是々非々の維新は保守勢力だ

今日はこの話題です。
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1.岸田さんが本気なら


今回の総選挙で大躍進した維新に対して色目を使っているのは国民民主だけではありません。

健闘したとはいえ、15議席失った自民もそうです。

岸田総理は、議席減について「自民党に対して厳しい声が寄せられたことはあった。しっかり受け止めなければならない」とした上で、維新について「同じ保守勢力であることも踏まえ、政策ごとに是々非々で議論をしていく」と協力に期待感を示しました。

総選挙後の議席は自民261、公明32、維新41、国民11と与党293に維新と国民の52を加えれば345議席と衆院465議席の4分の3近くとなり、改憲発議に必要な3分の2、310議席は余裕で超えます。

改憲について岸田総理は1日の記者会見で、「党是である憲法改正に向け、精力的に取り組む……国民の理解を広げていく余地はある。国会と国民の理解、両方を進めることで結果につなげていきたい……総裁任期中にめどをつけたい」と意欲を示し、自衛隊の根拠規定明記や緊急事態条項の創設など4項目の党改憲案について、2024年9月末までの総裁任期中の実現を目指す考えを示唆しています。

一方、維新の松井代表は2日の記者会見で、「岸田さんが本気なら、他党のボイコットで議論が進んでいない憲法審査会を正常化し、最終的に国民に決定いただくべきだ」と述べ、来年夏の参院選までに国会で憲法改正案をまとめ、参院選と同時に国民投票を実施すべきだとの考えを示しました。

来年参院選を見据え、今後、岸田総理が改憲へアクセルを踏むのかは一つの注目ポイントだといえます。


2.異次元の大阪


改憲についてのスタンスでも明らかなとおり、維新は岸田政権に対し是々非々で臨むとしています。

10月31日、維新の松井一郎代表は記者会見で岸田政権に対するスタンスを問われると、「単独で法律を出せる力を頂いた。日本づくりの一翼を担えればと思う……いいことはいい、駄目なものは駄目というスタンスで臨みたい……安倍・菅両政権に対しても是々非々の対応をしてきた。同じことだ」と述べています。

総選挙前、ある維新関係者は、岸田総理について「総裁選で河野さんが勝っとったらマズかった。自分らと『改革』のイメージかぶってまうからな。その点、岸田さんは戦いやすい。『成長と分配』と言うとるけど、ハッキリ言って中身がない。結局、税金をバラまくことになるんとちゃうか。そら、『改革』を掲げる我々とは合わんやろ。ひとまず、選挙中は『岸田首相は掲げた政策を本当に実現できるのか』と追及していくつもりですわ」とコメントしています。

このコメントを読む限りでは、維新は与党に改革を掲げて迫ることが窺えます。

その一方で、「選挙が終われば、結局、岸田政権に近づいていくのではないか。実際、ある党幹部は『今回の選挙で一定の議席を取れば、岸田さんも我々を無視できない。安倍・菅政権時のような距離感をつくれるのではないか』と漏らしていました。党内では閣僚ポストを求める声すら上がっているようです」との声もあるようです。

まぁ、なんだかんだ言って、維新は議席3倍増の大躍進です。小選挙区で16議席。比例代表は全国11ブロックのうち10ブロックで25議席獲得しました。

とくに大阪では全19選挙区中16選挙区で勝利。15の選挙区で自民党候補と直接対決し全勝という圧勝ぶりです。

他県の小選挙区の結果と比べて、大阪だけ異次元の様相を呈しています。


3.物凄かった自民への反発


では、なぜこれほど大阪だけ、維新が強かったのか。

これについて、維新の松井代表は「日本に構造改革が必要と言い続けてきたことが議席増につながった」と分析。共同代表の片山虎之助参院議員は「自公勢力もだめ、立憲民主党や共産党を勝たせてもだめ、維新が日本のために必要だった」と、反自民票の受け皿になったことを強調しています。

ただ、反自民の受け皿だけでは、他県の小選挙区でも維新が勝利しても良さそうなものです。現実には大阪以外の小選挙区では維新は一つも取れていません。

ジャーナリストの門田隆将氏は、大阪で自民が全滅したことについて、維新の都構想について自民が共産と組んで、ありとあらゆる手を尽くして潰したこと。自民、共産、マスコミの利権構造を改革しようとした維新を自民、共産が邪魔したことに対する反発が物凄かったと自身の取材を踏まえて指摘しています。

その一方、知事の武漢ウイルス対策への評価がカギだったという指摘もあります。

ABCテレビとJX通信社が7月~10月に実施した継続世論調査では、大阪市で吉村知事の武漢ウイルス対策を「評価する」「どちらかといえば評価する」と答えたのは7割前後。9月調査に至っては、77%に達しています。

神戸市、京都市での同様の「評価」は、過去5回の調査では高かったときでも3~4割程度と、大阪での評価は突出しています。

大阪市で知事の武漢ウイルス対策を「評価する」と答えた人に、重視した観点も尋ねると「リーダーシップの強さ」を挙げた人が4割で最も多く、「医療機関への支援」「住民への情報発信」が2割程度で続いています。

住民に対する具体的な施策と情報発信が評価された訳です。

今回の総選挙では、維新の副代表でもある吉村知事は各地へ遊説し、関西以外でも票の掘り起こしに回ったことは維新の得票を後押ししたともみられています。

この世論調査と総選挙結果にABCテレビおよびJX通信社は、「中央」とのパイプを強調する旧来の全国型政党よりも、強い権限の「首長ポスト」を握って改革をアピールする地域政党の方が強いと大阪を取材して感じたと締め括っています。




4.武漢ウイルス禍という新要素


これらをみると、既得権益や利権に胡坐をかき、住民に対して何もしていないと見做されたことに対する反発が維新躍進の原動力の一つになったように思います。

これまでは国民が生活に直結すると捉えやすかったのは主に経済だけだったのですけれども、昨今の武漢ウイルス禍がその構図を崩したことは間違いありません。経済以外にも命に係わる要素が増えた訳です。

これまで国は、経済については、社会保障や補助金などいわゆる「ばら撒き政策」や、アベノミクスなどによる雇用の確保など、国家ならではこその政策を打つことで国民生活に手当することができました。

ところが、新たに加わった武漢ウイルス禍に対しては、病床確保やワクチンの打ち手の確保など、必要な手当ての遅れや情報発信の不足、ロックダウンなどの強制力が使えない法制度の不備、あるいは医師会などの既得権益の存在が露わになるなど、改革しなければならないことが山程あることが露呈しました。

これに国民が目を向けるようになった、あるいはならざるを得なくなったことは重要な変化ではないかと思います。

10月21日のエントリー「党首討論と戦国乱世」で筆者は、「世間の目は、反日を遠ざけるのは当たり前のこととして、その次の段階、つまり、既得権益に向かっている」と述べましたけれども、そちらの方向に向かっているのであれば、維新の存在感とその発言力は増々高まっていくのではないかと思いますね。


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