

1.ゼロコロナを諦めた政府
11月10日、政府は武漢ウイルスの流行「第8波」に備え、都道府県による感染対策を強化するための仕組み「対策強化宣言」を創設する方針を固めました。
政府関係者によると、国が昨年11月に設けた5段階の感染警戒レベルを見直し、新規感染者ゼロの維持を目安としている「レベル0」をなくし、病床使用率の50%超えなどが条件の「レベル3」に達した都道府県は対策強化宣言を出し、住民に感染リスクの高い場所への外出や大人数での会食の自粛を求められるようにするとしています。
さらに医療の逼迫が著しい状況の「レベル4」では帰省や旅行の自粛などの要請を可能にする一方で、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置で行える、飲食店に対する営業時間の短縮要請などの行動制限は盛り込まないとのことです。
新規感染者ゼロの維持を示す「レベル0」を無くすということは、ぶっちゃけ「ゼロコロナ」は諦めたということです。
それはそれで妥当だとは思いますけれども、「レベル3」になったとき、外出や会食の自粛を要請できるとしていながら、さらに上の「レベル4」になっても、飲食店に対する時短営業の要請などはしないとは、外食してOKなのかダメなのか。意味が分かりません。
2.第八波に突入した
11月8日、東京都医師会の尾崎会長は定例会見で、今の感染状況について、「第8波に入りかかっていると考えることもできる」という見解を示しました。そのうえで今できる対策として、「ワクチンを打つことが大切で感染抑止になる。仮に感染してもワクチンを接種していると症状は軽く、体内でのウイルスの増殖は抑えられ、周りの人に感染させる力が弱くなると思われる」として、第8波の感染者数を増やさないためにも今月中にワクチンを接種してほしいと訴えました。
そして、さらに武漢ウイルスとインフルエンザの同時流行に備えて、複数の抗原検査キットを用意することが必要だとして、「抗原検査はある程度ウイルスが増えないと陽性にならないので、検査キットは複数持っておくことが大切で、検査の注意点をしっかり把握しておいてほしい」と呼びかけています。
3.感染拡大に備え的確に対応するための緊急提言
11月7日、政府主催の全国知事会議が総理官邸で開かれました。この中で岸田総理は、武漢ウイルス対策について「この冬のインフルエンザとの同時流行に備えるため、外来などの保健医療体制のさらなる拡充や、オミクロン株に対応したワクチン接種の最大限の加速が必要となる。都道府県の協力が不可欠だ」と、ワクチン接種の加速に向けた協力を求めました。
これに対して、全国知事会の会長を務める鳥取県の平井知事は「新型コロナとの戦いも3年目になったが、現場では第8波を感じている。経済と社会を同時に回しながら住民の健康や命を守らなければならない。ワクチン接種を、国と地方が協力してやっていかなければならない」と応じました。
全国知事会は緊急提言を纏め、政府に提出するとしていますけれども、現時点での提言案からその見出しを拾うと次の通りです。
1.感染拡大防止等についてこのように、提言では、インフルエンザとの同時流行対策と、ウィズコロナ下の社会体制を目指すとの方向性を示しています。
(1)季節性インフルエンザとの同時流行対策
(2)ウィズコロナに向けた新たな段階への移行
(3)基本的な感染対策の再徹底
(4)検査体制の強化
(5)無料PCR等検査の拡充
(6)水際対策
2.ワクチン接種の円滑な実施について
(1)オミクロン株対応ワクチンの接種
(2)乳幼児及び小児への接種
(3)その他
3.保健・医療体制の強化について
(1)保健所機能の強化
(2)自宅療養者等への対応
(3)感染者・濃厚接触者の行動制限等
(4)新たな変異株の特徴等に即した医療提供体制の構築等
(5)感染患者の受入れに対する財政支援の強化等
(6)感染患者受入れ医療機関等の安定経営に向けた財政支援
(7)ワクチン・治療薬の確保等
(8)後遺症の治療法の研究・開発等
(9)新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方及びその疑いがある方の葬儀、火葬等
4.感染症対策と社会経済活動の両立に向けた支援について
(1)事業者・生活困窮者等への支援
(2)対策経費の全面的支援と地方創生臨時交付金の充実及び弾力的運用等
(3)観光産業への支援
5.次の感染症危機に備えるための対応について
(1)初動対応と特措法に基づく措置の実効性の向上
(2)司令塔機能における地方の意見の反映
(3)感染状況に即応した情報・対策の発信
(4)検査体制の強化
(5)医療提供体制確保のための財政措置等
(6)医療人材等の確保
(7)都道府県と保健所設置市・区との連携強化
(8)医療DXの推進
4.ワクチン費用の国の全額負担見直し
同じく、この日、政府の財政制度等審議会が行われました。
件の提言では、「オミクロン株に対応したワクチンの希望者への接種を年内に終えるよう取り組むこと」や「インフルエンザワクチンとの同時接種の有効性や安全性を周知すること」等を提言しているのですけれども、現在武漢ウイルスワクチン接種の費用は国から自治体などに補助金の形で支給し、昨年度は2兆3000億円余りの国費が投じられています。
財政制度等審議会ではこの点についても協議され、財務省の担当者は、補助の対象や費用に制限が設けられていないとしたうえで、医師の不足から委託費が通常の3倍を超える事例や、人口1人当たりの補助金の使用額が自治体の間で、最大で24倍もの差がある実態を説明しました。
そして、季節性インフルエンザなどと同じように、接種希望者が費用の一部を負担する「定期接種」に移行するなど、見直しを図るべきと指摘。委員の間からも支援の緊急性は薄れているといった意見が出され、見直しを求めることでおおむね一致しました。
これについて、審議会の増田寛也分科会会長代理は、記者会見で「重症化の程度や重症化率を見ながら、特例的な措置は廃止していく方向で検討していくべきだ」とし、見直しを進める方向へと舵を切りました。
これについて、松野官房長官は記者会見で「審議会の指摘は今後の課題として重症化率やほかの感染症とのバランスを見ながら、接種希望者が費用の一部を負担する『定期接種化』を検討すべきではないか、という趣旨と承知しており、足元の接種の加速化の方針と矛盾するものではない……」政府としては引き続き希望するすべての対象者が年内にオミクロン株対応ワクチンの接種を受けられるよう、1日100万回を超える接種体制を確保するとともに、接種促進に向けてテレビCMやSNSなど、さまざまな媒体による情報発信や関係団体への働きかけに取り組んでいく」と述べています。
けれども、接種する国民にしてみれば、いままでタダだったのが金をとるとなると接種のモチベーションは下がります。にも関わらず、接種を加速したいのであれば、単に打ってくださいという働きかけだけでなく、費用負担を補って余りあるベネフィットをしっかりと提示しければ、難しいのではないかと思います。
5.接種直後に容体急変
11月5日、愛知県愛西市佐織総合福祉センターで行われた武漢ウイルスのワクチンの集団接種で、40代の女性が接種した5分後に容体が急変、1時間半後に死亡するという事故が発生しました。
市によると、女性には基礎疾患があり、今回が4回目の接種だったということです。
死因は急性心不全とされていますけれども、接種の5分後「息苦しい」などと体調悪化を訴え、嘔吐などの症状も出ていたそうです。
ワクチンの接種については、日本救急医学会が呼吸困難や意識の消失など複数の症状が出た際は、アナフィラキシーを疑って迷わずアドレナリンを注射するようガイドラインを作っているのですけれども、死亡した女性の夫によると、体調が急変した際、その場に待機していた医師や看護師は、アナフィラキシーの対応経験がなく、対応もしなかったのだそうです。
この事案について愛知県医師会の柵木充明会長は「女性は、アナフィラキシーショックを起こしていた可能性が考えられる。死亡に至った重大な事案と受け止めていて、臨時で委員会を開くことも含め、迅速に対応して検証したい」と述べ、愛知県医師会は、医療事故の検証を行う専門の医療安全対策委員会を立ち上げ、女性の体調が変化した経緯や、容体が急変後に行われた処置などについて詳細を確認し、対応に問題がなかったかどうか検証するとしています。
6.ワクチンでサイトカインストーム
愛知県医師会は、対応に問題なかったかと検証するとしていますけれども、それ以前に、ワクチンそのものに問題がないのかについてマスコミから疑問の声が殆ど聞こえてこないのも気になります。
11月4日のエントリー「ワクチン接種事業と救済認定」でも取り上げましたけれども、武漢ウイルスワクチン接種に伴う健康被害の補償申請が激増していることを考えると、接種会場の対応だけでなく、ワクチンそのもののリスクに対しても、更に目を向けるべきではないかと思います。
8月15日、広島大学は「COVID-19ワクチン接種後のサイトカインストームの4例:症例報告」という論文で、ワクチン2回目の接種後1~10日で死亡した20~50代の男性4人の遺体から、死亡後、それぞれ24時間以内に採血した血液サンプルを「RNAシーケーシング」という最先端技術を使って解析した結果を報告しています。
研究チームは、遺伝子の遺伝情報がさまざまな生体機能をもつタンパク質の合成を通じて具体的に現れる、いわゆる「遺伝子発現」について、ワクチン接種後の症例と、失血と絞殺で死亡した対照群との間で発現差のある遺伝子を特定した結果、390個の遺伝子が発現上昇し、115個の遺伝子が発現下降したことを突き止めました。
このうち、発現上昇した遺伝子はサイトカインを促すものだそうで、結果として全身でサイトカインストームが発生。全身性炎症反応症候群(SIRS)を発症して死に至ったと推認しています。
症例報告では、「死亡した4人は、最初のワクチン接種によって免疫能が感作(特定の抗原=新型コロナウイルスに対して生体が感じやすい状態に)され、2回目のワクチン接種によってSIRSが発症しやすくなったと考えられる。また、この4人はSIRSを発症しやすい生まれつきの素因を持っていた可能性がある」と、ワクチン接種後に免疫調節不全が発生したことを示唆していると述べています。
7.文字がちっちゃいんだよっ
11月9日、記者会見を行った松野官房長官は、先述した、愛知県でワクチン接種後に無くなった女性について、記者から「因果関係について検証する必要があるのではないか」と問われると、「ご指摘は承知している……現時点で厚生労働省やPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に副反応疑い事例の報告は来ていない……事例が来た場合、副反応疑い報告制度により、情報を収集し、PMDAや厚生労働省の審議会において専門家による個別事例の評価が行われる。これまでコロナワクチンとの因果関係が明らかになっているケースはない」と述べていますけれども、11月7日、厚労省は、ワクチン接種後無くなった6人について、接種が原因で死亡した可能性が否定できないとして死亡一時金を支給することを決めています。
これらから、松野官房長官の定義では、「接種で死亡した可能性は否定できない」は、「因果関係が明らかになった」の中には入っていないことになるのですけれども、ワクチン接種を続けながら、因果関係が明らかになるまで待っていたら、どんどん死亡者が増えていくことにもなりかねません。
ここで、「ある注射」を説明をした下の5つの文章を挙げてみましたけれども、どれも、実在しています。
a)基礎疾患がある人がいました。ある注射をしました。5分後に呼吸困難になり、1時間半後に死亡しました。この5つのケースで、a)は先の愛知県の死亡例から武漢ウイルスワクチンという文字を使わずに文章にしたものです。b)は令和3年2月17日~令和4年7月10日までに報告されたファイザーの武漢ウイルスワクチン2回目接種の死亡例です。
b)ある注射を8500万人接種しました。612人死亡しました。
c)ある注射を4500万人接種しました。16人死亡しました。129人重症化しました。
d)ある注射を接種しました。風邪に罹りました。2%の人が重症化しました。
e)ある注射は接種しませんでした。風邪に罹りました。9%の人が重症化しました。
対してc)は平成22年10月~平成23年3月までに接種されたインフルエンザワクチンの死亡と重症化例です。
そしてd)とe)は埼玉県内で令和3年5月1日~10月7日の期間での、70代以上の武漢ワクチン接種有無別の重症化率です。
d)とe)を比べるとワクチン接種に大きくメリットがあるようにも見えませんし、b)とc)の死亡率の差が100倍単位で違っていることを考えると、もはや武漢ワクチンについてはベネフィットよりもリスクが上回っているのではないかという気さえしてきます。
政府や東京都医師会は、打てば感染抑止ができて、重症化も防げるのだと言っていますけれども、武漢ウイルスワクチンの枠内でリスクとベネフィットを語るだけでなく、既存のワクチンとの比較もした上で、リスクとベネフィットを考えてみる視点も大切なのではないかと思いますね。
文字がちっちゃいんだよっ💢 pic.twitter.com/D6oe4JjV1U
— ぴりか (@hbssPYaQq5LW9f9) November 6, 2022
この記事へのコメント
深森
夏季よりも冬季のほうが一刻を争う心血管系疾患が多くなりますし、
医療関係者は非常に警戒しているところかと。
第7波の時のような、救急医療の機能不全が広がらないよう、祈るばかりです。
(冬季に救急医療が機能不全を起こすと、夏季より影響が深刻になるので)
※沖縄県は、感染者が急増すると同時に入院の必要な重症患者が急増し、
通常の医療体制が機能しなくなるなど、一時期、医療崩壊の瀬戸際にありました
※新たな医療崩壊リスクとして病院・電子カルテに対するサイバー攻撃も見込む
くれぐれも感染には気を付けて、生き延びてくださいませ。
ご安全に!
深森
https://www.ajog.org/article/S0002-9378(22)00800-6/fulltext?dgcid=raven_jbs_aip_email#pageBody
ざっくり言うと
「ワクチン未接種の妊婦がコロナ感染すると、胎盤の破壊が起こり、死産・流産となった」
※なお、死産と流産が起きた事例は、数字としては少ないと感じられるかも知れませんが、
すべての事例において、共通点は「ワクチン未接種だった」と報告されています。