ツイッターの役割とジャーナリズムの役割

今日はこの話題です。
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1.ツイッターは社会に憎しみを垂れ流す泉と化している


テスラのイーロン・マスクCEOが、ツイッターの改革に乗り出した最初の1週間で人種差別的な言葉の使用が3倍に増えたとニューズウィークが報じています。

イギリスの非営利団体デジタルヘイト対策センター(CCDH)が分析サイト「ブランドウォッチ」を使って、世界中の英語のツイート、リツイート、引用ツイートなどの調査を行った結果、10月31日からの1週間で、Nワード(黒人を指す蔑称)が使われたツイートとリツイートは2万6228件で、2022年平均の3倍だったことが分かりました。

この期間にトランスジェンダーを差別する蔑称が使われたツイートとリツイートは3万3926件、同性愛に対する侮辱語は2万1903件に使用され、2022年平均と比較して、それぞれ53%、39%増加したとしています。

また、マスクCEOがツイッターのオーナーになった最初の週には、反ユダヤ的な侮辱語が登場したリツイートは2598件と2022年の平均値に対してそれぞれ23%増加したと報告されています。

デジタルヘイト対策センター(CCDH)の創設者イムラン・アーメド氏は、「なんのお咎めもなく人種差別的な中傷で他人を攻撃できる世界など、誰も望んでいない。イーロン・マスクは、広告主に対してそのような世界を『地獄絵図』と表現し、それを防ぐためにできることは何でもすると言っている……ツイッターのコンテンツ管理責任者はヘイトの排除に成功したと言っていたが、私たちの調査で、それは真実ではないことがわかった。我々の調査発表と同じ日に、その責任者が突然辞職したのは、ツイッターに憎悪があふれていることを示しているのかもしれない。憎悪は、免疫力の弱いところにはびこる病気なのだ……ツイッターは、イーロン・マスクのもとで、この社会に憎しみを垂れ流す泉と化している。オンライン安全法案を制定して、ツイッターという『できもの』を切開し、ソーシャルメディア企業が国家の統一性を損なうことがないよう対策するべき時だ」とコメントしました。

11月4日、マスクCEOは「不適切な投稿を監視するコンテンツのチェックに注力するツイッターの姿勢はまったく変わっていない。マスコミは逆のことを報道しているかもしれないが、今週は憎悪に満ちた言論が以前のツイッターの標準より減ったときもあった」と述べ、デジタルヘイト対策センター(CCDH)の報告とは真っ向対立しています。

マスクCEOの改革に関して、巷でも「ツイッターは誤報と有害な言論の拡散を許している」という批判的意見もあれば、「『憎しみと戦う』のはツイッターの仕事ではない。それは言論の自由の勝利ではない」という意見もあるようです。


2.左翼と平民


このように、ツイッター上のコンテンツ管理の是非が議論されるようになってきた訳ですけれども、それはコンテンツ管理以前に、ユーザーそのものの発言権を管理していたことにも一因があると思います。

2021年にツイッターが発表した「市民活動の阻害に関するポリシー」や「COVID-19について誤解を招く情報に関するポリシー」では、該当する違反ツイートがあった場合、ストライク制で処分を下すことを発表しています。ルールに抵触するツイートがあると1回ごとに1ストライクとカウントし、5ストライクで永久凍結としています。

先日マスクCEOはアメリカのトランプ前大統領のツイッターアカウントの凍結解除をアンケートに掛け、過半数の賛同を持って凍結解除していますけれども、アカウント凍結は、その人の個々の発言の是非ではなく、発言そのものを封殺してしまう行為です。

11月11日のエントリー「暴露されたツイッター社のキュレーション」で、マスク氏がツイッター改革を始めてから、多くのユーザーがツイッターを辞め、マストドン(Mastodon)などの他のプラットフォームへの移行を始めていることを取り上げましたけれども、そのマストドンで異変が起きていると話題になっています。

なんでも、ユーザーから他人のツイートに対しる苦情が運営に殺到しているらしく、運営側が「気に入らない投稿があってもいちいち通報しないでくれ。ここはツイッターではないんだ。嫌な相手はミュートかブロックしてくれ」と悲鳴を上げ、それが話題となっています。マストドンは、これまでのツイッターのように「キュレーション」はしてないようなのですね。

Stonetoss.comという、時事問題やアメリカンカルチャー、インターネットカルチャーを扱う自主制作のウェブコミックには、「平民」と「左翼」を比較した風刺画がありますけれども、聞きたくない話題について、普通の人(平民)は「耳を塞ぐ」のに対し、左翼は「相手の口を塞ぐ」行為に出ると皮肉に満ちた的確な表現をしています。

この表現に従えば、アカウント凍結、あるいはキュレーションもそうかもしれませんけれども、そのようなやり方は、「左翼」ということになります。

これをツイッターとマストドンに当てはめると、キュレーションをしていたツイッターは「左翼」的で、マストドンは「平民」的だといえるのかもしれません。

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3.ジャーナリズムの役割


この程、世界のジャーナリズムの状況を評価する団体「Worlds of Journalism Study」は、20個ほどの「ジャーナリズムの役割候補」を並べてそれぞれの重要性を5段階で答えさせる68ヶ国横断アンケートを行いました。

その中で「あなたの仕事で『事実をありのままに伝えること』はどのくらい重要ですか? 5段階で答えてください」という質問に「extremely important」「very important」と答えたジャーナリストの比率が、アメリカ98.3%、フランス96.5%、イギリス93.0%と20項目中トップであったのに対し、日本はわずか65.1%と4位。これはロシアの78.7%、中国の83.8%よりも低い驚くべき数字です。

独裁国家の中露よりも「事実をありのままに伝えること」を重要視していないとは思いもしませんでした。

日本のジャーナリストでもっとも重要だと考えているのは「政治リーダーを監視・精査する」の90.8%で、続いて「時事問題の分析を提供する」が84.7%でした。

更に注目すべきは他国と比較して「政治的アジェンダを設定する」が重要な仕事と考えている率が異様に突出し、「客観的な観察者であること」や「人々が意見を表明できるようにすること」に重要性を感じている率が低い点です。

これは要するに、政治的世論はジャーナリストが作り出すものであり、一般国民は口を出すな、と思っているということです。これは正に前述の「平民」と「左翼」を比較した風刺画でいう、一般国民の口を塞ぐ「左翼」そのものであることを意味します。

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こんな意識の人がツイッターを使い、またツイッタージャパンの運営側が「キュレーション」していたとなると、ツイッタージャパンは少なからず「左翼」に乗っ取られていたといえるのではないかとさえ思えてきます。

これについて、最近日本のツイッターユーザーが、「TwitterJPは日本人差別をやめてほしい!」とツイートしたところ、マスクCEOが「どういうこと?」と反応。それに対し「日本や日本人を罵倒するアカウントは罰せられず、日本や日本人の名誉のために発言するアカウントは即座に凍結されます。非常に不公平な状況です」と事情を説明する顛末があり、一部で話題になっています。

このツイートに次々と賛同や同意見を訴えるリツイートがついていますから、本当である可能性は高いと思いますけれども、これなども、ツイッタージャパンが「左翼」に乗っ取られていた証左といえるのかもしれません。

果たして、これに対してマスクCEOが最終的にどう判断、対応するのかは注目していきたいと思います。




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