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1.台風14号
台風14号が猛威を揮っています。
19日午前7時現在で台風14号の接近に伴って、福岡県で5人、宮崎県で13人、鹿児島県で9人、熊本県で4人、大分県で5人、佐賀県で1人、愛媛県で3人、広島県で1人、山口県で1人、高知県で1人、少なくとも43人が怪我をされたそうです。
鹿児島県屋久島町の消防署では強風の影響で扉が突然閉まり、消防隊員が右手をはさまれ、人さし指の骨を折る大怪我。愛媛県宇和島市では50代の男性が雨漏りの修理中、風にあおられ脚立から転落し怪我。静岡県牧之原市では18日夕方、突風が発生し、店舗からはがれ落ちた外壁にあたって2人が軽い怪我をしたということです。
最大瞬間風速は19日8時現在で50m/s、25m/s以上の暴風域は北東に260km、南西に185kmとのことです。
台風14号の風は相当なもので、18日、鹿児島市高麗町で南国殖産などが建設を進めている「ザ・パークテラス高麗タワー」でクレーンが折れて落ちそうになっているとの通報があったそうです。
風でクレーンが折れるなんてだけでもとてつもない台風であることが分かります。
ネットでは、大規模森林伐採で建設されたメガソーラーは大丈夫か、とか、保水力が低下して土砂崩れしないかとかいろいろ言われています。
下の図は、西日本のメガソーラー設置場所をプロットした地図ですけれども、鹿児島、宮崎、福岡に多く設置されていることが分かります。クレーンが折れる程の強風に、ソーラーパネルが無事であるとも思えません。これから被害状況も明らかになってくるとは思いますけれども、おそらくこれらも見直しの声が挙がってくるのではないかと思います。
2.台湾東部地震
日本が台風に見舞われる中、台湾で大地震が発生しました。
18日午後2時44分ごろ、台湾東部・台東県池上を震源とする地震が発生。マグニチュードは6.8で、震源の深さは7キロということで、最大震度は台東県で震度6強、花蓮県で震度6弱を記録しました。
この地震で東部・花蓮玉里でコンビニが倒壊。アパート1棟と2つの橋も崩壊したようです。
地元住民によると、地震による土砂崩れで道路が損傷し、玉里の赤科山で 400 人近くの旅行者が立ち往生。水道管にも損傷を与え、7000世帯以上が停電に見舞われたようです。
また、花蓮市の東里駅では、ホームに設置されたコンクリートの屋根が破損。瓦礫が列車に当たり6両が脱線。東海岸の2つの郡の鉄道路線に沿って線路とケーブルが損傷したことも報告されています。
ここ数日、この地域では、地震が相次いでおり、17日夜にはM6.4、18日午後1時19分ごろにはM5.9を観測していたのですけれども、台湾中央気象局・地震観測センターの陳国昌主任は今回の地震について、本震だとの見解を示しています。
この地震を受けて、蔡英文総統は18日、中央災害対策センターを設置。今後余震の可能性があることに触れ、警戒を続けるよう国民に呼び掛け、各地の被害に言及した上で、救助や復旧が行われていると説明。政府機関が最新の情報を把握し、真っ先に救助を行うと述べました。
蔡総統は、選挙活動で訪問していた台湾中部・南投県で今回の地震に見舞われたのですけれども、それでも、即日対策センターを設置し、各地の被害状況に言及出来たということは、台湾政府がそれなりに有事対応できていることの証左ではないかと思います。
3.台湾有事は日本有事
翻って日本はどうか。
9月18日、政府は総理官邸で台風14号に関する関係閣僚会議を開いています。
岸田総理はその席で次のように述べています。
大型で非常に強い台風第14号は、19日にかけて九州の西を北上し、広い範囲で大雨となる見込みです。暴風、高波、高潮に加え、土砂災害や浸水、河川の氾濫に最大級の警戒が必要です。
政府においては、昨日、台風に関する特定災害対策本部を設置し、私から、谷防災担当大臣に対して、情報提供を適時的確に行うこと、避難支援等の事前対策に万全を期すこと、被害状況を迅速に把握し、災害応急対策に全力で取り組むことの3点を指示いたしました。
また、本日この時点をもって、官邸に対策室を立ち上げます。各閣僚におかれては、警察・消防・自衛隊を始め、関係機関が緊密に連携しながら、国民の安全・安心の確保に万全を期すため、引き続き、緊張感を持って、先手先手で対応に当たってください。
国民の皆様におかれましては、最新の気象情報や避難情報などに十分に注意してください。また、河川や水路、土砂災害の危険がある箇所など、危険な場所には近づかず、少しでも危険を感じたら躊躇(ちゅうちょ)せず避難するなど、早め早めに、命を守る行動をとってください。また、夜間の避難は大変危険です。明るいうちに、高い場所や頑丈な建物など、安全な場所に避難してください。
先手先手で対応することに異論はありませんけれども、昨今の国際情勢を考えると筆者としては更に一歩の対応を望みたいところです。
というのも、日本が台風14号に襲われているのと並行して台湾で大地震が起こる。これは、台湾有事の予行演習に似た側面があるのではないかと思うからです。
先日の中国軍の台湾を包囲しての軍事演習で、中国は日本のEEZにミサイルを撃ちこんでいることから分かるように、中国は台湾進攻するときには、日本にもなんらかの攻撃を仕掛けてくることは十分に考えられます。
それは尖閣占領かもしれませんし、サイバー攻撃かもしれませんけれども、少なくとも日本国内に混乱を起こすことで台湾介入の手を鈍らせようとする筈です。
それを考えると、台風の直撃を受ける中で、台湾地震への災害救助などの支援を手配を進めるというのは、台湾有事での政府対応の練習になる側面があるのではないかと思うのですね。
災害救助で自衛隊を動かすにしても、国内と台湾の二正面で対応しなけばならなくなる。それが出来るのかどうか。
今のところ、日本政府の台湾救援支援についての報道は殆どありません。もちろん政府は、秘密裡にそれを行ってタイミングを見計らっているだけかもしれませんけれども、岸田総理が、「台湾有事は日本有事」という安倍元総理の言葉をきちんと受け取っているならば、台湾地震も視野にいれた安全保障の動きを期待したいと思いますね。
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