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１．感染爆発する韓国
韓国で武漢ウイルス感染が広がっています。
韓国の中央防疫対策本部は12月10日0時基準で一日の新規感染者数を7022人と発表。国内での発生は6983人で、累計感染者数は50万3606人と50万人を突破しました。
また、死者数は53人増えて累計4130人となっています。
これをうけ、韓国政府は6日から私的な集まりの人数制限や防疫パスポート拡大など特別防疫対策を施行し、ワクチンの2回目と3回目の接種間隔も従来の4～5ヶ月から3ヶ月に短縮することにしています。
更に、金富謙(キム・ブギョム)首相は感染者の8割を占める首都圏では「病床を増やしているが、感染拡大に追い付いていない」として、自宅療養を支援する態勢をとると述べています。
感染状況が悪化している背景について、中央日報は、国民の26.7％に接種されたアストラゼネカ製ワクチンの効果低下が一因とする専門家の分析を紹介していますけれども、関西福祉大の勝田吉彰教授は「アストラゼネカ製ワクチンの効果が低減したという説も否定はできないが、日本に比べて気温と湿度が低く、教会など密閉に近い構造の施設でクラスターが発生しやすくなっているのではないか……韓国は中東やアフリカとのビジネス面での結びつきが深い。かつて中東呼吸器症候群(MERS)が流行したように、コロナ禍でも新たなウイルスを持ち込むリスクが大きいといえる」と分析しています。
２．都合が悪ければ雲隠れ
この事態に当然のことながら、国民の不満は文政権に向かっています。
朝鮮日報は、「Ｋ防疫は国際標準になった」などと発言していた文大統領が、最近は青瓦台の報道官を通じてメッセージを送っていると皮肉り、中央日報も、文大統領ら政権中枢が、病床整備の司令塔を担う国立中央医療院の院長をたびたび激励していたが、実際には病床確保ができていなかったことから、「国民に対する防疫当局の詐欺」と糾弾しています。
これについてジャーナリストの室谷克実氏は「文政権が人気取りのため、『ウィズコロナ』政策を続けたことも感染拡大の原因だと考えられる。大統領が表に出てこないのも政権の功績と自認する『Ｋ防疫』を否定できないからだろう。このまま増加が続けば政権批判につながり、大統領選の与党候補にも響くことになる」と指摘しています。
都合が悪くなると、行方を眩ますのは、文大統領の悪い癖ですけれども、残り任期を考えると、このまま大統領の椅子を去ることだってないとは言えません。
３．平昌アゲインを夢見る文在寅
文大統領の任期は残すところあと5ヶ月です。南北首脳会談直後に83.0％もあった支持率は、今では38％(12月1日時点)と見る影もありません。
けれども文大統領自身は、在任中に何としてでも南北関係の進展を目指して、足掻いています。その目玉としているのが南北終戦宣言構想です。
12月8日、青瓦台関係者は12月8日、「中央日報」に対し「韓米韓の最終宣言関連文案調整は最終段階にあるが、まだ完成されたわけではなく『進行中』という状況……特にその間、韓米の終戦宣言調整過程で北朝鮮と着実に意思疎通してきた」と述べています。もっとも、どのように意思疎通してきたかどのような話し合いが行われてきたのか、具体的なことには言及していませんから、実際、どこまで進んだのかまでは分かりません。
これについて、元在韓国特命全権大使の武藤正敏氏は、文大統領は「平昌アゲイン」の夢を見ていると指摘しています。
武藤氏によれば、文在寅大統領は、北京オリンピックの開会式に合わせて自ら北京に乗り込み、そこで北朝鮮および米中首脳と共同で朝鮮戦争の終戦宣言を行うとともに、習近平主席との首脳会談を実現するという絵図を思い描いていたというのですね。
実際、2018年の平昌五輪では、金正恩・朝鮮労働党委員長の実妹である金与正氏に開会式に参加してもらうことに成功し、これを切っ掛けに南北首脳会談や米朝首脳会談につなげた過去があります。また、今年の東京オリンピックでも日韓首脳会談や南北首脳会談を目論んでいたと伝えられています。
けれども、韓国で広がる武漢ウイルスの影響を考えると、習近平主席の習近平国家主席の訪韓は難しくなりました。
更に、北京五輪も、アメリカが外交的ボイコットを宣言したことで、南北・米中が関与する終戦宣言の実現の見通しも風前の灯です。
今更、反日ブーストをしようとしても、その効果は知れています。
果たして、文在寅が韓国の国益に資する何かを残したのか。後世の評価を待つまでもないかもしれませんね。
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