孤独の総理は翔べるか

今日はこの話題です。
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1.下げ止まらない内閣支持率


10月8~9日に共同通信が実施した全国電話世論調査で、岸田内閣の支持率は35.0%と13.9ポイント急落した前回9月からさらに5.2ポイント続落しました。一方、支持しないと答えたのは48.3%でした。

この続落傾向は他の世論調査でも同じで、10/1~2日に行われた調査では、読売が5ポイントダウンの45%、朝日が1ポイントダウンの40%。JNNの世論調査でも5.4ポイントダウンの42.7%となっています。

一方、自民の政党支持率は、読売が40.0%と前回と変わらず、JNNは34.4%で前回から0.4ポイント増と殆ど変動していません。

フジテレビ上席解説委員の平井文夫氏は、先週行われた総理所信表明演説と、各党の代表質問での岸田総理について「内閣支持率がどんどん下がっているせいか、岸田さんはやや元気がないように見えた」としながらも、「不思議なことに自民党内には危機感があまりない。たぶん政党支持率が悪くないからだろう。むしろ自民が上がって立憲が下がっている調査もある。しかも衆参の選挙は3年間ない。たとえ選挙があっても旧民主が分裂している以上、政権交代は考えにくいのだ。だから党内ではすぐに岸田をおろせという声も出ない」と述べています。


2.岸田政権もそうならないように願っています


9月6日、東京プリンスホテルで岸田派が研修会を開きました。ゲストに呼ばれた政治ジャーナリスト・後藤謙次氏は講演で「参院選で勝利し、岸田さんは『黄金の3年間』を手にしたと言われているが、自民党の歴史を見ると、選挙がしばらくないと安心していた政権はみな短命で終わっている。岸田政権もそうならないように願っています」と警告を発しました。

それまで頷きつつ聞いていた岸田総理は、瞬間、鬼のような形相に変わったそうで、研修に参加した岸田派の議員は、「以前なら笑って受け流していたでしょうが、最近の岸田さんは余裕を失っていて、ちょっとしたことでキレてしまう。まあ、その気持ちも分からんではない。安倍さんの国葬さえやれば支持率は上がると思っていたのに、逆に2割も下がったばかりか、安倍さんの支持層は『なんで台湾の総統を呼べないんだ』とか『ダライ・ラマが来ないのは岸田が媚中派だからだ』などと逆に文句を言い出したんですから……ヤケクソになった岸田さんは『何をやっても叩かれるんだから、得意の外交一本に絞る』と言い出した。数撃ちゃ当たる戦法で、とにかくたくさんの要人に会って手数を増やせば、批判を打ち消せると踏んだのです」と述べたそうです。

岸田総理は、安倍元総理の国葬で弔問外交を随分やったようですけれども、G7首脳は一人も参加できなかったこともあり大成功とまではいえませんでした。実際、国葬が無事終わっても、支持率は上がらず微減しています。

党三役も経験したある自民党重鎮は「岸田さんの空虚さが、国民にも露呈した……ヒラ議員時代から、岸田さんが党の部会で発言しているのを見たことがなかった。部会ではバカなことは言えないからそれなりに準備するものだが、岸田さんは何の努力もしてこなかったんだ。もっとも、そういう軽い人だからこそ、このタイミングで総理になれた面もあるんだがね」と手厳しく批評しています。

また、別の岸田派所属議員は「岸田さんは菅さんより線が細いボンボンだから、このままでは心がポキッと折れてしまう。ある日いきなり辞めるのではないか、と側近たちもハラハラしています。情緒不安定なのは、8月にかかったコロナの後遺症もあるのかもしれない。『あなたとは違うんです』と国民に逆ギレして辞めた、福田康夫元総理に雰囲気が似てきた」と零しているそうです。

更に、岸田総理の懐刀である筈の木原誠二官房副長官も、最近は苛立ちを見せることも多いそうで、ある省庁の幹部は「みんな幻滅していますよ。せっかく僕らが集まって何日も議論したものを、木原さんは決まって後から『ダメ』と言い出し、根拠のよくわからない感情論でひっくり返してしまうんだから。国家安全保障局長の秋葉さんも、安倍政権では外務審議官として汚れ役も引き受けていたのに、岸田政権では何もしないで黙っていて、最近は天下りのことばかり考えているみたいです。見限ったんでしょう。岸田政権は、僕ら役人から見ても末期ですよ」と述べている様子です。


3.機能不全の官邸


安倍元総理の国葬にしても、取り纏める責任者の人事に手間取り、結局、森昌文総理補佐官にまかせられることになったのですけれども、彼は事務が苦手で、参列者のタイムスケジュールから招待状から失敗だらけだったそうです。

また、岸田総理が先日行った国連総会の演説で目玉にしようと考えていた、NISA(少額投資非課税制度)の恒久化も結局立ち上げが間に合わず、盛り込まれることはありませんでした。

なんでも、8月末に総理、鈴木俊一財務大臣と木原副長官、金融庁の中島淳一長官らがオンライン会議をしたのですけれども、その時、金融庁から『システムの構築が間に合わない』と報告があったそうです。

岸田総理は「ええっ!」と言って絶句。「来月には国連総会で発表するんだ。何がなんでも間に合わせてもらわないと困る。しっかり……準備してもらいたい!」と一同を叱咤したようです。

もともとNISAの恒久化は、2024年1月から実施するスケジュールで、岸田総理がずっと前から木原副長官に指示していたのですkれども、金融庁が各金融機関へのヒアリングを進めていなかったのだそうです。官邸が進捗管理できていなかった訳です。

本来、こういう時こそ、総理周辺、いわゆる総理秘書官が岸田総理を支え、事態収拾に動くべきところなのですけれども、岸田総理の政務秘書官である嶋田隆氏も事実上機能していないのだそうです。

ある官邸スタッフによると「人脈も見識も乏しい岸田さんを本来は嶋田さんがカバーしなければならないのに、嶋田さんは『ザ・官僚』の超縦割り主義者で、自分の責任の範囲内でしか動かない。筆頭秘書官というのは、永田町からも霞が関からも恨まれながら、飴と鞭を使い分けて調整するのが役目です。小泉純一郎政権では飯島勲さんが、安倍政権では今井尚哉さんがそれをやったからこそ、長期政権が実現した。でも嶋田さんにはとうてい務まりません」と漏らしているとのことですけれども、これが本当であれば、官邸はガタガタで機能不全を起こしていることになります。


4.孤独の総理は翔べるか


10月4日、岸田総理は政務担当秘書官に、長男の翔太郎氏を抜擢すると発表しました。

これまで総理秘書官を務めてきた山本高義氏は議員事務所に異動となり、政務担当の総理秘書官は嶋田隆氏と翔太郎氏の2人体制となります。

この人事について、ある政治部記者は「同じ政務担当でも嶋田秘書官は事務次官出身で、大臣も顔色をうかがうような存在。長男だからといって、いきなり肩を並べられるわけもない。総理の日程や身の回りの世話に始まり、地元の有力者を官邸に案内したり、地方遊説などに付き添ったりする役割でしょう。ただ、秘書官になることで、総理の仕事を間近で見られる。各国の首脳とのやりとりや国際会議にも同席でき、知見が広がる。最近の親族の首相秘書官起用は、福田康夫内閣で長男の達夫氏が政務秘書官を務め、その後、群馬4区の地盤を受け継いだ。今回の人事も事実上の後継指名と言えるでしょう」と述べています。

翔太郎氏は慶応大学卒業後、三井物産を経て、2020年3月から岸田事務所で秘書を務め、2021年の衆院選では全国を駆け巡る岸田総理に代わってタスキを掛け、広島市内の街頭に立ちました。

地元の支援者によると「文雄先生も早稲田の学生時代から父親の文武先生の選挙を手伝っていた。翔太郎さんも慶応時代から選挙を手伝い、腰も低く、評判はいい。数人の車座集会でも嫌な顔もせず、ソツなく話せる」と評判はよいようで、宏池会ベテラン秘書も「慶応大で商社出身という経歴を活かし、トヨタをはじめ、大手生保、航空業界にも顔が利く。民間企業のビジネスマンと宏池会秘書の酒席を進んでセッティングしてくれる。父親譲りで酒も強く、テキーラを飲んでも顔色ひとつ変わらない。二次会にも付き合うが、翌朝が早いときは、その旨を伝え、多めにお金を置いておくなど立ち振る舞いがスマート」と高評価です。

10月7日、参院本会議で、立憲民主党の石垣のりこ氏の代表質問で翔太郎氏を総理秘書官に起用した理由について問われた岸田総理は「休日・深夜を問わず発生する危機管理の迅速かつきめ細かい報告態勢、党との緊密な連携、ネット情報・SNS発信への対応など、諸要素を勘案し秘書官チームの即応力の観点から総合的に判断した」と答弁しています。

実際、翔太郎氏は岸田総理と共に首相公邸で寝起きしていますし、何より親子ですからね。24時間いつでも岸田総理に報告を上げることができるポジションにいる訳です。

前述したとおり、総理秘書官である嶋田隆氏が機能していないのであれば、翔太郎氏は、代わってその役目を負うことになるのではないかと思います。

ただ、長男を補佐官に起用することで「税金を使った身内びいきではないか」といった批判もあります。安倍元総理は、アベガーやマスコミから何かと「お友達内閣」だのなんだの批判されていましたけれども、安倍政権中は、実弟である岸信夫氏を閣僚として起用することは一度もありませんでした。

それくらい配慮していたのですね。にも関わらず岸田総理は身内を補佐官にした。

これは、もちろん、官邸を機能させることを期待してのことでしょうけれども、それ以上に岸田総理にとって一番信頼できる人物として翔太郎氏を傍に置きたかったのではないかという気がします。

筆者は、7月12日のエントリー「安倍ロスの衝撃と追われる者」で、安倍元総理を失った岸田総理は、「追う者から追われる者へ」と立場が変わり、今後真の意味で総理の重圧、「どす黒いまでの孤独」を感じてくるのではないかと述べたことがありましたけれども、いま、まさにその状況にあるのかもしれませんね。


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この記事へのコメント

  • Naga

    私も岸田内閣は支持しませんが、野党はもっと支持しません。もっと酷いということを知っているので。

    > 得意の外交一本に絞る
    岸田首相って外交が得意なんですか??? 韓国のようなチンピラ国家に騙されるのは得意のようですが。なにせ2回も騙されて、3回目も騙される寸前でしたよね。弔問外交でも台湾を外すために迎賓館に招くための条件を付けたら、その他多数の国も該当し、そもそも中国に阿って台湾を外すなどア○なんでしょうか?  どこが外交が得意とは中国に阿ること????????????????????
    不思議????????????????????
    2022年10月11日 16:43
  • noken

    コメント読んだらわろてしまって書こうと思ってたことを忘れた。

    >岸田首相って外交が得意なんですか???

    失礼なw
    チンピラ国家を満足させ宥めるため
    こんなに外交↓努力しているというのに

    >韓国から日本へのノービザ旅行、明日から解禁
    >→ 「韓国旅行客の予約、20倍に急増」

    要らんこと余計なこと国益にならんことだけは決断早いよなw
    と言われる始末ww
    ま、某元総理のように左右どちらもなんて二兎を追って
    どっちからも不満噴出とか茶番劇は避け、
    国益(日本の為の政治)だけにしっかり軸足を置いてくれれば
    反日敵国からしかブーイングされんと思うし、それが本来其の国の政治家の姿。
    敵国に阿り自国を蔑ろにすることが、友好とか配慮と言うのは違うと思うんでね。
    2022年10月12日 02:13