ラーム・エマニュエル新駐日アメリカ大使

今日はこの話題です。
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1.ラーム・エマニュエル


12月18日、アメリカ議会上院の本会議は、新しい駐日大使にラーム・エマニュエル氏を起用する人事案について、賛成48、反対21、棄権31の賛成多数で承認されました。野党・共和党の一部の議員が賛成に回り、超党派での支持を集める一方、与党民主党から3人が反対しました。

エマニュエル氏は民主党の下院議員を経て、2009年に発足したオバマ政権で、政権の要となる大統領首席補佐官を務め、当時、副大統領だったバイデン大統領にも近いとされています。エマニュエル氏は、その後、シカゴの市長を8年間務めました。

支持派はこのエマニュエル氏の長年の公職経歴を評価したようです。

一方、反対派は、彼のシカゴ市長時代、黒人の少年が白人の警察官に射殺された事件をめぐって情報の開示が不適切だったなどとして批判していました。

アメリカの駐日大使は、ハガティ前大使が上院議員選挙に立候補するため、一昨年7月に辞任したあと、およそ2年半にわたって空席が続く、異例の事態となっていたのですけれども、ようやく解消されることになります。

エマニュエル氏はバイデン大統領にもじかに話ができる大使として、両国関係者の期待を集めるとの見方もあるようです。

 一方、エマニュエル氏は承認後、自身のツイッターで「アメリカと日本は共通の課題に直面しており、関係強化に向けて、大使として不断の努力をしていく」と日米関係のさらなる強化に取り組む考えを強調しました。


2.バイデン大統領の篤い信頼


エマニュエル氏の駐日アメリカ大使指名に対する議会承認を受け、岸田総理は、「米国議会において駐日大使として承認をされたということです。エマニュエル氏、バイデン大統領の信頼が大変厚い方だと聞いております。こうした新しい駐日大使とも緊密に連携していくこと、これも重要だと思います」と述べ、エマニュエル氏との緊密な連携に意欲を示しました。

また、18日、林外相もエマニュエル対しに次のような祝辞を送っています。
「駐日アメリカ合衆国特命全権大使
 ラーム・エマニュエル閣下

 今般、閣下が駐日米国大使に承認されたことに対し、心から祝意を申し上げます。

 米国政府や議会での要職やシカゴ市長を歴任され、バイデン大統領の篤い信頼を得ておられる閣下を駐日大使としてお迎えすることを嬉しく思うとともに、閣下が日本において活躍されることを確信しています。

 日米両国は、自由、民主主義、人権、法の支配などの普遍的価値を共有する強固な同盟国であり、日米同盟はインド太平洋地域における平和と繁栄の礎です。

 閣下が上院公聴会において発言されたとおり、日米のパートナーシップの下、何を築いていくかが、日米両国の将来や今後のインド太平洋地域にとって重要と考えます。

 閣下が早期に着任され、日米同盟の更なる強化及び「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、閣下と緊密に連携・協力していくことを楽しみにしています。

 閣下の新たな職務における御多幸をお祈りいたします。
まぁ、祝辞なので多分に社交辞令が入ったものだと思いますけれども、「バイデン大統領の篤い信頼を得ておられる」という文言がここにも入っているところを見ると、そういう情報が日本政府側に入っているということだと思いますし、日本政府筋は「ホワイトハウスとの太いパイプは頼もしい」と期待を示しているようです。


3.気性荒い豪腕政治家


エマニュエル大使は中西部イリノイ州シカゴ出身の62歳。与党・民主党の著名な政治家で、その辣腕ぶりで知られています。

1990年代、民主党のクリントン政権で大統領上級顧問を務めたあと、連邦議会の下院議員を3期務め、2009年に発足したオバマ政権では政権運営の要となる大統領首席補佐官を務めました。そしてオバマ大統領が最重要課題とした医療保険改革では議会対策を取りしきり、改革の実現に道筋をつけたと評され、この首席補佐官時代に、当時、副大統領だったバイデン大統領の信頼を得たと言われています。

その後、大都市シカゴの市長を2019年まで8年間務め、退任後は主要なメディアのニュース番組などにたびたび出演し、高い知名度を誇ってきました。

エマニュエル大使自身は、日本との繋がりは強くないものの、複数の関係者によると、駐日大使への起用が決まると、日本をよく知る元政府高官などとの面会を精力的に重ね、日本についての知識をあっという間に深めて周囲を驚かせたということですから、それなりに優秀な人なのだとは思います。

アメリカ政府関係者も、バイデン政権の高官には、オバマ政権からの再登板組が多いことから、エマニュエル大使について「バイデン大統領や周辺と直接話ができる」と口を揃えています。

けれども、その気性は激しく、喧嘩っ早いことでも知られています。

エマニュエル大使は10代の頃、レストランで働いているときに指を切ってしまったのですけれども、病院に行く代わりにそのままミシガン湖で泳ぎ、ひどい感染症になってしまいました。40度以上の高熱を出しながらも何とか生き延びたものの、指の一部を失ってしまったそうです。

攻撃的な政治スタイルから、名前のラームをもじって「ラーミネーター」とか、「ランボー」の異名を持つ彼の性格を最もよく表していると言われているのが、クリントン大統領が選挙で勝利したときの晩餐会でのエピソードです。

その場に居合わせた関係者の話によると、エマニュエル氏はクリントンの「敵たち」の名前を1人ずつ大声で叫び、そのたびにステーキナイフをテーブルに突き刺したそうです。

その激しい言動から政敵も多いとされるエマニュエル氏ですけれども、その一方で、議会での人脈は広く、今回の承認手続きでは、前の駐日大使で野党・共和党のハガティ上院議員がエマニュエル氏を強く推すなど、野党側からも支持を集めています。


4.ニコラス・バーンズ


バイデン大統領から駐日大使に指名されたエマニュエル氏ですけれども、当初は駐中大使として考えていて、駐日大使にはニコラス・バーンズ元国務次官になる予定だったのだそうです。

ニコラス・バーンズ氏は17歳の時、ベトナム戦争の失敗に強い衝撃を受け、軍事力の行使を回避するために外交官の道を志しました。学生時代から世界の情勢に通じた「万能選手」を目指し、国務省入省後の若手時代には中東や西アフリカに赴任し、更に旧ソ連担当責任者を務めた経験もあります。彼はその後、国務省報道官、駐ギリシャ大使、NATO大使、国務次官と、文句の付けようがないキャリアを積み、今では、アメリカで最も有能な職業外交官という声まで上がっているそうです。

そのまま行けばこのバーンズ氏が駐日大使となるところが、今年3月にアラスカで行われた米中外交トップ同士の会談が激しい非難の応酬に終わったのを受けて、バイデン大統領はバーンズ氏を駐中大使に起用することにしたといわれています。

エマニュエル氏と同じく連邦上院外交委員会の指名承認公聴会でバーンズ氏は「中国に対する強みは同盟国をもつことだ」と強調し、「中国との関係は21世紀における地政学上最大の試練だ」と指摘しました。

また、台湾については、「政権と議会は、台湾が十分に自主防衛できる能力を維持できるように支援するべきだ」とする一方、中国を正当な国家として認める「一つの中国」政策を継続する考えも示しつつ「紛争のリスクをなくすために、バイデン政権が効果的なチャンネルを模索するのは正しい」と、米中両国は意思疎通をしながら競争関係を管理する必要性を訴えています。

このように、バーンズ氏は話し合う姿勢で中国に臨むようですけれども、あるいは、バイデン政権は、エマニュエル氏を駐中大使にしたら、中共政府と衝突しまくって、仕事ができないと考えたのかもしれません。


5.日本を強力に後押しするはずだ


対するエマニュエル氏は公聴会で、中国が分断による制圧を目指していると批判し「アメリカの戦略は結束による安全保障であり、地域の結束は日米同盟の上に築かれている……60年以上、日米のパートナーシップは自由で開かれたインド太平洋の平和と繁栄の礎となってきた」と日米同盟の重要性を強調し、中国などを念頭に共通の課題に立ち向かうため、日米関係の強化が最優先事項だと応えています。

エマニュエル氏が駐日大使となったことについて、ニューズウィーク誌は、駐日大使となったエマニュエル氏は、日本の当局者を怒らせるだろうが、同時に中国に毅然とした態度で臨むよう日本を強力に後押しするはずだ、と指摘しています。

まぁ、流石にエマニュエル氏が岸田総理の目の前でテーブルにナイフを突き立てるとは思いませんけれども、対中融和の香り漂う岸田政権に対し、強硬な対中政策を求めてくることは考えられます。

岸田総理の「聞く力」が、ここでも発揮されるのか。要注目です。




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