日本の水際措置見直しについて

今日はこの話題です。
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1.水際措置の見直し


12月27日、岸田総理は中国で武漢ウイルスの感染が急拡大していることを受け、12月30日から中国からの入国者を対象に、入国時の検査を実施するなど緊急の水際措置をとることを明らかにしました。

岸田総理は「中国本土では感染が急拡大しているとの情報がある一方、中央と地方、政府と民間の間の情報が大きく食い違うなど詳細な状況の把握が困難で、日本国内でも不安が高まっている。こうした状況を踏まえ、臨時的な特別措置を講じることとした……国内への流入の急増を避けるため、入国時検査や空港の集約を行うもので、国際的な人の往来を止めないよう可能なかぎり配慮し、中国の感染状況などを見つつ柔軟に対応していく。国内で足元の感染状況に十分注意しながら、慎重かつ着実にウィズコロナへの移行を進めていく方針に影響を与えるものではない」と述べています。

具体的な対策としては、内閣官房、法務省、外務省、厚生労働省、国土交通省から12月27日付で次のような通達が出されています。
水際措置の見直しについて
12 月 30 日以降、以下の臨時的な措置を講じる。

1.中国(香港・マカオを除く)に渡航歴(7日以内)のある全ての入国者に入国時検査を実施する。また、中国(香港・マカオを除く)からの直行便での入国者については全員入国時検査を実施する。

2.中国(香港・マカオを含む)と日本の間の直行旅客便については、到着空港を成田国際空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港の4空港に限定し、増便を行わないよう、関係する航空会社に対して要請する。

(以上)
このように、7日以内に中国渡航歴がある人に入国時検査を実施し、直行便の到着空港も成田・羽田・関西・中部の4つに限定し、増便もしないとしています。

また、入国時検査で陽性者は待機施設で原則として7日間隔離し、無症状の場合でも5日間の隔離対象とするようです。

ただ、これらを見て分かるとおり、入国時検査の対象は、中国渡航歴がある人であり、中国に行かなくとも、第三国で無症状感染の中国人と接触して、感染して帰国し、その時症状が出ていなければ、そのままスルーされる危険があります。

従って、水際対策といっても、厳密には蛇口を絞るくらいにはなっても、完全シャットアウトする訳ではなく、日本に入ってくるリスクは依然として存在します。


2.科学的でなければ正確でもない


この日本政府の措置に対し、中国は早速反発しています。

12月27日、中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は記者会見で、「防疫措置は科学的で適度なものでなければならない。正常な人的往来に影響を与えるべきではない」とし、これまでの中国側の防疫措置について「中国政府は、一貫して科学的で正確という原則を堅持し、感染状況の変化に基づいて常に対策を適正化してきた」と主張しています。

けれども、中国政府は、今回の感染拡大で、民間でのウイルスのゲノム解析を禁止し、感染者数の発表も止めています。科学的でも正確でもありません。

にも関わらず、中国政府は、26日に中国に入国する際に義務付けてきた隔離措置とPCR検査を撤廃。来月8日からは、入国48時間前に受けたPCR検査の結果が陰性なら入国を認めることとしています。

そして出国についても、中国人の海外旅行は、世界の感染状況を見ながら「秩序正しく」回復させる方針とし、海外への団体旅行は停止されているものの、状況次第で再開させる可能性があると見られています。

当面は、帰国時の隔離を嫌って国内にとどまってきた個人観光客が、海外旅行に出ると見込まれていて、中国紙の第一財経日報によると水際対策の緩和発表後、中国のオンライン旅行予約サイトで海外旅行に関する検索が急増。日本、韓国、タイが注目されているそうです。

まぁ、アメリカなどは早々にビザ発給を停止していますからね。そうでない国を海外旅行先に選ぶのも自然なことです。ただ、これで日本も水際対策を強化したことで、中国人観光客が日本行きを諦めるのかどうかまでは分かりません。


3.生物兵器は止まらない


案の定というかなんというか、今回の水際対策見直しについて、国内のネット界隈では、手ぬるいとの批判の声が上がっています。

曰く、「あんな甘い水際対策では感染拡大は防げない」、「尖閣に毎日侵略している中共に何故忖度し続けるのか?」、「水際強化じゃ駄目なんだよ!💢💢入国を完全に止めるんだよ!!」など、一部では評価するという投稿もあるものの、批判の声が大勢に見えます。

中には、もっと過激な意見もあります。

経済安全保障コンサルタントの平井宏治氏は「2年前、中国は「武漢ウイルスは人人感染はない」と嘘をついた。我々は中国政府が国民を人間ウイルス噴霧機にして、世界中に武漢ウイルスを蔓延させたことを忘れていない。どうせ同じ手口で変異株を使い世界同時不況を狙っている。検査は手緩い。中国からの入国全面禁止だ」などと、中国政府は自国民を生物兵器として世界中にばらまくと、警鐘を鳴らしています。

ただ、今回の水際対策は、冒頭で述べたとおり、第三国経由という抜け穴がある以上、たとえ、中国人の入国全面禁止したとて完全封鎖は無理です。

経済評論家の渡邉哲也氏は「中国のコロナ、これだけ拡散されたら、中国だけ入国規制をしても無意味です」とツイートしていますけれども、筆者もそう思います。

であるからこそ、27日のエントリー「増大する感染リスクにおびえる人民」で述べたように、入ってきた武漢ウイルス変異株を遺伝子解析して、少なくとも既存のどの変異株系統なのか、まったく新しい別の株なのか、その特徴を把握して、有効な対策を取るべきだと思います。

件のエントリーでは、中国国内に120種類の変異株がばら撒かれた説を取り上げましたけれども、現地の感染者の肺が急速に真っ白になった、などという報道もあり、初期武漢株の変異型ではないかとか、いやコロナではない別のウイルスだなどと色んな噂が飛び交っています。

これは、まったくの希望的観測かつ妄想ですけれども、今中国で感染爆発しているのが、初期武漢株の変異型であれば、武漢型ワクチンを大量に接種している日本国内では、さほど感染しないことも期待できます。逆に全く別の株であれば、ブレイクスルーして感染爆発する危険も出てきます。

いずれにしても、来年の春節を迎える前に、中国で爆発しているウイルスの正体を把握することが大事なのではないかと思いますね。





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