では自民と維新と小川さんが出ていて、このままでは野党の票が割れるから、一本化しなければいけない。立憲と共産は一本化できたけど、まだ立っていた維新の候補をなんとかして降ろしたかったんだと思う。こういうことは党と党で話し合えばいいことだが、立憲と敵対している以上、維新としては降ろすはずがない。そこで小川さんは、民間人で、しかもテレビに出ている僕に"なんとか取り下げてくれないか"とメールを送ってきた。僕が言ったからといって維新は動かないが、それでも僕が松井さんにお願いしたとして、それがバレたら大問題になったはずだ。
このメールはあくまでも私信だし、僕としても投票に影響したら問題だから選挙期間中は言わなかった。でも当選した以上、メディアに出ている人間として、政治をチェックしなくてはいけないから言わせてもらうと告げた。"こういうことは絶対にダメだ。政治家としてその判断は間違っていると思う"と。そうしたら、小川さんは、"脇が甘かった""反省している"と。ただ、これから政党の代表として高度な政治判断をしなければいけないかもしれないのに、そんなことすら判断できない人で大丈夫なのだろうか」
この発言に、ゲスト出演したジャーナリストの田原総一朗氏は「彼は闘争が好きだし、問題はあるが、それくらい橋下さんを信頼したのだと思う。そこが政治の世界は難しい。織田信長の昔から、権力は勝たなければダメだ。負けていくら弁解しても意味がない。勝つためにどうするか。織田信長は相手を全部殺した。田中角栄は金で買収した。そういうことを分かっている政治家は少ない。勝つためには何でもする。自民党も勝つために、今だってお金を出して買収している人はけっこういる。河井案里が広島で選挙をしているときに、金を配りまくった。元法務大臣の夫婦だ。勝つためには何をしてもいいと思っているということだ」と返しました。
政治家は勝たなければ何もできないというのは、確かにその通りだとは思いますけれども、国民にしてみれば、勝ってから何をするのかという方が遥かに重要です。
11月1日放送のTBS系情報番組「ひるおび!」に出演した小川氏は、政治ジャーナリストの田崎史郎氏の「今回立憲が負けたの左に寄り過ぎたから」との指摘に、「おっしゃる通りだと思います。田崎さんとばっちり意見が合うのは珍しいですが」と答えていますけれども、それが、単に選挙で勝つためだけの方便に過ぎないのか、本心で左に寄り過ぎた立憲を中道に戻さないといけないと思っているのか。
まぁ、それもこれも小川氏が立憲民主の代表になることがあったら、の話です。今後の動向は引き続きウォッチしていきたいと思います。
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