ブログランキングに参加しています。よろしければ応援クリックお願いします。
1.北京でのオミクロン市中感染
オミクロン株がとうとう北京にまで到達しました。
1月15日、北京市でオミクロン株の感染が初めて確認されました。
感染したのは北京在住の女性で、確認された感染者との接触はなく、過去14日間にわたって北京市内から出ていませんでした。そのため、すでに北京市内でオミクロン株が流行している可能性があるとの懸念が出ています。
中国政府は「ゼロコロナ」政策を採用しており、大規模な検査やロックダウン、海外からの入国者に対する長期間の隔離など厳しい措置を導入していますけれども、北京に隣接する天津市でのオミクロン株の流行を受けて、一週間前から政府当局は厳戒態勢に入っていました。
それでも感染は防げませんでした。
中国国家衛生健康委員会(NHC)は、この日の会見で上海市でオミクロン株の感染を確認したと発表。さらに具体的な地域は伏せた形で、14の省で入国者のオミクロン株感染を確認したことも発表しています。
中国国家衛生健康委員会(NHC)の発表によると、14日に報告された新規感染者数は165人で、うち104人が市中感染とのことです。
中国メディアによると、北京市と天津市に加え、河南省や遼寧省、広東省、上海市など6省8市で、すでに400人超の感染を確認しているとのことですけれども、デルタ株の流行を受けて都市封鎖に踏み切った陝西省西安市では、過度な防疫措置に対して市民から不満の声も上がっているようです。
2.どんな細かなことや隠された危険も見逃してはならない
この事態を受け、北京市当局は感染拡大阻止に向けた措置を始めました。
北京日報によると北京市トップの蔡奇・市共産党委員会書記は15日、対策会議を開催し、感染経路の早急な解明と防疫体制のさらなる強化などを指示。会議では「どんな細かなことや隠された危険も見逃してはならない」と檄が飛んだそうです。
北京市当局は感染者の行動履歴を公表。感染者の居住地域や一部のオフィスビルでは内部に人がいる段階で封鎖したほか、立ち寄った飲食店や商業施設名、時間帯なども詳細に明らかにして、接触の可能性のある市民に報告を求めています。
更に、居住地や勤務先、立ち寄り先の商業施設などで計約1万3千人のPCR検査を実施しました。
また感染が確認された海淀区や隣接する西城区の一部の小中学校は、春節の休暇に入る前の最後の週である17~21日の期間、登校を取りやめ、オンライン授業に切り替えるとのことです。
2月4日の北京冬季五輪開幕を控え、中国は感染拡大を警戒して規制を強化しています。北京市当局は市外からの入境規制を強化し、市内に入るには事前の検査で陰性が証明されていることに加え、入市後に追加で検査を受けることが必要としています。
更に、開幕直前の1月末から、例年帰省ラッシュとなる春節の連休が始まるのですけれども、当局は不要不急の移動自粛を呼び掛け、空の便も国内線・国際線で数十便が運休となりました。
もっとも、北京には既に五輪出場選手や関係者が到着しつつあり、そのまま地元住民との接触を一切断った厳格な管理下に置かれているようです。
3.国外からの物品による感染
1月17日、北京市保健当局は記者会見で、オミクロン株の感染源について、「国外からの物品による感染である可能性を排除しない」とコメントしました。
何でも、国外からの物品というのは、7日にカナダから送られ、11日に北京に到着した郵便物だそうで、郵便物の表面や内部から陽性反応が確認されたとし、感染者の発症前2週間の濃厚接触者69人や接点があった可能性のある1万6547人全員がPCR検査で陰性だったことと合わせて感染源は国外だと主張しました。
当局者は「世界的に新型コロナの感染拡大が続く間は、できるだけ国外からの商品の購入を減らすように、また国外からの郵便物を受け取り、開封する際はマスクと手袋をつけ、直接接触を避けるように」と呼びかけていますけれども、その背景にはやはり、北京冬季五輪の開幕を目前に控え、国内外の不安を払拭して北京市内が混乱するのは避けたいとの思惑があるのではないかと見られています。
けれども、隠蔽国家であると世界にしられた中国がそんなことを言っても信用されません。
もう1年半も前になりますけれども、2020年11月、人民日報が、フェイスブックに「新型コロナ感染症の始まりは武漢ではなかった。輸入された冷凍食品とその包装部分に由来しているのではないか」とする専門家の見解を投稿し、WHOに否定されたことがありました。
それでも中国は輸入冷凍食品にリスクがあると叫んで検査態勢を強化してはウイルスが見つかったと何度も発表して輸入品の受け入れを拒否。輸出した国が異議を申し立てる事態にまで発展しました。
筆者は、その時と同じ匂いを感じてしまいます。
それに、郵便物や冷凍食品に武漢ウイルスが付着して、それが感染源になるのなら、当然その逆もあり得る訳で、たとえば中国製の冷凍食品を輸入している国は、それが感染源となって輸入国に拡がることになります。
もしも、武漢ウイルスが生物兵器だったとしたら、手紙か冷凍食品にウイルスを付着させることで簡単に相手国に送り込むことが出来ます。その意味では、中国は、人以外の感染経路の可能性を世界中に知らせたといえるかもしれません。
4.感染を無理に止めるな
1月17日、日本政府はオミクロン株の感染拡大を受け、「蔓延防止等重点措置」について、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏1都3県に適用し更に拡大を検討していると伝えられています。
小池百合子都知事は「オミクロン株の感染拡大は圧倒的なスピードで、ここで実効性のある対策を講じないと流れは止まらない」と述べていますけれども、中国がロックダウンは当然として、感染者の住む建物ごと玄関を溶接して封鎖するといった強硬手段に出ても尚、感染を抑えることはできないのです。それを考えると、蔓延防止措置を多少強化したところで、せいぜい感染スピードを遅らせるくらいで感染そのものを防ぐことは不可能だと思います。
それよりは重症化しにくいとされるオミクロン株の感染拡大を逆手にとって、"薄く"感染して集団免疫を付けることを考えた方がよいかもしれません。
1月5日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」に出演した、医師で元厚労省医系技官の木村もりよ氏は、現在のオミクロン株への対応について「南アフリカのようにワクチン接種がかなり低いところでも収束してきているわけですから、ワクチンも治療薬もできたなかでは、感染を無理に止めない。医療体制を万全に整えることが私たちがやらなければならないこと……無理に感染する必要はないけど、感染は山を描く。ということは一定程度の感染ができないと、下がってこないということ」と持論を展開しました。
木村氏は「感染力が強くなるということは、変異したウイルスが私たち共存していく絶好の条件を得られたということ。コロナでも変異を繰り返しながら、感染の数は増えながら致死性は減っていて、通常の風邪に近づいていくことになる……この感染症はある日突然消えてなくなるものではなく、変異する前からほとんどの人にとって、軽症で無症状。にも関わらず、かかったら隔離して、社会活動を止めなければならないこんなバカげたことはない……効果がどれだけあるか分からない自粛やまん防を繰り返すのは止めた方がいい……致死性は、変異が進む前からも多くの人にとっては通常の風邪かインフルエンザ並みで済んでいる。そんな感染症をここまで社会的に重篤に扱われることによって、人為的医療逼5迫を起こしている」と述べ、指定感染症2類相当に扱われている状況から類相当に引き下げることを提案しています。
5.広域中和抗体
実際、ワクチンよりも自然感染の方がより質の高い抗体ができるという研究データもあります。
昨年7月、理化学研究所・生命医科学研究センター・サイトカイン制御研究チームリーダーの久保允人・東京理科大学生命医科学研究所教授らの共同研究グループが、インフルエンザウイルスに対する免疫反応がワクチン接種とウイルス感染では異なることを発見したと発表しました。
共同研究グループはマウスを用いて、インフルエンザウイルスの「不活化ワクチン」接種と「弱毒生ワクチン」を模倣した経鼻感染において、生体内で産生される抗体の質的・量的比較を行いました。
その結果、不活化ワクチンではワクチン株に対抗できる抗体だけが産生されましたが、経鼻感染ではワクチン株だけでなく、構造の異なるウイルス株にも対抗できる"広域中和抗体"が産生されることが明らかになりました。
現在、インフルエンザの予防のために広く使用されている「不活化ワクチン」は、ワクチンに使用したインフルエンザウイルス株に対しての有効性は高いものの、新しく現れた構造の異なるインフルエンザウイルス株に対しては有効性が低いといわれてきました。
今回の研究は、「弱毒生ワクチン」を経鼻投与することで、ウイルス株を超えて感染を防御できる質の高い中和抗体である「広域中和抗体」が産生されることを示したことになります。
まぁ、この研究はインフルエンザに対するもので、武漢ウイルスにそのまま適用できるとは限りませんけれども、もし、生ワクチンの経鼻感染だとワクチン株以外の株にも対応できるという研究結果が武漢ウイルスにも当てはまるとすると、自然感染することで、いろんな種類の変異株にも対応できる中和抗体を持てることになります。
幸か不幸か、弱毒性といわれているオミクロン株に自然感染することは、「弱毒生ワクチン」を経鼻感染することと殆ど同じだと思われます。
その意味では、木村もりよ氏が主張する「無理に感染を止めない」作戦は、以外とアリなのかもしれませんね。
この記事へのコメント