質より量のブースター接種

今日はこの話題です。
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1.準備していなかったワクチン


1月11日、岸田総理は武漢ウイルス・オミクロン株対策として、高齢者へのワクチン接種前倒しや自衛隊による大規模接種センター設置などを発表し、「オミクロン株は若年層や子どもへの感染が多く見られる。12歳以上の若い方で、まだワクチン接種をしていない人はぜひ接種をお願いしたい」と呼びかけました。

厚労省は2回目と3回目の間隔について、昨年12月に医療従事者や高齢者施設の利用者らは6ヶ月、一般の高齢者は7ヶ月までの前倒しを認めると方針を変更しました。

当面の3回目接種には2021年までの調達で余った在庫分を使うこととし、自治体にファイザー製1600万回分を2021年末までに配布。モデルナ製の在庫2200万回分をは今年1月下旬から配布する予定としています。

政府は2022年分としてファイザー製1億2000万回分、モデルナ製は9300万回分の供給を受ける予定で、モデルナ製はこのうち1800万回分を1~3月に、残りを6月までに確保する見通しとしています。

そして、ファイザー製については1000万回分を今年の調達分から2月に配る予定としているのですけれども、詳細な供給スケジュールはまだ見通せない状況のようです。

これについては、菅前政権でワクチン供給を担当した政府関係者は「菅首相の強いリーダーシップでワクチン確保に全力を挙げ、1日100万回以上の接種を可能にしました。当然、第6波が到来することは想定されていたわけで3回目の追加接種を早期に準備していなければならなかったのですが…。岸田政権でワクチン供給・接種が遅れ、再び日本国内に暗雲が漂っていることが本当に残念でなりません」と憤っているそうです。

また、菅政権時代の首相官邸スタッフの1人は「本当はワクチンが不足しているから一斉の追加接種ができないんだと思います。でも、それが発覚すれば岸田首相が責められてしまうから、政府としては絶対に認めない。菅前首相や河野太郎前ワクチン担当相は批判もされましたが、強いリーダーシップでワクチンを確保し、接種を加速させた。有事は決断とタイミングが大切なんだと思います」と内情を暴露しています。


2.日本のワクチン追加接種は0.6%


こうした状況で、日本での3回目の追加接種者は滞っています。

2021年12月中の3回目接種の対象者は、前倒し分も含めて879万人、2回目から8ヶ月たった人でも104万人います。

けれども、今年1月7日時点での接種実績は22年1月7日の公表時点で75万回、全体の0.59%に止まっています。

読売新聞の調査では、1月から一般高齢者の接種を始める自治体は多いのですけれども、予約枠を設けても埋まらない事態も起きています。

今月11日から一般高齢者向けの集団接種を始めた東京都千代田区では、4ヶ所の会場を設け、無料の乗り合いタクシーで送迎を支援するなど体制を整えてきたのですけれども、集団接種の予約枠は3割程度しか埋まらず、300人の枠に対し10人ほどしか予約がない日もあるのだそうです。

一方、海外では欧州などを中心に、ブースター接種が進んでいます。

昨年7月にイスラエルで追加接種が開始され、昨年8月以降には、アメリカやイギリス等、複数の国で追加接種が行われています。

特に、イスラエルでは人口の半数近くが3回目を済ませ、3日には60歳以上の市民と医療関係者に4回目接種を始めています。イスラエルはネタニヤフ前首相がファイザー社のブーラ最高経営責任者(CEO)と重ねて直談判し、接種に関するデータを同社に提供するのと引き換えにワクチンを大量確保しています。

イギリスはオミクロン株の発見直後、2回目と3回目の接種の間隔を6ヶ月から3ヶ月に短縮し、フランスでも、間隔を5ヶ月から4ヶ月に短縮して追加接種のスピードアップを図っています。

欧米以外で追加接種の進んでいるチリでは、ワクチン接種完了者は18歳以上の9割を超え、昨年8月に3回目接種を始め、すでに追加接種者は6割近くにまで及んでいます。更に、今月10日からは4回目の追加接種に着手したようです。

なぜチリでここまで追加接種が進んでいるのかというと、中国のシノバック製のワクチンを積極的に使っているからです。昨年6月15日のエントリー「どうやったらできるかを考える」で取り上げましたけれども、チリのワクチンの4分の3は中国のシノバック製で残り4分の1はファイザー社製です。

おそらく中国がワクチン外交の一環としてチリにどんどん供給しているのではないかと思われます。


3.短期間での繰返しワクチン接種は長期戦略にならない


そんな中、EUでは、度重なるブースター接種に懐疑的な見方が出て来ています。

1月11日、EUの医薬品規制当局である欧州医薬品庁(EMA)のワクチン戦略部門の責任者であるマルコ・カバレリ氏は、武漢ウイルスのワクチンや治療薬に関する定例会見で、1回目のブースター接種の重要性を強調する一方で、同一のワクチンを用いた2回目のブースター接種の実施に関しては、現時点ではこれを支持するデータはないと述べました。

カバレリ氏は「追加的なブースター接種は緊急対策の一部として検討し得るが、短期間での繰り返しのワクチン接種は、持続可能な長期戦略にならない」と述べ、3~4カ月ごとにブースター接種を実施した場合、過剰な負荷を免疫システムに加えることになり、十分な免疫反応が得られなくなる可能性が懸念されると指摘しています。

また、継続的なブースター接種の実施は、住民の疲弊につながる危険性があるとも述べています。

なぜ接種感覚を狭めないといけないのかというと、今のワクチンによって誘導された抗体は長く続かないからです。

オミクロン株は、ワクチンを接種した人でも感染するケースが報告されています。

オミクロン株に対しては、ファイザーやモデルナのワクチンで2回の接種から2週間から4週間後には発症を防ぐ効果が65~70%あるのですけれども、20週を超えると10%程度に下がるというデータが出ています。

一方、ファイザーのワクチンを2回接種した人が3回目にファイザーかモデルナの追加接種をすると、2週間から4週間後には発症を防ぐ効果は65%~75%に上がるものの、5週間から9週間後では55~70%に、10週を超えると40~50%に下がることが分かってきました。

要するにワクチンを打っても、半年は保たないということです。

1月11日、世界保健機関(WHO)の技術諮問グループは「新型コロナワクチンがオミクロン株や将来発生する変異株による感染に対し、WHOが提言する水準の効果を提供し続けることを確実にするため、現在のワクチンの成分の改良が必要となる可能性がある……継続的なブースター接種の必要性を低下させるために、コロナワクチンは広範囲にわたり強力かつ持続性のある免疫反応を生じさせる必要がある」とし、従来型ワクチンのブースター接種を繰り返すという戦略は「適切でも持続可能でもない」と指摘しています。

このようにWHOは変異株に合わせたワクチンを使わないと効果はないと言っているのですね。

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4.非合理を強制するのは民主国家といえない


そんな中、ロート製薬の山田邦雄会長のコメントがネットで話題になっています。

そのコメントは次の通りです。
これは合理的に考えてその通りの懸念だと思う。人体の仕組みは知れば知るほど驚くほど複雑精緻にできており、コロナウイルスの細胞への侵入事象一つとっても、これほど複雑なプロセスで「攻防」が繰り返されているわけで、簡単にワクチン=人体にプラス..とはならないはずだ。ましてや、ワクチンでは感染が防げないことが事実として明らかになっているにもかかわらず、これを義務化したりパスポートにしようとしているのは非常に懸念される。科学的に合理的でないことが強制するのでは、もはや民主国家とは言えない。そうではなく、あくまでも重症化を防ぎ、自己の自然免疫で克服する医療ノウハウの開発にこそ重点を置くべきだ。
このようにワクチンは人体にプラスだと一概には言えない。ワクチンでは感染が防げないのに、義務化やパスポートをしようとするのはおかしい、といっているのですね。実に正論です。特に、「科学的に合理的でないことが強制するのでは、もはや民主国家とは言えない」というコメントは傾聴に値します。

同じことは他の人も述べていますけれども、16日、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志氏はフジテレビ「ワイドナショー」で、「岸田さんも小池さんも立場がおありでしょうから、そんな緩い事は言えないのは分かるんですけど、正直僕は高齢の方とか、基礎疾患のある方、理由があってワクチンを打てない方をどう守るかを考えれば、あとの人は集団免疫つくぐらいの気持ちで大丈夫だと思ってますけどね……ワクチンもね、別にオミクロン用のワクチンじゃないですからね。今余ってるワクチンってね。ファイザーは3月くらいにオミクロン用出すって言ってますよね。裏を返せば今のワクチンはオミクロンに効かないと言ってるようなもんですから。これ、ワクチン打った、ワクチンの副反応の方がオミクロンよりきついと思うんですよ。3回目のワクチン打とうって、前向きな人ってどのぐらいいるのかなって思いますね……でもイスラエルなんかもう4回打ってますけど、効果別に関係ないですからね」とコメントしています。

今のワクチンがオミクロン用ではなく、効かないと白状している、とまで述べています。こういうのが地上波で放送されるところを見ると、世の中もワクチンに対しても、段々と冷静にみられるようになってきたようにも思います。




5.効かないワクチンは量でカバーする


では、効かないとされるワクチンをブースター接種することに意味があるのか。

1月13日に放送されたテレビ朝日「羽鳥慎一 モーニングショー」ではオミクロン株について特集されましたけれども、番組に出演した沖縄県・与那原中央病院の山里将一朗医師は女性職員が、ワクチンを3回接種しながら、ブレイクスルー感染した例を「友達が感染したということで検査をしたら陽性だったが、症状はほぼなかった」という事例を紹介しています。

これについて、日本医科大学の北村義浩特任教授は「基本的にこのワクチンはもともとのオリジナルの武漢から広がったと言われている株をもとにつくられているもの。今のオミクロン株からはかなりずれていますから、すごく極端ないい方をすれば、発症に関しては『効かないワクチン』なんですね……打てば抗体量は増えるから、質の低下を量でカバーしている。量は個人差が影響する。若い人の方が上がりやすい」と解説しています。

キツイ副作用に耐えて何回も接種した人を差し置いて、今更何をいうのかと思わなくもありませんけれども、それ以上に「質より量」でどうこうするのは、果たして科学的なのかという疑問も擡げてきます。

昨年12月7日のエントリー「厚労省が心筋炎をワクチンの重大な副反応に引き上げした件について」でワクチン分科会副反応検討部会で、心筋炎リスクの解析結果で、ワクチン2回接種後に30代より若い世代の男性で有意差が認められたことを紹介しましたけれども、2回打っただけで有意差がでるのに、「質より量」といって何度もブースターするのはそのリスクをより高めることになるのではないかと思います。

岸田政権が意識しているのかしていないのか分かりませんけれども、ワクチンの供給が間に合わない結果、3回目のブースター接種が遅れているのは、悪い事でもないような気がします。

去年と比べても、世論は少しづつ変わってきています。岸田政権はワクチン接種について、今以上に「科学的」な説明を尽くすべきではないかと思いますね。


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