香港立法会選挙について

今日はこの話題です。
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1.香港立法会選挙


12月19日、香港の立法会選挙の投開票が行われ、数人の自称民主派は全員が大差で落選し、親中派が圧勝。過去の立法会選で3~4割の議席を維持してきた民主派は、1997年の香港返還後初めて選挙による議席獲得はゼロとなりました。

これまで立法会の議席は70議席あり、そのうち35議席が住民の直接選挙により選ばれ、30議席は各種職能団体から、残り5議席が区議会
から選ばれる仕組みとなっていました。

ところが、3月上旬に開催された全人代で、議席を90議席に増員し、続く全人代常務委員会で、選出方法ごとの詳細を決定しました。
まった。

その内訳は次のとおりです。
・選挙委員会選出の議員 40名
・職能団体選出の議員 30名
・直接選挙で選出される議員 20名
新たに「選挙委員会選出枠」が設けられる一方で、直接選挙で選出される議員は20名へと減らされ、2019年の区議会選挙で民主派が圧勝した「区議会選出枠5」は廃止されました。

新設された選挙委員会選出枠では、候補者となりたい者は選挙委員会委員の少なくとも10名以上かつ20名を超えない委員の指名(各業界別に参加し推薦する委員は2名以上かつ4名を超えないこと)により候補者となることができます。

選挙委員会は候補者名簿に基づき無記名で投票を行い、得票数の多い候補者上位40名が当選します。

職能団体選出枠では、「職能団体」を漁業・農業界、工業界、ビジネス界等28の業界に分け、そのうち労工界(労働界)からは3名の議員を選出し、他の27の業界からは各1名の議員を選出します。

そして、各地区の直接選挙で選ばれる議員については、10の選挙区を設立し、各選挙区は2名の議員を選出します。

今回変更されたのは議席数だけではありません。

行政側は5月末に立候補者が「愛国的かどうか」を審査する「資格審査委員会」を新設しました。

これにより、選挙委員会選出枠は、親中派メンバーで構成される選挙委員会の推薦に加え、「愛国的かどうか」が資格審査されることになり、事実上民主派を排除しました。実際、2016年の前回選挙で全体の4割超の議席を獲得した民主派は今回、候補擁立すら断念しています。

一応「独立系民主派」などと称する候補ら十数人が出馬を認められていますけれども、これら審査を得た上で出馬を認められていることを考えればお里が知れるというものです。

更に、直接選挙枠の20名についても、香港紙の報道によれば、選挙区の区割りを見直し、前回2019年の区議会選挙のように民主派が圧勝することのないように、慎重に区割りをしたようです。

その結果、直接選挙枠20議席と選挙委員会枠の40議席は、親中派が全勝。職能別選挙枠30議席も民主派でも親中派でもない中間派がたった1人だけ当選する結果となりました。


2.『一国二制度』下の香港の民主発展


12月20日、中国政府は香港の民主主義に関する白書を発表しました。

中国国務院新聞弁公室が発表したこの白書は、「『一国二制度』下の香港の民主発展」と題され、「民主の実践の新たな気風を十分に示した」と選挙を称賛しています。

白書は「英国による植民地支配下の香港地区には、民主と言えるものはなかった。中国政府は香港地区に対する主権行使を回復し、『一国二制度』の方針を実行し、香港特別行政区における民主制度を確立し、実践する中でそのたゆまぬ発展と整備を支えてきた……近年、反中・香港攪乱勢力が特区の統治権の奪取と『カラー革命』の実施を目的に、『一国二制度』原則の譲れぬ一線に挑戦し、特区の憲政制度秩序に打撃を与え、香港地区の法治を破壊し、国家の安全を危うくし、香港地区の繁栄と安定を損なう様々な活動を行ってきた。反中勢力及びその背後の外部敵対勢力が、香港特別行政区における民主の前進を阻害する張本人であることは、事実が繰り返し示している」と主張しています。

また白書は「香港特別行政区における民主の発展と整備は、香港住民の民主的権利の保障、良き統治の実現、香港地区の長期的繁栄・安定の確保にとって重大な意義を持つ。『一国二制度』の香港地区における実践は、すでに多大な成功を収め、強大な生命力と制度的強靭性をはっきりと示した……『一国二制度』の実践の長期安定的前進を確保し、香港地区における民主の発展を引き続き推進するためには、『愛国者による香港地区統治』の原則を断固として貫徹・実行しなければならない」と自らを正当化しています。

要するに、今回の香港の選挙は正しいものであり、今後は共産党中央政府に従え、といっている訳です。


3.戦慄の一国二制度の実態


けれども、それが本当に正当なものであるのかどうかは投票率をみれば丸わかりです。

今回の選挙では、民主派の間で、白票で抗議の意思を示そうという動きもありました。けれども、低投票率が選挙の正当性を損ねると恐れる香港政府は白票や棄権を呼びかける行為を禁じ、違反者に最大で禁錮三年を科せるよう選挙条例を改正しました。

そして、SNSでの白票や棄権の呼びかけを摘発。中国本土に在住の香港市民のために臨時投票所を設けるほか、投票日には香港全域の公共交通機関を無料にして投票率を上げようとしました。

そこまでして、投票率はどうなったかというと、直接選挙枠の投票率は30.2%と2016年の前回選挙の58.28%や過去最低を記録した2000年の43.57%を大きく下回りました。

また、職能団体枠も32.22%と前回から42.11ポイントも減少しています。

一方、新たに設けられ、中国政府の息が掛かり捲った選挙委員会選出枠はというと、なんと98.48%に達しました。もう笑うしかない程の分かり易さです。

こんな体たらくでは、どんなに中国政府が香港の選挙の正当性をアピールしようと、世界の民主国家はそうは思わない。

特に台湾はそうでしょう。

今回の香港の選挙について、台湾の与党、民主進歩党の幹部は「一国二制度の実態を見せつけられた。独裁国家に期待も幻想も抱いてはいけないことを改めて実感した」とコメントしています。

また、香港の民主化を支持する台湾香港協会の理事長で、香港出身の弁護士、桑普氏は「国家安全維持法が施行される中、香港に残って独裁政権と対抗することは不可能となった。私たちは台湾や欧米などで香港の民主化のために戦い続ける」と闘志を燃やしています。

台湾では、18日に成長促進剤のラクトパミンを飼料に使った米国産豚肉輸入の是非を問う住民投票が行われていました。事前の世論調査では「禁止」を主張する意見が多かったのですけれども、与党が「台米関係に重大な影響を及ぼす」と必死に訴え続けた結果、輸入継続を容認する票が上回る結果となりました。

その理由として、中国と対抗するのにアメリカとの協力関係が必要不可欠と多くの有権者が危機感を抱いたことが逆転の原因と分析する意見が多かったようです。

昨年以降、蔡政権はほぼ5割の高い支持率を維持していますけれども、その要因の一つは「対中強硬姿勢」であると言われていて、台湾の住民も「台湾を香港にしてはいけない」との思いが強いようです。

台湾の次が沖縄であるのはいうまでもありませんし、台湾有事は日本有事であることも疑いありません。

中国政府の香港でのやり方は即、台湾や日本を侵略する手口でもあることを忘れてはいけないと思いますね。

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